本研究室では,次の4つのテーマを研究・実践活動の柱として,具体のフィールドでの現地調査,文献調査,地理的分析,住民の方々との対話,空間デザインの提案などを行っています.
新たなフィールドや人々との出会いやご縁を大切にし,幾度となく足を運び,都市・地域課題の解決へ真摯に向き合うことを信念としています.
Keywords:水系基盤,湿地都市,潟,空間構造,自治,市民活動
2017年度に新潟市潟環境研究所(当時)と共同で実施した「ラムサール条約都市・新潟構想研究」を契機として,現代における湿地の価値の再発見とそれらを生かした戦略的な地域デザインの方法を構築・実践していくことを目的として,主に新潟市北区と新発田市にまたがる福島潟地域の空間構造や水系基盤,市民活動に関する研究・実践活動に取り組んでいます.
これらの活動では,地域住民の方々をはじめとして,新潟県や新潟市の職員の方々,拠点施設である水の駅「ビュー福島潟」や土地改良区の職員の方々,福島潟地域に長く携わられてきた大熊孝先生(新潟大学名誉教授,河川工学・河川土木史)や佐々木葉先生(早稲田大学教授,景観論・土木デザイン),NPO法人新潟湿地都市研究所の方々にご協力いただいています.
また以下の研究資金・課題が採択され,フィールドに根ざした実践的な研究活動を進めています.
日本学術振興会 科学研究費 基盤研究(C)「戦後日本における湿地都市デザイン論の構築に向けた歴史的研究」(2026.04-2030.03,研究代表者:小澤 広直,課題番号:26K15523)
日本学術振興会 科学研究費 基盤研究(B)「地域水系基盤概念に基づく水インフラのデザイン手法構築と持続的水まちづくりへの展開」(2025.04-2028.03,研究代表者:佐々木 葉,研究分担者:小澤 広直ほか,課題番号:25K03414)
Keywords:都市デザイン史,土木エンジニア史,土木遺産,文化財
近現代の土木構造物や都市・地域デザインについて,歴史的視点に基づく計画・デザイン思想の解明と今後の計画・デザイン手法に向けた知見の獲得を目的とした研究に取り組んでいます.
例えば,関西道路研究会「大阪市の市電事業で建設された橋梁図面の評価・活用研究会」との共同研究(2016〜2018年度)では,近代大阪の都市基盤形成の一翼を担った大阪市営電気軌道事業(市営路面電車の敷設事業)において建設された橋梁のデザインについて,当時の設計図面や統計資料をもとに,橋梁デザインの思想と特徴を明らかにしています.また設計図面は,その希少的価値が認められ,2019年度より土木学会附属土木図書館図面・史料アーカイブスにて,デジタル史料として閲覧できるようになっています.
現在は,土木学会重点研究課題「現代的ニーズに応じた土木遺産の価値評価フレームワークの再検討」や文化庁と土木学会の共同体制により実施されている「文化庁近現代建造物緊急重点調査(土木)」へ参画し,選奨土木遺産や戦後土木施設の歴史・文化的価値に関する議論と評価手法の構築,関連する国土・都市・交通計画や政策の把握と整理,対象施設の現況調査に取り組んでいます.
また以下の研究資金・課題が採択され,歴史的視点に基づく実践的な研究活動を進めています.
日本学術振興会 科学研究費 基盤研究(C)「戦後日本における都市高速道路の計画・デザイン論の構築に向けた歴史的研究」(2023.04-2027.03,研究代表者:小澤 広直,課題番号:23K04165)
ユニオンツール育英奨学会 科学技術研究費助成金制度「新潟県内の土木遺産・災害遺構の保全実態調査とインフラツーリズムに向けた管理・活用方策の提案」(2026.04-2027.03,研究代表者:小澤 広直)
Keywords:土木デザイン,土木学会デザイン賞,デジタルマップ,デザイン評価構造
近現代の土木構造物や公共空間のデザインについて,そのデザイン手法の深化や評価方法の体系化に向けた研究に取り組んでいます.
土木学会では,2001年度から景観・デザイン委員会主催の「土木学会デザイン賞」という顕彰制度が開始されています.この制度では,計画・設計技術,制度活用,組織活動の創意工夫によって周辺環境や地域と一体となった景観の創造や保全を実現した作品及びそれらの実現に貢献した関係者や関係組織への顕彰を行っています.
現在は,土木学会デザイン賞の受賞作品を広く知ってもらうための「土木学会デザイン賞受賞作品マップ」の制作・公開を行い,土木学会土木広報センターとも連携しながら,その普及活動を行っています.また研究では,受賞作品への審査員講評文の分析による土木デザインの評価構造の解明に取り組んでいます.
また以下の研究資金・課題が採択され,土木デザインやインフラツーリズムの普及に向けた実践的な研究活動を進めています.
ユニオンツール育英奨学会 科学技術研究費助成金制度「新潟県内の土木遺産・災害遺構の保全実態調査とインフラツーリズムに向けた管理・活用方策の提案」(2026.04-2027.03,研究代表者:小澤 広直)
Keywords:中越大震災,復興デザイン,コミュニティ再生,リジェネラティブ・アプローチ
現代の日本は,地震や洪水をはじめとする大規模災害が増加・激甚化し,人々が暮らす都市・地域そのものや生活環境が脅かされる事態が多く生じています.そのような社会情勢においては,災害復興における計画・デザイン手法の構築と体系化が求められています.
例えば,新潟県長岡市は,2004年10月23日に発生した新潟県中越地震(新潟県中越大震災)によって,土砂災害,河川閉塞,集落孤立,全村避難など多くの被害を受けましたが,行政・被災者・中間支援組織の「三極構造」による復旧・復興支援体制の構築や,復興基金や地域復興支援員などの制度の活用が速やかに行われ,復旧・復興を進めることができました.
このような災害復興デザインのあるべき姿を明らかにすべく,(公社)中越防災安全推進機構において,以下の研究資金・課題により行われている「中越大震災20年プロジェクト」へ参画し,中越地方の復興プロセスの解明に実践的に取り組んでいます.
北陸地域づくり協会 大学連携等による共同調査研究事業「中越大震災からの復興プロセスを学ぶプログラム開発及び実証実験」(2025.04-2026.03,研究代表者:中越防災安全推進機構)
北陸地域づくり協会 大学連携等による共同調査研究事業「新潟県中越大震災から20年のアフター復興プロセス研究」(2024.04-2025.03,研究代表者:中越防災安全推進機構)