The 2nd annual conference of the virtual society

バーチャル学会 2020

2020 12/12 Sat.

Venue: VRChat & cluster

TIME TABLE

日程表

ポスター発表は各コアタイムが30分

口頭発表は1件あたり10分発表,質疑・入れ替えで5分です


13:00 - 13:30

オープニング

13:30 - 14:00

休憩

ポスターセッション

VRChatURL

14:00 - 14:30

知覚①

PA1-1:VR感覚の印象についての意識調査

りーば,二階堂皐月(VR適性研究所)
Keyword:VRSNS,クロスモーダル アンケート,アバター

 VRChatプレイヤーに、VR感覚についてどのような印象・感情を持っているかをインタビュー。前回行ったVR感覚についてのアンケート調査よりもより詳細な内容を聞き出していく。対象者のVR感覚の有無は問わず、双方に「あってよかったこと・悪かったこと」などを質問する。そこから感じていることへの共通性や相違性を検証し、VR感覚についての意識調査を行う。なかでも普遍的な例と特殊な例の両方をピックアップする予定。またプレイ時間や使用機器、トラッキング数のほか、実際の性別とアバターの性別、利用しているアバター等の質問項目も準備し、それぞれの項目とVR感覚に及ぼす関係性も注目する。

PA1-2:VR空間で発生する温感錯覚における受容能力の定量化法の提案

Narihara(VR適性研究所)
Keyword:VR,錯覚,クロスモーダル

ソーシャルVRアプリVRChatのユーザー間ではVR空間で発生する錯覚をVR感覚と称し、その受容能力の高さをVR感度と呼んでいる。VR感度が高いことはVRコンテンツから過剰な刺激を受ける可能性がある。そこで、VR感度を定量化することでユーザー間の感覚の違いを理解することが期待される。本稿では特に温覚の錯覚に着目した。VR環境にて異なる温度を想像させるバーチャルオブジェクトを用意し、被験者が触れたときに感じる温覚と自覚するVR感度の強さを回答させた。2つの感覚の相関を見ることでVR感覚の強度を推定可能か予備的な検討を行った。

PA1-3:VR空間における人体の各種擬似感覚(VR感覚)の関係性分析

KUNITAKE-SUKANEKI(千葉県立柏の葉高等学校 情報理数科)
Keyword:VR、Pseudo-Haptics、VR感覚、Phantom-Sense

擬似触覚(Pseudo-Haptics)をはじめとするVR空間内での感覚は,VRChat等のVRプラットフォームの普及により近年注目を浴びつつある.本研究では,HMDによるVR空間内の視覚情報と現実空間での行動によって,嗅覚・触覚・平衡覚にどのような影響が及ぼされるのかを示すとともに,各感覚感度の相関関係について示すことを目的とし,VRを体験したことのない31名を対象として実験を行った.その結果,各感覚感度に正の相関がみられたものの相関係数は0.3~0.4と小さく,VR空間において特定の感覚を強く感じたからといって別の感覚も強く感じる訳ではないといったことが示された.また平衡覚を調べるために行った3段階の落下実験では,元々の感度によらず落下高度に応じて感覚感度が強化されることが示された.

HCI①

PB1-1:HMD使ってミニ四駆の目線で乗ってみる

mmt
Keyword:VR,HMD,PoC,ハードウェア,Unity

ミニ四駆に搭載したカメラ目線の映像ををHMDで体験、実際に体感した結果を考察します。

PB1-2:お風呂でVR

狐ン
Keyword:お風呂,VR,VRC

お風呂に入りながらVRCのようなゲームをプレイする方法を考える。

必要な要素は、防水性能、充分な無線通信性能、充分なHMD(もしくはスマホ)の性能だと考えているが、今後実験を行い、具体的に必用な性能を探っていく。

PB1-3:妊婦体験と胎児体験を繋ぐ 触覚相互コミュニケーションシステムTouch Love の開発

木村正子(北陸先端科学技術大学院大学),藤井綺香(東京大学),伊東健一(東京大学),田中由浩(名古屋工業大学)
Keyword:触覚コミュニケーション,触覚,インタラクション,妊婦体験, 胎児体験

胎児体験VR「Into the Womb」の拡張として,母親と胎児のインタラクションを模した触覚伝送システム「Touch Love」を開発した.本システムでは,母親役が腹部に巻いた加速度センサを備えた妊婦ベルトを触ると胎児役が着たジャケットの背中側の振動子を通じて触れられた感覚が伝わるとともに,胎児役が加速度センサを装着して足を動かすと妊婦ベルトの振動子を通じて胎児に蹴られたような感覚が伝わる.

