現在、歯並びが悪くなる原因の一つは遺伝であると言われていますが、本当に重要なことはそれではありませんでした。
本当の原因は低位舌にあったのです。
そのために歯列が成長期において拡大せず歯並びが悪くなっていたのです。
では原因となっている低位舌を治すにはどのような方法があるでしょうか?
現在、当院ではオーストラリアの歯科医師Dr.ファレル氏が開発したMRCというシステムを使用しています。
今までも似たような装置はありましたが、矯正前装置であったり、コンセプトにピンとくるものがなかったりしたので、患者様の努力を必要としないMBS(マルチブラケットシステム)で矯正してきました。
しかし、MRCの勉強会(自腹で他の先生の話を聞きに行くやつ)で知ったDrファレルの「未来を創る」という言葉に感動して自分もやることに決めました。
やってもらうことは特に難しくはなく、適当なサイズのマウスピースを帰宅後1~2時間と就寝中につけてもらいます。
それとアクティビティ(舌の位置を体に学ばせます)をやってもらうだけです。
MBSと違い自分でしなければ何の効果もないですが、低位舌が改善することにより取り込める酸素量が増え脳や体に必要な酸素が自然に取り込まれるようになります。
それにより集中力や運動機能の向上が見られ、それが長い目で見て「子供たちの未来を創る」ことにつながるのです。
歯並びがよくなるのは自分としてはオマケだと思っています。
大事なことは「未来への希望」です。
良い歯並びと顔貌へのステップ
・会話する時以外は常に口を閉じます。
・鼻から呼吸をすることで上顎、下顎の発達が改善され、正常なかみ合わせが達成されます。
・飲み込みの際に唇を動かさないでください。
下顎前突の小学生の症例
初診と4年後の状態です。
顎全体が広がり下顎前突の解消が進んでいます。
下顎のほうが上顎より成長のピークが遅いので装着期間は長くなりますが、
口呼吸の改善も同時に進むことにより後戻りや顎移動手術の必要性がなくなります。
初診
はじめは通常のMBSで矯正をしています。
歯並びは改善しているので永久歯が全て萠出しなくても装着を除去しています。(約1年半)
通常は小児でも後戻り防止のために下顎前歯にワイヤーを装着するようですが、成長期にある子どもには将来的な不安があります。
矯正終了後、MRCをしてもらっています。
鼻呼吸を確立し顎顔面の成長をあるべき姿にし成長を阻害しません。
矯正終了後よりも歯並びや上下各歯の関係もより整っています。
成長とともに装着日を減らしていっていますが、後戻りもしませんしもちろんワイヤー固定も必要ありません。
構音障害が主訴となります。
これまで色々してきたが効果なかったとのことですが、初診の状態からわかるように下顎後退によりバイトが低く舌房が狭い状態です。
これでは舌運動に十分なスペースがとれないのでしゃべりにくくなります。
MRCで口呼吸とバイトの改善により舌に十分なスペースが確保され改善されました。