日時:2025年11月30日(日)13:00~16:00
会場:宇治市役所8階 大会議室
主催:宇治市町内会・自治会交流会
後援:宇治市 市民協働推進課
参加者:24名
2回目の交流会に、ご賛同くださる自治会長・自治会関係者の方がお集まりくださいました。
冒頭、当会の呼びかけ人の初田さんから、参加者の皆様に向けてごあいさつ。
ご自身が所属される自治会の現状をご報告され、14年間で80軒の退会があったという統計、今年度の初試みでは「子ども向け:ハロウィンパーティで25組の参加があった」「高齢者向け:介護サークルを立ち上げ施設見学には4名の参加だった」など、リアルなお話をされました。
ご参加の町内会・自治会でも取り入れられる活動があるか参考にしていただくため、事例をお持ちの自治会代表の方にお話をいただきました。
(13:10~14:20)
(大和田区自治会 現区長さんにお話をお聞きしました)
大和田区自治会は、宇治小・岡屋小学区、総世帯数:約1000軒強、加入世帯数:約380軒。
毎年12月に開催の防災訓練には、少ない時で100世帯、多い時で200世帯ほどが参加されます。
準備に携わるスタッフ側の体制は、自治会の組織である「防災会」に所属される方を中心に、自治会役員さん、もみじ会さん(喜老会)、女性の会さん、福祉委員会さんなどの諸団体の方もそれぞれに任されたブースを担当されます。
このほかに、東消防署さん、東宇治消防団さん、あさぎり消防団さん(女性のみの消防団)、おうばく病院さん、NPO団体の方々にもブース出展をご協力お願いするなど、参加者が飽きずに楽しく学べる仕組みを設けておられる様子を、昨年度の写真を見ながら教えていただきました。
老若男女、大勢の一般参加者が、お祭りのように顔を合わせて集っておられることが、写真から窺い知ることができました。
防災訓練の冒頭では、参加者がそれぞれの「一時集合場所(いっときしゅうごうばしょ)」に集まってから、各地区の名称を書いたプラカードを先頭にして、会場の広場に向けて歩かれるそうです。
大きな地震があったとき、さまざまな災害で避難をしないといけないとき、一時集合場所に地域住民が一度集まって安否確認をしたあと、広域(指定)避難所まで移動することは、災害時の大事な行動計画のひとつです。年一回の防災訓練でしっかり体験しておくこと、それを大切にされている訓練なのだと感じました。
防災訓練の主体は、自治会内の防災会の方です。
毎年交代する役員が担うのでは引き継ぎにくい内容を、有志で活動されている自主防災組織の方々が毎年主体となって準備されるので、このような大きなイベントの運営を継続できているのだと思います。
会場の皆さんに、「防災訓練を実施されている自治会さんはおられますか?」と尋ねたところ、1割未満の挙手がありました。
「防災訓練の実施を検討されている自治会さんはおられますか?」という問いには、3割ぐらいの挙手がありました。
そこで、大和田区自治会の区長さんに、防災訓練をはじめるとき、どういったところに相談すればよいですか?とお聞きしました。
●宇治市危機管理室 →防災訓練内容の相談のほか、補助金制度のご案内もくださいます
●所轄の消防署 →24時間、いつでも職員さんがおられますので、気軽に電話相談などなさってください
●宇治市市民協働推進課 →市内のほかの自治会さんが活動されている事例や、補助金のご案内をもらえます
●小学校区の諸団体さん →喜老会、福祉委員会、女性の会、子ども会など、地域行事の経験豊富な方々に相談するのもいいと思います
どこに相談すれば。。。と悩んだら、危機管理室がおすすめです!
(前半:緑ケ原自治町内会 現会長さんにお話をお聞きしました)
緑ケ原自治町内会は、西大久保小学区、総世帯数:約500軒、加入世帯数:約400軒。
現会長さんが昨年度に副会長をされていたとき、町内会内の高齢化・退会増を危惧して、住民にとって町内会の存在がプラスに感じられるような取り組みが必要であると思い至りました。
町内会の活動に加えて、ゴミ回収やバス停の時刻表などの情報をHPに掲載することで、町内会は自分たちにとって役にたっていると感じていただくきっかけになればと考え、ホームページを開設されました。
現会長さんご自身が、素人でも開設でき、費用もかからないようなHPの作り方を調べたところ、Googleの無料サービスを活用することにより、簡単にHPの開設をすることができたそうです。
また、HPをつくってみて、「大学生ぐらいのパソコンを触れる子なら、1~2時間程度操作の方法を教えてあげることでHPを維持管理できるようになる」といった、現代っ子であれば、比較的簡単な作業であると思っているとのことです。
自分ではできない。。。誰に頼んでもダメだろう。。。と思っておられる方も、一度、身近な方におられる若者に声をかけてみるのはどうでしょうか?