14:30 - 15:00

機械学習応用

PA2-1:機械学習を用いたClusterワールド検索手法の検討

konkon
Keyword:機械学習,自然言語処理,検索エンジン

近年、Clusterはスマートフォン、PC、VRを繋ぐマルチプラットフォーム対応VRSNSとして加速度的に発展を続けている。一方、Clusterには、ユーザーが投稿したワールドを検索するシステムが未だ整備されていない。そのため、ワールド公開数が増大する一方で、多くのワールドがユーザーに発見されず埋もれてしまうという課題がある。そこで我々は、Clusterワールドのタイトルおよび説明文から得られた文章ベクトルを用いることにより、任意の検索キーワードとの類似度によってワールドを検索するWebアプリケーション『Cluster World Search』を作成した。本発表では、このシステムの根幹となるベクトル空間モデル、およびClusterワールドの数値表現を得るための機械学習手法について解説する。

PA2-2:クラウドワーキングによる物体認識用画像アノテーションにおける問題の調査

鈴木亮太,沖本祐典(cvpaper.challenge)
Keyword:データセット,アノテーション,深層学習

人手によってアノテーションされた大規模画像データセットにおけるヒューマンエラーの種類と,その深層学習への影響を調査した結果を報告する.深層学習は大量のデータに支えられて成功を収めたが,大規模データセット作成はクラウドワーカーが携わる場合が多く,そのためにヒューマンエラーが含まれている可能性が高い.その深層学習への影響の調査は深層学習の更なる性能向上に寄与すると思われる.そこで,デファクトスタンダードの大規模画像データセットImageNetの疑わしいと思われるラベルを画像処理研究者のグループが3日間で再アノテーションをするワークショップを行い,その問題点について議論した.また,再アノテーションされたデータセットにより学習した深層学習の精度の変動について調査した.

PA2-3:航空機LiDARデータに対するドメイン適応を利用したSemantic Segmentation手法の検討

望月紅葉さんと幸せな家庭を築きたい(イーグルジャンプ)
Keyword:点群,深層学習,ドメイン適応

航空機LiDARからのSemantic Segmentationによる各点単位のクラス予測に関して,深層学習手法用いることで高精度に行うことが可能であるという多数の研究成果が報告されている.

一方,提案された手法を用い,自前のデータセットに対して真値を作成し学習を行うことはコストが高いという問題がある.

本研究では航空機LiDARで観測した点群に対し,公開データセットを利用したドメイン適応を用いることで,真値の作成コストを削減しつつ,抽出性能の向上を検討した.

ソースドメインでは教師ありでSem.Seg.タスクを学習し,ターゲットドメインではソースドメインと重みを共有したモデルで教師なしでSem.Seg.を行った.

その際に,出力されるラベルに対して敵対的学習を行う事で,ソースとターゲットの分布を近づけるような制限をかけることでドメイン適応を行った.

アバター応用

PB2-1:アバター文化人類学~アバターが作り出す文化〜

スラプロ(個人勢)
Keyword:アバター,文化人類学,VR

VRChat、バーチャルYouTuberなどを始め、現在アバターという姿を介したコミュニケーションが浸透しつつあります。こうした新しいスタイルのコミュニケーションが築く人間関係について、人類学の視点から考察をします。

PB2-2:Vtuber/VRによるリモート教育の実践およびその可能性

バーチャル理科おねえさんYUKIYA(科学館サイエンスエデュケーター)
Keyword:教育,理科教育,リモート教育,リモート実験,VR教育

現在まで、VRを用いた教育、Vtuberによる教育は様々行われてきました。その紹介をするとともに、これまで私が関わらせて頂いたVR防災教育、ならびにVtuberによる理科授業、リモート理科実験授業の実践紹介をさせて頂きます。また、今後の展望についても言及したいと思います。

