世界自然遺産地域内にいる屋久島の野生ニホンザルを対象に、
コミュニケーションの生物学的基盤を見出そうと、文化行動や体温調節行動に着目して研究しています。
私が初めて参加した野外調査です。毎年、大学の夏休みにあたる8月から9月に行われています。調査隊での多くの成果が英語論文として出版され、学術調査について数多くのことを原体験できる数少ない機会です。ここでの経験から下北半島での調査にもつながり、これらのフィールドでのワクワクは、フィールドワークができる霊長類研究の進路を決める大きな決め手となりました。
学部生時代からほぼ毎年、12月末に行われる青森県下北半島でのニホンザル個体数調査参加しています。
下北半島はヒト以外の現生霊長類での北限地です。そのため、下北半島に生息するニホンザルは天然記念物に指定されています。一方で、農作物被害を出している現実もあります。このように天然記念物でありながら獣害被害も起こしている現状から、調査会ではニホンザルとヒトが共生できることを目的に、毎年12月末に学生ボランティアを募集して、生息している群れの個体数や遊動域の把握を継続的に行っています。
本調査地は、人類進化論研究室OBの上原重雄が日本全国のニホンザル生息地を求めて、訪ねた調査地の一つでもあります。