金属は自由電子が電気を流します。一方で、岩は金属ではないので別のメカニズムで電気を流します。
とにかく電荷を持ったものが動けば電気が流れます。メカニズムは主に以下の4種類。
岩の中には往々にして不純物として鉄が含まれている。鉄には2価の鉄(Fe2+)と3価の鉄(Fe3+)が存在し、岩の中にも比率は違えど基本的には両方含まれている。Fe2+からFe3+へ電子が渡るともともとFe2+だった鉄がFe3+に、Fe3+だった鉄がFe2+に変身する。このように岩の中の鉄の間を電子が動くことによって電荷を運ぶ事ができる=電気が流れる。
プロトン電動ではH+が動くことで電気が流れていたが、他の原子・イオンは動かないのかというと温度が高ければ動けるようになる。岩の中には原子がいるはずの場所にいない「欠陥」と呼ばれる"空席"が存在している(欠陥が無いものを完全結晶と呼ぶが、理論上存在できない)。また不純物としてNa+なども往々にして存在する。温度が高いと結晶の中の欠陥やNa+などのイオンが動くことで電荷を運ぶことができる。
岩の中には往々にして不純物として水が含まれている。ただし、水はH2Oとしているのではなくて水素イオン(H+)として岩に取り込まれがち。このH+は小さいので岩の中を他の原子・イオンよりも簡単に動くことができる。そのため、温度が高くなくてもH+が岩の中を動くことで電気を流すことが可能である。広い意味ではイオン伝導に含まれるが、他のイオンと比べて圧倒的に小さくて動きやすい水素は特別扱い。
岩の中の電子が動く