PB2-3:VR空間における講義に向けた、表現技術の変遷に見られるVTuberと視聴者とのギャップについての考察―講演者と聴講者の視座を近づけるために―

Knan (なん)(VRアカデミア きょういん)
Keyword:VTuber,教育,VR,遠隔授業

私はTV会議システムを利用した遠隔授業を実施した際、通常の授業に比較してのもどかしさを経験した。

そして、この遠隔授業の改善策としての授業あるいは講義の、将来におけるVR化を模索している。

また現在の遠隔授業のスタイルとVTuber(あるいはYoutuber)の配信のスタイルとの類似性を感じている。

そのため、配信における演者と視聴者との視座のギャップという点に着目して、

特にVTuberの表現技術の変遷(3次元化、2次元化など)を考察し、

もって講義のVR化へ向けた手法やヒントを見出したい。

15:00 - 15:30

知覚②

PA3-1:長期間VR体験にて生ずる変化と今後の課題

ラック
Keyword:VR,心理実験,プロテウス効果

ソーシャルVRアプリのVRChatに長期間連続でログインした際の変化を観測し、同時に普段使わないアバターで長期間居た場合、どういった変化をもたらすのかを実験しました。

普段使い用のアバターで72時間、美少女アバターで168時間、筋肉質な男性アバターで72時間過ごした際の変化を発表します。

長時間ログイン、またはVRを普段使いするものとして着け続ける事に対する現状における課題や、その他問題点等も発表予定です。

PA3-2:HMDを活用した新たな視覚機能評価システムの開発

うめ研究生@公式VIVEアンバサダー(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
Keyword:脳科学,リハビリテーション,福祉支援システム,アイトラッキング

私たちは,常に『視る』ことで周囲の環境を把握している.眼から入力された視覚情報は,脳の様々な領域で処理されるため,頭部の外傷や疾病などによってその経路が障害されると,左右どちらか半分が見えなくなる,ものが左右にぶれて見えるなどの不思議な症状(視覚障害)が起きる.近年のHMDは技術の発展が目覚ましく現実世界の見え方を忠実に再現するために広い視野角を実現する,立体感を生じさせるために左右の眼に微妙なズレを与えた映像を投影するなどの工夫が行われている.発表者は左右に独立した映像を投影できる点,現実空間では再現できない実験環境の構築が可能である点に着目し,アイトラッカー搭載型HMDを用いた様々な視覚機能評価システムを開発してきた.これまでの試みの中で,視覚障害者の見え方を変化させられる可能性も見出せている。本発表ではHMDで可能となった映像提示とヒトの視覚・認知の関係ついて話す。

PA3-3:皮膚色変化による圧力分布計測手法の予備的検討

金子征太郎(電気通信大学)
Keyword:触覚,センサ,皮膚色変化

指先にかかる圧力分布の計測は触感再現等に必要なセンシング技術の一つである.本研究では, 皮膚に圧力がかかった際に色が変形することに着目し,非接触での圧力分布計測を可能にする手法を提案する.本手法は凹凸面越しの皮膚色変化をカメラによって撮影することで圧力分布の計測が可能となる.評価として皮膚の色変化がアレイセンサ上での圧力分布と対応していることを確認し,皮膚色変化 が持つ空間解像度の定量評価を行った.

CG

PB3-1:VR空間で読む漫画の製作手段の比較

小江華あき(VRおえかき部)
Keyword:VR,漫画,アート

昨年の発表では、きたるべきxR時代に向けた漫画表現についての考察を行った。今回はもっと具体的に、VR空間で読む漫画の製作方法にスポットを当てて発表をする。大きく分けて2通り、3Dモデルを利用する方法とVRペイントツールを利用する方法。それぞれの長所短所をまとめ、今後の表現・技術に期待されることを考察していきたい。

PB3-2:VR内録画映像への情報追加と活用

ドコカノうさぎ
Keyword:VR,録画,映像共有

VRアプリ内での体験や思い出を記録するためには視界を2D映像として録画することが一般的です。この研究では録画映像のフレームごとにHMDの位置角度情報を同時に記録することで再生時の臨場感を高めることを目的としています。

