プロフィール
略歴
2019年―現在 名古屋大学 環境学研究科 准教授
2013年―2019年 琉球大学 理学部 准教授
2010年―2013年 琉球大学 理学部 海洋自然科学科 助教
2008年―2010年 Laboratoire des Sciences du Climat et de l'Environnement (LSCE: フランス気候環境科学研究所), CEA-CNRS (日本学術振興会 海外特別研究員)
2005年―2008年 国立極地研究所 (日本学術振興会 PD)
2002年―2005年 東京工業大学(日本学術振興会 DC1)
地球化学を専門に気候変動を研究しています。特に安定同位体比を分析することで過去や現在の気候変動、水や炭素循環のメカニズムの解明に取り組んでいます。
研究分野:古気候学、地球化学、分析化学、水循環
研究テーマ
洞窟・鍾乳石
洞窟というと観光地や探検する場所というイメージだと思います。科学的には、洞窟という特殊な環境で成長する鍾乳石が注目を集めています。近年の同位体分析技術の発展により、鍾乳石から過去の気候変動の記録を正確に復元することが可能になりました。
海洋に比べるとデータ量が不足していた人類が生活している陸域の気候復元が進みつつあります。特に鍾乳石に液体のまま保存されている過去の降水(流体包有物)に注目して研究を進めています。つまり、数千年前の降水を抽出して分析できるということです。また、地下の炭素循環や二酸化炭素隔離の観点からの研究も行っています。
アイスコア・水蒸気
南極や北極の氷床で掘削されたアイスコア(氷床コア)は過去の気候変動をタイムカプセルのように保存しています。主に氷(H2O)やエアロゾルの安定同位体比を精密に分析し、過去の気温・気候変動を明らかにする研究をしています。
現在と過去の気候・水循環を理解するための地球化学的プロキシの開発として、大気中の水蒸気や降水の分析も行っています。
同位体比分析手法開発
安定同位体分析手法の開発と改良を行っています(分析化学)。具体的には、鍾乳石や岩石に含まれる微量の水(流体包有物)の水の同位体比測定、水蒸気の同位体分析、炭酸カルシウム(CaCO3)試料の凝集同位体比(clumped isootpe)分析、等の測定方法の開発を行っています。必要に応じて分析手法の開発から取り組むことでユニークで重要なデータを得られます。