行政として
その地域内で行われる活動の多くは、そこを管轄する行政が決めたことを順守して行われます。市役所や都道府県庁が社会的連帯経済を重視するようになれば、その市や都道府県全体で社会的連帯経済が活発になります。韓国のソウル市、スペインのカタルーニャ州、アルゼンチンのメンドサ州等、世界各地で行政が社会的連帯経済を推進しています。
ソウル市役所のように自活企業、社会的企業、協同組合等を推進する社会的経済支援センターや社会的経済ポータルサイト(http://sehub.net/multilingual?lang=ja、日本語版あり)を開設するのも一案です。具体的には、日本各地にあるNPO支援センターを社会的経済支援センターに衣替えします。そこで、社会的企業や協同組合などの資料をそろえるのです。行政による広報力は絶大ですので、社会的連帯経済を是非少しずつでも周知していただければと思います。
消費者として
このポータルサイトに何回か目を通してみましょう。そうすれば、いくつかのキーワードや組織名等が頭に残るはずです。そして、ある日買い物に行った時、そのことばをどこかのお店で目にするかもしれません。その場合にその商品の価値をきちんと見極めたうえ で、できればそういう商品を積極的に買うようにしましょう。
また、地元で社会的連帯経済のグループを見つけて、そこに参加することも大切です。消費者がある程度集まると、「これだけ消費者がいるなら、大企業などから買うのをやめて、自分たちで生協を作ろう」という機運が盛り上がり、社会的連帯経済の新しい事例が生まれます。これは何も食料品に限ったものではなく、たとえば風力や太陽光といった再生可能エネルギー、学習塾や英会話学校、市民映画館なども設立可能です。社会的連帯経済のグループは、このような形で新しい事業を生み出す母体にもなり得るのです。
労働者として
毎日毎日、指示されたことをこなすだけで主体的に動けず、どれだけ頑張っても理想の生活に辿りつかない。そうであるならば、同じ理想を持つ仲間とともに自分たちの事業を起こして、誰からも指図されずに自分たちで主体的に協同労働を行い、必要に応じて研修を受ける機会を得たり、その成果や収益を仲間と分け合ったりしてはどうでしょうか?わからない点があればご質問ください。ともに考え、行動しましょう。
預金者として
銀行にお金を預けて、ちょっと金利がつくだけで満足していませんか? あなたが預けているお金を銀行が融資して、それにより熱帯雨林の破壊や戦争、児童労働などが行われたりしているとしたら、良心の呵責を感じませんか? そうではなく、お住いの地域の事業を金銭面でサポートする信用組合や信用金庫、労働金庫、そして環境や社会のためになる事業にのみお金を貸すNPOバンクに預金することで、こういった事業を支えてはどうでしょうか?
実践を考えている人へ
新しい事業を立ち上げたいけど、相談できる人が周りにいないのでお困りではないですか? でしたらご遠慮なく、私たちまでご連絡ください。可能な範囲でお答えします。また、地域や業界のネットワークがある場合、そういうところとも提携してつながりを作ることもお忘れなく。
実践者の皆さんへ
有機農業やワーカーズ、フェアトレードショップなどの事業で忙しいとは思いますが、ご自分の事業だけを考えるのではなく、さらに一歩踏み込んで、社会的連帯経済というもっと広い枠組みの一員としてご自分の事業をとらえてみることをお勧めします。社会的連帯経済にはさまざまな事業が含まれますが、よい人間らしく生きられる社会をつくる運動の仲間としてお互いを認め合い、協力関係を作ってゆくことが、全体の成長には欠かせません。日本津々浦々に社会的連帯経済のネットワークを広げてゆきましょう。
シニア世代の皆さんへ
老後が心配ではないですか? 実は老後に取り組む社会的連帯経済の事例において、日本は世界的に見ても先進国です。21都道府県に高齢者生活協同組合(高齢協、http://koreikyo.jp/ )が存在しており、年を取って日常生活での困難が増えても、最期まで人間らしく生きたいと思っている人たちが、様々な形で支え合っています。もし地元に高齢協があればその高齢協に加入したり、また高齢協がない地域であれば創設を目指して動いてみたりしては、どうでしょうか?
教育・研究者の皆さんへ
より早い時期から、従来の経済とは違う経済制度があることを知ったり、自分で新しい経済のあり方を考えても良いんだということに気づいたりすることは非常に大切です。日本ではまだまだ、社会的連帯経済関連のことを学問の場で扱っている教育機関は少ないです。このポータルサイトを通じて、教える側の人たちがつながりを持つことが第1歩だと思います。さらに、現場で実践されている方々、社会的連帯経済を学んでみたいけど、どうすれば良いかがわからない方々ともつながりましょう。また、日本が学ぶ価値のある事例が世界各地にあり、社会的連帯経済関係の国際的な連携ネットワークが活発な活動を行っていますので、語学力(英語だけではなく、スペイン語やフランス語などのラテン系言語、または韓国語などアジア系言語)をつけて国際連携を進めることも大切です。