映像の再生はVR空間内で行います。映像は2D映像ではありますが録画時の位置や角度にあわせて移動することで実際の視線方向にあわせて鑑賞することができます。また、視界(カメラ)のブレを軽減できます。

更に同じ空間内で複数人が同時に撮影していた場合は映像を組み合わせて見ることで空間映像の再現度を高めることができます。

シンプルな方法であるためデータ形式の変更に強く将来にはさらに活用方法を広げることが期待できます。

本研究では実際にアプリケーションを試作し体験した結果を発表します。

PB3-3:XMLを用いたレイマーチング拡張ツールの作成

避雷
Keyword:ComputerGraphics,Shader,GLSL

陰関数で表現された図形をShader上に表示するレイマーチングは、俗にいうシェーダー芸に始まり商業ゲーム上の演出に至るまで、様々な場面で用いられている。 レイマーチングによる表現を行うには幾何学や光学などについての知識が必要となり、初学者が一朝一夕でレイマーチングを行うことは難しい。本プロジェクトではXMLを改変した独自の言語を用いることでレイマーチングを表現する抽象的なデータ構造の記述を可能にし、更にそこから対応するGLSLコードを生成するシステムを作成した。本システムは直感的にレイマーチングを作成することを可能とし、初学者がシェーダーについて学習する一助となると考える。

15:30 - 16:00

数学・情報科学

PA4-1:人脈の力

山縣昂平
Keyword:ミクロ経済学,ゲーム理論,産業組織論

将来の潜在的なリファレンス採用は,人を採用する過程で重要な要素である.企業は、より有益な紹介を得るために,潜在的な労働者のソーシャルネットワークを採用プロセスに考慮する.たとえば,有名ではない能力の高い労働者を紹介できる場合,その紹介はより安い賃金で有能な労働者を獲得できうるという点で雇用主にとって有用である.ここでは,競争的な採用活動と雇用者が次の労働者を採用するのを支援する潜在的な労働者のネットワークを用いたシンプルなモデルを開発する.このモデルはいくつかの直感的な結果を提供する.スターネットワークはコンプリートネットワークに比して,より巨大な賃金ギャップを生み出し,市場から撤退する確率を高める.

PA4-2:項目反応理論における温度概念の自然な出現について

アイシア=ソリッド(VRアカデミア)
Keyword:データサイエンス,数理統計,項目反応理論

項目反応理論は、テスト理論の発展形として、質問紙や試験問題に対する回答データからの回答者の心理状態や能力等の推定に用いられるのみならず、質問紙、試験問題作成に用いられる広範な理論体系である。本研究では、項目反応理論をベースとした階層ベイズモデルの推定問題において、統計力学における「温度」の概念が自然に出現することを示した。

PA4-3:工学と幾何学

ぷに(◆🌙 (ββ) a.k.a. はこつき鯖)
Keyword:工学,幾何学,最適化,因果推論

工学に幾何学を応用しようとする動きは幅広い.本発表では,発表者が興味を持っている Riemann 幾何学の工学応用を紹介する.

特に,空間形(Space Form)における最適化問題を紹介したい.一般の Riemann 多様体での最適化は,勾配ベクトルなどを閉形式で求められない困難を伴う.この困難を回避できる空間のクラスが空間形であり,例えば双曲空間は表現学習への応用を持つことが知られているし,因果推論への応用も期待されている.

VR空間応用

PB4-1:VRChatでの快適なセミナーのための黒板実装の工夫

かた湯,えなじ〜,dOb:HC(おうらい亭)
Keyword:VR,Unity,黒板,セミナー

バーチャル空間を利用して集会やセミナーを行うにあたり、相手の反応を見ながら文字や絵を書くことはより良いコミュニケーションにつながる。3Dペンを用いて空間に書く方法は良く見られるが、見る角度によっては文字が見えない・継続的に書いていくと散らかってしまうといった問題がある。

今回は、これらの問題を解決するために、VR空間で現実の黒板と同様に平面描画する方法を紹介し、この黒板の利便性を考察する。黒板の同期や描画用チョークを認識する区間を工夫したことにより、素早く書いても安定し、また複数人同時に書けるようになった。

