このサイドBではWeb-tonbori堂ではあまりご紹介していない音楽について少し書いてみようかと思います。聴き専門かつ昔ちょっとだけオーディオかじったtonbori堂が好きな音楽についてあれこれと好き勝手に書くということで何卒よしなに。
tonbori堂が好きなシンガーソングライター、佐野元春のYOUNG BLOODSをトップページではご紹介しましたが、実はYOUNG BLOODSの収められているアルバム『Café Bohemia』は初めて買ったCDのうちの1枚でした。佐野元春を聞き始めたのはちょっと遅くて元春がニューヨークに行った後、ヴィジターズの『NEW AGE』を聴いた時になんて凄い曲なんだと雷に打たれた感じになり、まずアルバム『NoDamage』を買って次いで『NEW AGE』の入っている『Visitors』を買いました。そしてその後初期の名曲『アンジェリーナ』の入ってる『Back To Street』、粒ぞろいで『ガラスのジェネレーション』や『悲しきレイディオ』の『Heart Beat』と遡り、名盤『Someday』へ。でますます元春熱が過熱したタイミングでの『Café Bohemia』発売の報に当時買ったばかりのCDプレーヤーの初めてのアルバムはコレと決めていました。そのため、元春アルバムを3枚上げろと言われると初期の『Someday』(『ロックンロールナイト』が白眉)、『Visitors』(『NEW AGE』は外せない)そしてこの『Café Bohemia』になります。特に『YOUNG BLOODS』は街角で急にギグを始めるというMVも覚えている人多いかもしれません。
もちろん今の『今、何処』や『MANIJU』『Coyote』も名盤なんだけどやっぱり刷り込まれたものが違いすぎて、どうしてもこの『Café Bohemia』は外せません。(ちなみにSpotifyでは全曲聴けないのでご注意を。現在聴けないのはindividualist、99ブルースの2曲です。)でも唯一1曲だけお気に入りを選べと言われたら『NEW AGE』と『エンタテインメント!』はものすごく迷うかもしれません。それぐらい『エンタテインメント』の歌詞は心に刺さっています。COVID19パンデミックで心が折れずに居れたのはこの曲のおかげでもあるので。ということでSpotifyのリンクを貼っておきます。
tonbori堂がこの曲に痺れたというか衝撃を受けたのは、それまでのよく聴くポップス、ポップロックやニューミュージックではない音もなんですが歌詞にやられたところがあります。少しだけ引用させてもらいます。
”誰も分かってくれない 誰も気づいてくれない 君と今夜は闇をくぐって小舟でこぎだしたい それが人生の意味(That's meaning of life)/佐野元春/NEW AGEより”
この詞にガツンとやられました。当時まだ何者でもなかった(まあ今もそうですけれど)若者が「誰も分かってくれない。気付いてくれない』という鬱屈した気持ちをもっているのは当然でそこに直球ストレートな歌詞が刺さった感じです。元春の楽曲はメロディとともにその歌詞も大きな要素でデビューアルバムの『Back To The Street』や続く2ndアルバム『Heart Beat』は都市生活者に向けてのワードとそれを支えるメロディが新しい時代を予感させるという評判であり実際にtonbori堂もこれらの中でも『Heart Beat』の楽曲は好きなんですが、やはりそこに安穏とせず渡米してニューヨークでの刺激をそのままに1枚のアルバムに落とし込んだ『Visitors』は外せないと思っています。もちろんそれは『NEW AGE』にガツンとやられたのもそうなんですがまだヒップホップも定着していなかった時に日本でその萌芽を蒔いたというのは非常に重要だと思っています。(動画は佐野元春公式レーベル/daisyMusicのYouTubeChより)
リンク/ブクログ/Amazonアソシエイト/佐野元春&コヨーテバンド「HAYABUSA JETI」
元春のニューアルバム「HAYABUSA JETI」、過去の元春クラシックナンバーを今に再定義するということで、デビュー初期の代表曲から今までの軌跡の中で印象的な曲を再度、今の世に問う大胆なアルバムとなっている。今現在の最新モードの佐野元春&コヨーテバンドの大胆なプレイがつまっているこのアルバムをひっさげて現在、佐野元春45周年、コヨーテバンド結成20周年アニバーサリーツアー中。(2025.08.15)