緑ケ原自治町内会さんのホームページは、
●利用サービス:Googleサイト(開設・維持:無料)
●作った人・維持運営している人:現会長さん
●更新頻度:月1~2回(回覧物を発行するタイミング、作業時間30分程度)
●掲載内容:ごみ出しカレンダー、バス・電車時刻表などの便利ツール、イベントの告知と報告、病院の巡回バス、子育て情報、シニア向けの情報、など
●HP以外の発行物:町内会新聞(毎月発行。役員で掲載物を揃え、業者さんにレイアウトと印刷を発注)
●個人情報取り扱いについて:個人名や電話番号などはHPに掲載しない、顔が写った写真はAIでイラスト化して掲載
●その他、町内会HPが検索エンジンに表示されないように設定をしている
というように、現会長さんが気軽に運用されている様子がうかがえました。
では、来年度以降の引継ぎはどのように考えておられるのでしょうか?
現会長さんは「まず、来年度の役員会が決定した段階で、新役員さんたちにHP運営の引継ぎを打診します。もしも引き受けてくださる方がいなかったら、町内会員に呼び掛けて有志(おそらく若者)を募るつもりです。」とおっしゃっていました。
(後半:若葉台自治会 前会長さんにお話をお聞きしました)
若葉台自治会は、西小倉小学区、総世帯数:約470軒、加入世帯数:約350軒。
4年前、前会長さんが会長をされていたときに、HPを開設されました。
宇治市市民協働推進課が実施されていた「地域コミュニティ活性化事業補助金」(年間20万円~60万円)というものがあり、活用を検討するため市職員さんに相談されました。この補助金の対象となる事業に「自治会のICT化」「他事業者との連携」という項目があったので、補助金を使って有料ホームページを開設されることを決断・実行されたそうです。
●作った人・維持運営している人:町内会員の事業者さん
●更新頻度:月1~2回(回覧物を発行するタイミング)
●掲載内容:回覧板、自治会内組織(自主防災会、助け合い委員会、ICT推進委員会、各サークル、喜老会)、イベント報告、年間行事、自治会・入会・決算などの事務資料
【HPの意義】
・回覧物を一家の代表が見て隣へ回してしまうだけでなく、HPで家族のだれでも回覧板を見ることができる
・自治会の情報を掲載し、アーカイブとして活用している(決算をあとからまとめて確認できる、など)
【HP維持費用】
・更新料金:1万円/月、プロバイダー料金:4万円/年 →合計:16万円/年
【引継ぎ】
・事業者に有料で依頼しているので、役員での引継ぎや負担はほとんど無い。
【閲覧数】
・月平均で200ページビュー(トップページ)
参加者の方から「HP開設後、紙の回覧はどうされていますか?」という質問がありました。
「紙の回覧も同時進行していますので、手間を考えるとHP開設前よりも増えていると思います。でも、会員の皆様に自治会の情報を公開出来るという意味でHP開設には一定の意義があると思います。」とお答えになっていました。
スマートフォンの普及によって、個人がデジタル情報を簡単に閲覧できるようになりました。現時点ではデジタルツールを扱えない住民の方もおられるので100%すべてをデジタル化できない=アナログの紙回覧も併用する必要があると思います。
ですが次の時代への準備としてデジタルを取り入れてみることも、選択肢の一つとして有意義だと思います。
参加者全員が4~7名程度のグループに分かれ、ご自身の町内会・自治会の現状やお悩みを話す時間です。
第1回の交流会開催後にアンケートでご指摘いただいた「分散交流会の時間が短かった」「自治会の地域・規模・環境などが異なって、悩みが違いすぎた」ことを改善し、今回の分散会は以下のようにグループ分けしました。
●戸建て住宅の自治会か、マンション自治会かでグルーピング
●自治会の規模:総世帯数や加入世帯数の数字によって、小~中~大でグルーピング
●各グループに当交流会の実行委員が進行役として入る
●90分間(14:30~16:00)
どちらのグループも、活発に参加者の声が交わされている様子がうかがえました。
バチっと悩みを解決できた方がおられるかもしれないし、解決案を見つけられなかったかもしれません。
でも、自分と同じように町内会・自治会でがんばっている人が宇治市にいるんだ、ということを感じていただけたのではないでしょうか?
規模も環境も異なる各々の自治会ですから、100%そのまま真似てできる事例はないと思います。
ただ、「やってみようかな」「これならできるかも」と明日の一歩へつながる後押しにはなるかもしれません。
自分の自治会だけの問題なのでなく、宇治市全体の自治会関係者の問題として、何か解決できるかもしれない道をさぐって、この交流会を続けていきたいと思っています。
ぜひ交流会のオープンチャットにもご参加いただいて、「宇治市には、こんな活動をしている人たちがいる」ということを知ってください。来年度に代表職を引き継がれる方にもお知らせいただいて、一緒に悩みや取り組み(活動)を共有できればうれしいです。
来年度も6月ごろに開催予定ですので、ご期待ください!