PB4-2:VR空間でのリモート勉強会事例紹介~「競技プログラミング勉強会」~

cleantted
Keyword:VR,リモート勉強会,VRChat,競技プログラミング

COVID-19の影響により、リモート勉強会が広く行われるようになっている。

一部ではVR空間で行われる勉強会も開かれており、VR技術の活用方法のひとつとして認知され始めている。

本発表では、VR空間でのリモート勉強会の事例として、VRChat上で個人が開催する「競技プログラミング勉強会」について紹介し、

VR空間でのリモート勉強会のメリットと課題点について考察する。

PB4-3:土木建設分野におけるVR活用事例及び新型コロナ対策への転用

でちでち
Keyword:作業支援,現場記録,アバター,VR空間,桜花広場

全天球撮影に用いる機材の低廉化,利便性の向上に伴い土木建築分野における VR 周辺技術の適用範囲が広がりつつ有る現状を紹介すると共に,橋梁補修工事の現場管理実務にて運用を行った際の事例を纏める.現場間の距離が最大130km 程度離れ,各所に点在する橋梁補修工事の特性を踏まえ,現場-事務所間のコミュニケーションツールとしての運用手法を主たる目的とし,現在深刻な問題となっている新型コロナ感染爆発時の遠隔勤務体制の構築にも容易に転用可能な様,使用するツール類を選定し,関係者全員が特別な訓練を行う事なく,日々の業務を行いながらそれらの操作に習熟した手法を紹介する.

16:00 - 16:30

物理・工学

PA5-1:画像認識アルゴリズムによる分子シミュレーションモデルの発見的探索

朝桜さく
Keyword:分子動力学シミュレーション,畳み込みニューラルネットワーク,機械学習

分子動力学シミュレーションは原子や分子をモデル化し、数値的に系の動的構造や巨視的な熱力学量を解析することを可能にする強力な手法である。シミュレーションの信頼性は モデルの形状やポテンシャル関数の質に大きく依存する。これまで数多くの分子モデルが開発されてきたが、それらは極めて直感的なモデルに限定されてきた。

パラメトリックな分子モデルは原子半径や分散力、結合の平衡長や平衡角を表現する実ベクトル空間におけるベクトルθとして表現できる。またシミュレーションから計算される熱力学的な物理量を画像として出力し、モデルパラメータの組を教師データとすることで、画像認識アルゴリズムはシミュレーションの逆過程の近似器として用いることができる。すなわち、望ましい物性を持つ分子の設計に利用できると考えられる。今回我々はベンゼン型のビーズモデルとその時空間相関関数を入力と出力として生成モデルの提案と評価を行った。

PA5-2:小型ハイブリッドロケット向けフライトシミュレータの開発

sksat(CORE(Challengers of Rocket Engineering))
Keyword:ロケット,宇宙,数値計算

小型のハイブリッドロケットを製作し,打ち上げ実験を行う学生ロケットという活動がある.

このようなロケットの設計時や打ち上げ実験にあたっての安全審査において,事前にどのような飛行をするかをシミュレーションしておくことはとても重要なものとなっている.

このシミュレーションは各団体が独自に開発したシミュレータによって行われてきた.

その多くは非公開である上,汎用性や拡張性に欠けるため,プロジェクト毎に改造されることもある.

このような状況を鑑みて,汎用的な小型ハイブリッドロケットシミュレータを新規に開発することにした.

PA5-3:多品種少量生産向け電子回路製造装置の開発

すすたわり(慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科)
Keyword:基板製造,部品実装,画像認識,FPGA

近年の電子回路の高密度化に伴い、電子部品の小型化が進み、手付けによる実装が困難となっている。一方、チップマウンタやハンダ印刷機などの製造装置はセットアップに手間が掛かかる為、同じものを量産しないと製造コストが見合わないという問題がある。ニーズの多様化に伴い、多品種少量生産がより求められている中で、これらは今後益々重要な課題になることが予想される。

セットアップコストには大きく次の2つがある。一つは部品形状のバラツキや位置の誤差、装置の位置精度などに起因する調整コストで、二つ目は、基板製造、ハンダ印刷、部品搭載、ハンダ付けなど複数の工程でのそれぞれの段取りの組み換えコストである。従ってこの2つのセットアップコストを削減できれば、最新の部品を用いた試作や多品種少量生産を安価に実現可能となる。本研究では、カメラとFPGAによる画像認識技術と、複数の工程を1台の装置にまとめることでこれを実現する。

PA5-4:光で物を冷やすってマジ?レーザー冷却!

