セミナーの記録
- 2024年
2月5日(月):吉田 賢市(大阪大学RCNP)
※理化学研究所(iTHEMS)と共催
- 2023年
11月20日(月):永田 夏海(東京大学)
11月17日(金):Carla Frölich (North Carolina State University)
※理化学研究所(ABBL)、IReNAと共催11月10日(金):Thomas Rauscher (University of Basel)
※理化学研究所(ABBL)と共催10月18日(水):久徳 浩太郎(京都大学)
※理化学研究所(iTHEMS)と共催9月14日(木):関澤 一之(東京工業大学)
7月27日(木):西尾 勝久(日本原子力開発機構)
7月21日(金):郡司 卓(東京大学)
6月19日(月):小野 勝臣(ASIAA)
5月30日(火):富樫 甫(大邱大学)
4月27日(木):大内 正己(国立天文台/東京大学)
※国立天文台(HDSセミナー)と共催2月17日(金):横山 哲也(東京工業大学)
1月31日(火):民井 淳(大阪大学RCNP)
1月13日(金):河野 俊彦(ロスアラモス国立研究所)
※理化学研究所(RIBFセミナー)と共催
- 2022年
12月2日(金):関口 雄一郎(東邦大学)
10月28日(金):奈良 寧(国際教養大学)
7月6日(水):青木 和光(国立天文台)
4月22日(金):祖谷 元(理化学研究所)
3月7日(月):特別WS「宇宙核物理を築いた女性研究者たち」
特別ゲスト:Maria Lugaro (Konloly Observatory)1月28日(金):滝脇 知也(国立天文台)
- 2021年
11月19日(金):和田 道治(KEK 和光原子核科学センター)
2022年3月7日(月)17:00開始(Zoom), 7th March 2022 (Mon.) 17:00-
Speakers: Maria Lugaro (Konkoly Observatory), Yuko Motizuki (RIKEN)
Theme: "Women Scientists who made Nuclear Astrophysics" Project
Slides (PDF files):
Abstract : A special mini-seminar to celebrate the publication of "Women Scientists who made Nuclear Astrophysics" Calendar 2022, including Japanese translation. We invite Dr. Maria Lugaro (Konkoly Observatory, Hungary) who has led this international project. Dr. Yuko Motizuki also present topics related to the Calendar and gender issues.
2022年4月22日(金)16:00開始(Zoom)
講演者:祖谷 元(理化学研究所)
タイトル:中性子星に潜む原子核飽和パラメータの影
発表スライド(PDFファイル)
概要:通常の中性子星内部は非常に高密度となるため、地上実験からその構造を決めることは一般的に非常に困難である。しかし、中性子星表面付近のクラストと呼ばれる領域の密度はせいぜい原子核密度程度であるため、この領域の現象から原子核飽和パラメータに迫ることができるかもしれない。また、質量が非常に小さな中性子星を想定すると必然的に内部密度は小さくなるため、このような星の構造は原子核飽和パラメータと強い相関があると期待される。そこで、本セミナーでは、特に巨大フレア現象に伴う準周期的振動に着目し、クラスト振動と同定することで原子核飽和パラメータへの制限を試みる。また、低質量中性子星と原子核飽和パラメータとの関連について議論する。
2022年1月28日(金)13:30開始(Zoom)
講演者:滝脇 知也(国立天文台 科学研究部)
タイトル:超新星爆発のマルチメッセンジャー天文学、大規模シミュレーションの達成と残された課題
発表スライド(PDFファイル)
概要:
超新星1987Aの出現から35年、Kamiokande-IIはSuperKamiokandeとなりさらに大規模なHyperKamiokande計画が進んでいる。LIGO-VIRGO-KAGRAの重力波干渉計も建造され、感度もあがりつつあり、次の近傍超新星が待ち遠しい。
こうした現状の中、本講演では特に重力崩壊型超新星の爆発メカニズムの理論面での進展を紹介する。2000年代には球対称1次元で詳細なニュートリノ輻射輸送計算が可能になったものの、そうした計算では爆発を引き起こすことができないという理論の危機を抱えていた。一方、2010年代から3次元での流体計算が可能になり、そこで誘起された乱流現象がニュートリノ加熱の効率をあげることが分かってきた。今では3次元計算が標準的になり多くの計算で爆発の始まりが確認できている。今後に残された課題は観測と整合的なより強い爆発を再現することであろう。現在でも実験と整合的な原子核物理を用いたモデリングを行なっているが、入力物理のよりいっそうの精緻化が求められている。また、望遠鏡の発達により近年変わった超新星も多く発見されてきているが、そうした超新星の爆発メカニズムについても考察を始めたい。
2021年11月19月(金) 19:00開始(Zoom)
講演者:和田 道治(KEK 和光原子核科学センター)
タイトル:「KISS to KISS-II — An expedition to the origin of uranium —」
発表スライド(PDFファイル 4 MB)
概要:
重元素の起源の解明は実験核物理学においても魅力的な対象であり、これまで多くの加速器施設の旗艦実験として取り組まれてきた。しかしその対象となる原子核は安定線から遥かに離れたところにあり、まだやっとその裾野から仰望しているに過ぎない。KEK和光原子核科学センターでは、KISS開発研究において示した多核子移行反応(MNT)による中性子過剰核生成の有効性と、高周波ガスセル+多重反射型飛行時間測定式質量分光器(MRTOF)というゲームチェンジャーたる技術を組み合わせて、総合性能を10000倍強化したKISS-IIを提案している。これが実現すれば、金・白金の起源ばかりでなく、ウランの起源を目指した研究が世界で初めて可能となる。KISS-IIでは、アクチノイド元素の新同位体を100個以上発見できる見込みであり、それは単なる存在だけの確認ではなく、原子質量決定を伴う発見となる。大きな中性子数における新しい準魔法数の発見や、安定の島への橋の探索など、原子核物理学としても楽しみな成果が期待できる。