研究室の様子

早稲田大学人間科学部では、学部3年の春からゼミに配属されます。本研究室は学部3年生から修士2年生までの学生が約20名在籍しています。

どの学生も真面目に研究に取り組んでおり、大学での滞在時間は長めです。学生部屋には電子レンジや炊飯器などの物品が充実しています。

1年のうち3ヶ月程度(またはそれ以上!) は野外に出ており、特に多くの動物にとっての繁殖シーズンとなる春〜夏にかけてはフィールドに出払うため研究室が静かになります。夏〜秋になると学生が戻ってきて再び賑やかになります。動物好きな学生が多いため、自身の研究テーマと関係のない野生動物の調査を手伝いにいくことも多々あります。

楽しく、自由に、真面目に、研究を行っている研究室です。

◆活動の様子

3年次:

3年次の4月から週に1回(現在は木曜日)、ゼミが開始されます。生態学に関する洋書を読んで理解を深める「輪読」や、自分の研究テーマに関連する英語論文を読み発表する「論文紹介」を行います。学生によっては先輩の野外調査を手伝うこともあります。先輩に指導を受けながら、その姿を見て自身の研究活動に必要な知識と技術を身に付けます。

4年次:

3ヶ月程度のフィールドワーク(僻地や無人島を含む)で集団生活やキャンプ生活をしながら、野生動物の研究を行います。学生によって研究拠点はさまざまで、北海道道北エリア・銚子・所沢などで調査を行います。フィールドワークから戻るとデータ解析や化学分析実験、論文執筆などのために大学に通う日々が始まります。はじめてのフィールドワークで経験したこと・得られたデータを学生同士で披露し合いながら研究生活を送ります。

大学院生:

他大学から本研究室に進学される方も、遅くとも入学前の2月中旬から新年度に向けた研究計画に関するやりとりを教員と開始します。修士1年次は就職活動もなく、誰にも・何にも邪魔されずに研究活動に打ち込める期間です。後輩指導に自身の研究にと忙しい日々ですが、野生動物と向き合う時間をたっぷりととることができる楽しい日々を送れます。

◆研究室の1年

4月:新年度ゼミ開始、ウミネコ繁殖シーズン突入
新3年生にとっては研究生活のスタート。教員や先輩たちの指導を受けながら、毎週のゼミでステップアップしていきましょう。新4年生以上にとっては長期にわたるフィールドシーズンの開始時期。

5月:ゴールデンウィーク北海道フィールド実習(3年生)、ウミネコ産卵育雛、モグラ繁殖期
ほとんどの学生がフィールドワークのため野外に出ている時期です。3年生も講義の合間を縫って先輩たちのフィールドワークのお手伝いができるかも!?多くの生き物が繁殖期を迎えるため、普段は見ることができない動物たちの行動が観察できるかもしれません。

6月:ウミネコ繁殖期、オオセグロカモメ最盛期、リシリコンブ水揚げ
オオセグロカモメの産卵がピークを迎えます。利尻島ではリシリコンブの水揚げが始まるため、昆布干しのお手伝いをすることもあります。

7月:ウミネコ巣立ち、オオセグロカモメ繁殖中、モグラ子離れの時期、春学期終了
引き続きフィールドワークのシーズン。フィールドワークの生活にも慣れ、いよいよ研究者らしくなってくる頃です。

8月:フィールドワーク終了、ウミネコ繁殖期終了、オオセグロカモメ巣立ち
春~夏にかけてのフィールドがひと段落し、所沢キャンパスの研究室に人がもとってくる時期です。長期のフィールド生活で発見した世界で自分だけが持っているデータをお土産に帰宅です。学生有志による自主ゼミも開催されます。

9月:各種学会シーズン、データ解析、カワネズミシーズン復活、
鳥学会や哺乳類学会が開催される時期です。早い人は4年生での学会発表があるかも!?発表がない学生も、積極的に学会に参加して他大学の研究者の方々の研究を吸収しましょう。卒論生はデータの解析をはじめます。多くの学生がフィールドワークから戻るため、動物園・水族館見学などに出向くこともあります。

10月:ゼミ合宿、モグラセンサス、データ解析、論文執筆開始
ゼミ合宿を行います(現在はコロナで中止)。年に一度のモグラの生息確認調査も行います。引き続きデータ解析の時期です。教員や先輩の指導を受けながら、論文執筆に向けて作業を進めます。

11月:データ解析、卒論提出
月末の第一回卒論提出に向けてラストスパート。解析に執筆に大忙しの時期です。

12月:忘年会、卒論仕上げ
年始の卒論最終稿提出に向けて最も忙しくなる時期です。

1月:修士論文発表会、卒論仕上げ、次年度フィールド準備
修士学生は月末ごろに修論公聴会があります。学部4年生は年始に卒業論文を提出した後すぐに卒論発表会に向けた発表準備に取り掛かります。それと同時に次年度のフィールドワークに向けた準備が始まります。3年生はこの頃までに卒論計画を決め、フィールドワークの準備を始めます。3年生はテスト期間が終わったら翌年度の物品準備などで一気にあわただしくなります。気後れしないように注意が必要です。

2月:卒論発表会、科学論文執筆、次年度フィールド準備
学部4年生は2月上旬の卒業発表会に向けて最後の追い込みです。卒論発表会終了後、志の高い人は卒論・修論を科学論文として投稿するための準備をします。次年度フィールドワークに向けた準備も追い込み段階です。

3月:卒業式、科学論文投稿、次年度フィールド出発
晴れて卒業を迎えます。論文を投稿し、いよいよフィールドに向けて出発です。