シェイプで集中線

はじめに

集中線を作成するときに中心をマスクでごまかすのをよく見る。

新人の頃は他に思いつかず、よくやっていた。

集中線の元ネタ(という表現があっているのか...)は多分マンガだと思う。

マンガでは定規で実際に線を引いているので「ぼかしてごまかす」なんてのは本来ありえない。シャープな線なのである。

それを目指したかった。

「中心をぼかす」という行為の「ごまかし」感から抜け出したかった。

好きじゃない集中線。中心をマスクでぼかしていて、鋭さがない。やむを得ず感が否めない。

円マスクだと食い込んでくる距離が一定になってしまう。実際映像で見ても円が浮かび上がって見える。

円マスクを回避しようとして、多くの人が次に思いつく方法。マスクをアニメーションさせないと円の時と同様、形がバレる。うまいことアニメーションさせるのはかなりの手間。

中心をぼかさないから先端までシャープではっきりくっきり見えるのね!中心への食い込み具合もランダム!これが作りたい。

方針

シェイプに追加できるプロパティ
この形の元になっているパスは1本の水平な直線のみ

シェイプレイヤーは奥が深い。

シェイプレイヤーのプロパティを開くと「追加」という項目があり、左図のようなメニューが出てくる。これらはシェイプに対するエフェクトのようなもので、これらを使うことでシェイプを変形・アニメーションさせることが出来る。エフェクトを使わずこれを使っていきたい。シェイプは解像度を気にせず拡大出来るのも素敵ポイント。

このメニューの中に「リピーター」というのがある。パスを大量複製できる。線を1本用意すれば複製で行けそうだ。回転をかけながら複製していくと円形に出来る。

完成形は動画なので動きもほしい。線を「トランスフォームのウィグル」で中心に近づいたり離れたりするようにすれば行けそう。

問題の線だが、普通に線でもいいのだが、中心は細くて画面外側に行くにつれて太くなるようにしたい。シェイプは「線」と「塗り」で描画できるが、「線」ではそれが出来ない(方法が思いつかない)。ということは「塗り」で見せる方向か...。だとしたらここは三角形を使おうと思う。▲の縦横を伸び縮みさせればそれっぽく出来そう。

作っていく

針の作成

スターツールにしてダブルクリック。ドラッグでも作成できるが、ダブルクリックとドラッグで何が変わるのか、自信ない人は今回はドラッグで作成しないほうがいい。

今は三角形がほしいので別に多角形ツールでもいい。

星が出来た。これをこんな針の形にしていく。

「頂点の数」を「3」にして、正三角形にしてから「トランスフォーム:多角形」内のスケールで細長い針のような形にする。注意するのはレイヤーの「トランスフォーム」ではないこと。「コンテンツ」の中の「トランスフォーム:〇〇」をいじること。

リピーターで複製

「コンテンツ」の右側にある「追加」から「リピーター」を追加する。

たぶんこんな感じになる。このまま進めるとうまくいかない。先程調整した「トランスフォーム:多角形 1」の前に「リピーター 1」が入っている。さっき作った「トランスフォーム調整したものを複製」したいのに、このままだと「複製したもの全体をトランスフォーム調整」になってしまう。なので「リピーター 1」をドラッグしてグループの外に出す。そして適当に調整したのが次

コピー数と「トランスフォーム:リピーター 1」の回転を適当に指定する。

ここでの「トランスフォーム」は、複製されたシェイプに対するオフセットである。上の例だと1つ複製するごとに4°回転されたものが増えていくということ。

デフォルトで「位置」が [100,0] になっているので、それを [0,0] にするのを忘れないように。そうすると、、、

なんじゃこりゃ!

太陽みたいになった。そういえばさきほど一つ忘れていた。

これ今、回転の中心は画像の中心である。

これを回転させると、時計の針のように回転するだけである。なので修正。三角形を回転の中心から外してやる。

最初にスケール調整した「トランスフォーム:多角形」の中の「アンカーポイント」を修正する。

もとの状態。

アンカーポイントをずらした。

これにリピーターが適用されるとこんな感じに。

近づいてきた。

先っちょが揃ってるので、ばらつきをもたせたい。

トランスフォームのウィグルで動きをつける

「トランスフォームのウィグル」を追加。「リピーター」の後に来るように順番に気をつける。

適用したら、その中の「トランスフォーム」で「位置」を調整。複製する前の状態を思い出すと、Yの値で上下すると中心に寄ったり離れたりする動きになるのは明白。

ランダムな動きになるよう「ウィグル」と「相関性」も適当な値を設定する。

じゃーん!!って感じ。

ばらつきが出た。この時点で再生すると動きます。キーフレームも必要ないネ!

ちなみに「ウィグル」「相関性」が初期状態だと、線同士がヌルヌル連動した感じに動きます。今回はランダムにしたいので上記のような数値。

エクスプレッションでコントローラー作成

これで集中線になりました。シェイプレイヤーなので解像度気にせず使えます。

この後は、各数値を調整しやすいようにコントローラーを付けたら完成☆彡

コントローラーはエクスプレッションでこんな感じに。

あとは

  • エフェクトの「ポスタリゼーション時間」でフレームレート落とす

  • 線が若干ジャギってるのが気になる人はラジアル系のブラーで滑らかに

  • 「等間隔に並んでるのが気になる」という人は、「リピーター」の「回転」のエクスプレッションを書き換えたり

  • 「線のある場所はずっと変わらねえじゃねえか」という人は、シェイプレイヤー自体を回転させればごまかせないかな?かな?

  • 1本ごとに線の太さをバラバラにしたいときは...ウーン(´-`).。oO

ダウンロード

初期値は1920x1080くらいでちょうどいいくらいにしてありますので。適宜調整してくださいまし。

コツは、「ばらつき」を0にしてから、「広さ」でコンポの淵あたりに先端を持ってきてから再度「ばらつき」を調整...でしょうか。