Yu Kanaji's page
(金治 佑の研究紹介ページ)
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金治 佑 (かなじ ゆう)
学位:博士(農学)
所属:(国研)水産研究・教育機構水産資源研究所 鯨類グループ グループ長
連絡先:kanaji_yu96(at)fra.go.jp
現在の研究テーマ:小型鯨類(イルカ・ゴンドウクジラ)の保全・管理と生態研究
生息頭数の把握は保全・管理の基本情報となるばかりでなく、生態系構造の理解にも繋がります。生息域全体にジグザクに配置した調査線から対象動物を探索し、発見密度と見逃しの補正率を用いて個体数を推定するのがライントランセクト法です。この方法を用いて様々な鯨類・鰭脚類の個体数推定を行っています。
個体群が現在増加傾向にあるのか?減少傾向にあるのか?繁殖年齢や繁殖率などの生物特性値に加え、個体数の時系列情報を基にモデルを構築することで過去の保全状況を評価したり将来の動態予測が可能となります。個体数が初期状態に近づくと増加率が頭打ちになる密度効果はシグモイド関数(S字曲線)で表現されます。
世界中には約90種の鯨類が知られていますが、日本近海にはそのおよそ半数が生息しています。そのなかでも最大グループであるマイルカ科鯨類は、熱帯・亜熱帯~寒帯・亜寒帯に種特有の分布域を持ちます。水温などの環境変数を用いて、それぞれの分布域を推定するモデル開発を行っています。
鯨類の身体に衛星発信機を装着することで、個体ごとに移動・行動を詳細に知ることができます。時系列モデルを用いることで、立ち止まったり、別の場所に移動したりといった行動様式を調べることもできます。これまでハンドウイルカやイシイルカに衛星発信機の装着を行ってきました。
安定同位体(重さがわずかに異なる元素)の存在比は、生態系の一次生産者から低次、高次捕食者に至る食物連鎖を通して少しずつ上昇すること、一次生産者の安定同位体比は海域によって異なることが知られています。この性質を利用することで、鯨類がどこでどのような餌を捕食しているのか推定することができます。
イルカやゴンドウクジラは群れで生活するため、その変動特性を知ることは個体数推定のために重要です。また異なる種同士が混群を形成することも多く、どこでどのような種が混群を形成するかは、種間の生態的類似性や種間競合の理解に繋がります。
過去の研究テーマ:浮魚類の資源生態研究
マアジは冬季、東シナ海に主要な産卵場を形成します。一方で日本沿岸には小規模な産卵場を形成し、周年どこかで繁殖が行われていると考えられています。耳石の形状や微細輪紋や体長や鰭の長さなど外部形態の特徴から、これら産卵群を判別する研究を行いました。
東部インド洋で漁獲されたカツオの耳石や生殖腺重量を分析することで、モンスーンによって季節変化するインド洋の海洋環境と繁殖期がどのように関係するかを調べました。