なかやまきたろ(神戸大学)
Keyword:応用物理,レーザー,光物性

1997年のノーベル賞を飾ったレーザー冷却は、この20年でさらなる発展を遂げた。Anti-Stokes発光は励起光よりも高エネルギーの光で、材料の励起とanti-Stokes発光の取り出しによって物体を冷却する。本発表では、レーザー冷却研究の歴史を振り返るとともに、レーザー冷却の応用デバイスに求められる特性を考察する。

HCI②

PB5-1:Levitar: 空中像CGアバタを介した実空間インタラクション

土谷慧(電気通信大学)
Keyword:CGアバタ,空中像,カメラ視点転送

本稿では,現実空間においてCGアバタになりきってコミュニケーションを取るシステムを提案する.VRChatのようなシステムではVR空間においてCGアバタになりきることができる.アバタの外見は容易に設定可能であるため,物理的な制約なく自身の外見を自由に変えることができる.しかしながら,このような活動の範囲はVR空間内に限定されている.そこで本稿では,空中像表示技術を用いることで,VR空間内のCGアバタを現実空間に持ち出し,アバタになりきるための手法を提案する.本手法では,空中像の表示とカメラ視点位置の光学的転送を組み合わせることで,空中像表示位置から両眼カメラで撮影を行う.撮影映像をHMDに表示することで,ユーザにアバタの一人称視点映像を提示する.さらに,HMDの動きに合わせてカメラの撮影方向を制御することで,ユーザは頭を動かして視線方向を自由に変えることができる.

PB5-2:バーチャル♡チーク♡ピアス:"リアル"の顔に"バーチャル"でメイクできる技術

Mikko Karasawa
Keyword:メイク,美容,プロジェクション,VR

バーチャルメイクと聞くと、カメラでされた顔画像にメイクの素材画像を重畳することで、メイクした後の顔を見ることができる技術・サービスを思い浮かべる。本発表では、画像にメイクを重畳するのではなく、実際の顔にメイクをプロジェクションすることで、バーチャルにメイクをすることができる技術について考える。今回、簡易的なプロトタイプとして、バーチャルチークピアスを作成した。これは、LEDとミラーを備えたピアスであり、ピアス部に備えられたLEDの光をミラーで反射させ、人の頬にプロジェクションすることで、何もしていない頬を、あたかもチークで色付けしたかのように見せることができる。発表では、本提案を一つの例として、参加者の皆様と、VRとファッション・美容について議論したいと考えている。

PB5-3:Alones ~一緒に作業してくれる AR アプリ~

みずみず(電気通信大学 梶本研究室 修士二年)
Keyword:AR,存在感,癒し

一人で作業をしていると,ふとした時に孤独感を感じることはないだろうか.

この孤独感や寂しさを,どうにかして和らげることを目的として,ユーザーと一緒に作業してくれるキャラクターを召喚するARアプリ「Alones」を開発した.

座らせたい椅子とテーブルを認識させると,たちまちキャラクターが現れ,パソコンに向かいキーボードを打つ.

ユーザは作業をしつつ,その様子を時折見て孤独でないという安心感を得ることができる.

本発表では,Alonesの開発背景や実装した機能,数人のユーザーに体験してもらった感想などを述べ,それによって得られた知見を述べる.

PB5-4:獣耳の姿勢で表現できる感情に関する基礎検討

四條亮太(電気通信大学 情報理工学研究科 情報学専攻)
Keyword:獣耳,コミュニケーション,感情表現

獣耳とは,アニメや漫画などに関する用語で,ヒト型のキャラクターが持つイヌやネコのような動物の耳,または動物の耳そのものを指す言葉である.

実際の動物の耳がその姿勢によって意図や感情を表現していることが示唆されていることから,獣耳はそのキャラクターの視覚的な構成要素としてだけでなく,感情描写の表現要素としても用いられている.

