2024. 12 心の健康に関するインタビュー記事が朝日新聞に掲載れました。
2024.9 抑うつ症状と健康余命に関する単著論文が、Asian Social Work and Policy Review に掲載されました。
2024.6 育児期の日本人女性・男性のウェルビーイングに関する論文が、日本カトリック大学・短期大学連盟「カトリック学術奨励金研究奨励賞」を受賞しました。
2023. 11 中央アジア3カ国(カザフスタン・キルギス・タジキスタン)とロシアにおける健康余命を分析した共著論文、"A Comparative Analysis of Health Expectancy in Central Asia and Russia: Negative- and Positive-Health Approach" が Population Research and Policy Review に掲載されました。
2023. 9 中山人間科学振興財団・中山賞奨励賞(募集テーマ「健康格差のヒューマンサイエンス」) を受賞しました。
専門は社会人口学で、主にロシア・旧ソ連諸国、および日本を対象に研究を 行っています。以下の2点が研究の中心課題となります。
1.旧ソ連崩壊後の国民の健康状態の変化。
2.人生を長さ(平均寿命)と質(健康状態)から分析した健康余命(health expectancy)の推計。
旧ソ連崩壊という劇的な構造変化は、国民の健康状態に大きな影響を与えました。特に、1990年代前半は旧ソ連諸国各地で死亡率の急激な上昇、結果として平均寿命の減少が認められました。しかし、国による違い (Figure1参照)、および国内の社会・経済的要素による違い(Figure2参照)が認められており、社会調査データを使ってそのメカニズムの検証を行っています。
Source: Minagawa (2013)
人生を長さ(平均寿命)と質(健康状態)の両面から捉えた指標である、健康余命(health expectancy)の推計を行っています。たとえば、日本人高齢者(65歳以上)の間では、低体重(BMI<20) が、日常生活動作能力・手段的日常生活動作能力に支障なく生きられる人生の長さ(active life expectancy)と関係していることが分かっています(Figure 1 参照)。また、幸福度や人生の満足度といった主観的ウェルビーイングに関する指標を使った健康余命の推計も行っています。たとえばロシアでは、平均余命の延伸とともに、人生に満足した状態で生きられる長さ(happy life expectancy)も上昇していることが明らかになりました。特に、ソチ五輪、およびクリミア半島の併合が行われた2014年頃に向けて happy life expectancy の延伸が認められ、このことから、政治事情が国民の健康状態と関係していると考えられます(Figure 2 参照)。今後、最近のロシア・ウクライナ情勢を踏まえ、研究の継続が期待されます。
Source: Minagawa and Saito (2021)
Source: Minagawa (forthcoming)