「ふぅ~ごちそうさまでした~」
「うぷ」
「水無瀬……姉ちゃんに勝負を挑むんじゃないぞ」
「だ、大丈夫……。我が胃は黒き穴げふ」
「……少し休んでろ」
ケーキは、皆で美味しくいただきました。
ケーキを切り分ける時に、上に乗っていた砂糖でできたサンタクロースまでも包丁で綺麗に五等分して若干引かれたり、水無瀬が姉ちゃんにケーキの大食い&早食い勝負を挑んでお腹がパンパンになったり、色々とアクシデントはあったが、無事にケーキを完食することができた。
「さて、それでは本日のメインイベント、プレゼント交換会をします!」
「待ってたぞ!」
「いぇーい!」
「どんどんぱふぱふ~」
「う……」
「それでは、それぞれ持ち寄ってきたプレゼントを準備して下さい」
俺がそう言うと、またリビングのテーブルの周りに集まり、囲んで座る。
皆が持ち寄ってきたプレゼントは大小様々だが、同じ系列の店で買っているのか、だいたい同じようなラッピングがされている。
机の上に五つのプレゼントが揃ったところで――ん? 五つ?
「姉ちゃんも参加するのか?」
「当たり前じゃない。もちろんプレゼントも持ってきたわよ」
呼ばれてもいないのに用意周到だな……。
まあ、実を言うとこれは毎年恒例のことである。姉ちゃんはクリパに呼んでいなくても勝手に参加してくる。参加者も全員姉ちゃんを知っているので、別にハブることもしない。最早暗黙の了解のようなものだ。
「それで、プレゼントを出したらどうするの?」
「まあ、とりあえずは周りの人に従ってくれ……準備できたな?」
俺は準備ができたことを確認すると、皆でじゃんけんをする。
そして、勝った人順に机の上のプレゼントをランダムに取り、一番の人から座る。その後、その右隣にどんどん座っていき、テーブルをぐるりと囲む。
全員が位置についたら、俺たちは皆プレゼントを手に持って臨戦態勢になる。五十嵐にもそうするように目で促す。
「それじゃ、ミュージック・スタート!」
そして、俺は用意したスマホでスピーカーから音楽を大音量で鳴らし始める。
そのテンポの良い曲に合わせて、それぞれがプレゼントを右に回していく。そして、回ってきたプレゼントを再び右の人へ。
五十嵐も、初めてながらなんとかついていけているようだった。
そして、音楽は二分くらい流れ続けた後、突然終了した。
「はい終わりでーす」
「おー、これはいったい誰のか見当もつかねぇ~」
「楽しみだわ~」
「いったい何が入っているんだろう……」
「フフフ……我への貢ぎ物、期待しているぞ」
俺の手元にあるのは全く同じラッピングの大きさの違うプレゼント。いちいち誰がどのくらいの大きさのやつを持ってきたかなんて覚えていないから、誰からの贈り物なのかは分からない。てか、覚えていたらつまらないだろう。皆もそれは分かっているので、他の人のプレゼントは見ないようにしていたみたいだ。
さあ、それではお待ちかね、箱を開けるタイムと行きますか!
「それじゃ、開けよう」
俺はラッピングを外し、箱をオープンした。