このことから獣耳には感情表現を可能,あるいは増強する効果があるのではないかと推察できるが,この耳を用いた感情表現は体系的にまとめられていない.

そこで本研究では獣耳型インタフェースの開発に向けた基礎検討として,ヒトの認識に基づく獣耳の姿勢とそれによって表現できる感情に関して調査し,獣耳動作パラメータと感情の対応付けを行うことで,獣耳による感情表現の設計指針を得ることにした.

口頭発表

18:00 - 18:15

OA1:オープン・柔軟・セキュアなオンラインVRシステムの開発

田中 叡(電気通信大学)

Keyword:オンライン,ソーシャルVR,オープンソース,WebAssembly

現在普及しているオンライン・ソーシャルVRシステムの多くは運営者のサーバに依存するプロプライエタリなサービスであるか、オープンソースであっても拡張性に制約があることが多い。それに対して、我々はオープンソースであり誰もがサーバを設置できるというオープン性、スクリプティングや機能の異なるクライアントの相互運用が可能という柔軟性、暗号化や悪質なスクリプトへの対策といったセキュリティの3つの特徴を持ったオンラインVRシステムを提案する。本稿では提案システムの設計および実装を論じるほか、開発の成果および将来の展望について述べる。

OB1:バーチャル東大の実践

稲見昌彦,所壮琉,中川雅人,西澤優人,久保田祐貴,畑田裕二,登嶋健太(東京大学)

Keyword:VR,大学,COVID-19

コロナ禍の中、多くの大学講義がオンライン化し、それに伴いオープンキャンパスなど社会連携イベントのオンライン開催が余儀なくされた。本発表では、東京大学におけるバーチャルキャンパス構築に至るまでの背景、実践例、および得られた知見に関し報告する。

18:15 - 18:30

OA2:二層材質を考慮したMToon/スタンダードマテリアルの開発-水着のCG表現の作り方-

月森イズミ

Keyword:3Dモデリング,光学

これまでCGモデル作成におけるマテリアルの質感表現は、ノウハウに頼ることが多く、パラメータの定量的意味を説明することが難しかった。今回水着を対象として、表面を2層構造にモデル化し、材料特性、光学特性を用いて、質を表現する方法を開発した。ここでは水着、乱反射を仮定したスタンダードモデルと、光の干渉を仮定したMToonモデルのパラメータを紹介する。また開発の結果、2層の1層目を「海水」と仮定したとき、「塩化ナトリウム」としたときより、表面が光沢する面積が増えることが分かった。

OB2:VRフィットネスの体験価値と音楽との融合

松迫翔悟(イマクリエイト株式会社)

Keyword:VR,フィットネス,リズム,健康,音楽,ゲーム

新型コロナウイルスの脅威に晒された2020年、外出を自粛することによって、生活の中での運動の機会がより制限され、それ故自宅でも出来るフィットネスやダイエットが注目された。

本発表では、VR技術をもちいたフィットネス体験が与える体験価値と、それに付随するデータ利用、そしてそのフィットネス体験を音楽と組み合わせることによって身体に与える影響の可能性を提案する。

18:30 - 18:45

OA3:Proposal to teach in VR through the macro concept of three-dimensional immersive digital environments

Christian Jonathan Angel Rueda @ecoonis(Autonomous University of Queretaro UAQ)

Keyword:3D IDE,VR,Virtual Worlds

The presentation argues strongly for a new approach to teaching, where the learner is encouraged to use Three-Dimensional Immersive Digital Environments (3D-IDEs) in a ludic manner in order to generate internal motivation to learn, and to explore the topic according to their individual learning needs in addition to the teacher’s planned route through the learning material.

OB3:VR感覚を感じるってどういうこと?

Pyloricom

Keyword:VR感覚,潜在意識,催眠療法

VRChat等のソーシャルVRプラットフォーム上では、VR感覚と呼ばれるVR空間上では本来存在しない触覚等の感覚を認識し、感じることができる感覚を持つ人が居ます。

現実に近いコミュニケーションが行え、触れ合うこともできるVR空間上では主に触覚を感じるためのVR感覚への需要が高くあり、私はそのVR感覚を手に入れるお手伝いを1年半で100人以上にしてきました。

その中で辿り着いたVR感覚を身につける時に起こる感覚への認識の変化についてお伝えしたいと思います。

18:45 - 19:00

OA4:新型コロナはバーチャルコミュニケーションを加速したか

バーチャル美少女ねむ , Liudmila Bredikhina

Keyword:VR,新型コロナ

新型コロナ拡大後のバーチャルキャラクター(アバター)の活用の変化を理解するために、世界中のアバターユーザーを対象に行ったアンケート結果のレポートです。朝日新聞言論メディア「論座」にてインタビュー記事の掲載を頂きました。

OB4:透明身体における身体所有感錯覚の生起時間

近藤亮太(豊橋技術科学大学)

Keyword:VR,身体所有感,透明身体

この身体は自分のものである感覚は身体所有感と呼ばれ,全く別の身体に対しても生じることが明らかとなっている。これまでに,身体所有感の錯覚が生起する時間が調べられており,身体部位に対しては23秒,全身に対しては5秒で生起することが明らかとなっている。本研究では,手足のみからなる透明身体を用い,身体提示領域の減少が錯覚の生起時間に及ぼす効果を調べた。その結果,手足のみの透明身体においても全身と同程度の時間で生起することがわかった。

19:00 - 19:15

OA5:VR体験は宇宙を身近にするか

天野ステラ(天文仮想研究所 VSP)

Keyword:天文学,宇宙開発,社会教育

私たち天文仮想研究所 VSPは、VRChat内で天体や宇宙などについてのイベントを行っている団体である。毎月一回以上、物理学から宇宙開発まで天文・宇宙に関する幅広いテーマを設定し解説会を行ってきた他、ロケット打ち上げのパブリックビューイングや宇宙好きVRChatユーザーの交流の場となってきた。2021年10月で設立から一年を迎える私たちであるが、これまで行ってきた活動(2020年9月末日時点で定例集会11回、大規模集会1回、突発集会・コラボイベント多数)をまとめるとともに、私たちの活動がどのような形でVRの力を借りているのか、またその知見を活かしてVRと宇宙の関わり方について考察し発表する。

OB5:視聴触覚間のクロスモーダル効果を用いた風向知覚操作

伊東 健一,伴 祐樹,割澤 伸一(東京大学)

Keyword:風覚,クロスモーダル,VR

バーチャルリアリティ(VR)の研究で,風の感覚によって臨場感・没入感を向上させる「風覚ディスプレイ」という装置が提案されている.しかし,これまでの風覚ディスプレイには,風向を再現するために多くの風発生源(風源)を必要としてしまう課題があった.そこで,風源の少ない風覚ディスプレイを実現するため,物理的風向とは異なる「バーチャルな風向」をクロスモーダル効果によって錯覚させる手法を提案する.

粒子が一定方向に流れるVR映像と,立体的な風の音像(聴いて方向がわかる音)を風と同時に提示することで,視覚と聴覚からバーチャル風向の情報を与えるシステムを開発した.物理的な送風は,2台の固定されたファンだけから行った.

知覚された風向を調べる実験では,視聴覚情報の提示によって風向知覚が変化し,バーチャル風向に近い風向が感じられることが明らかになった.

19:15 - 20:30

休憩

基調講演

20:30 - 21:30

基調講演① GOROman

(株)エクシヴィ代表取締役社長。(株)AniCast RM取締役。XRコンソーシアム理事。2014年Oculus Japan Teamを立ち上げ、親会社のFacebookで国内のVRの普及に務める。個人ではGOROmanとしてVRの開発、普及活動を行う。2018年VRアニメ制作ツールAniCastを発表。


21:30 - 22:30

基調講演② 暦本純一

情報科学者。東京大学情報学環教授、ソニーコンピュータサイエンス研究所フェロー・副所長。Human Augmentaionと呼ぶ、人間の能力拡張のためのテクノロジーを追求し、人間とAIの能力がネットワークを越えて相互接続・進化していく未来社会ビジョン Internet of Abilities (IoA)を提唱している。2020年4月よりソニーコンピューサイエンス研究所京都研究室のディレクターを併任。

22:30 - 23:00

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