Notes

(Japanese only) 個人的な勉強ノートです. 学生時代に書いた少し古いものもあり, 現在の私自身の理解の仕方と異なることもありますが, 誰かの参考になることもあるかと思い (恥を忍んで) 置いています.

比較的最近書いたもの:

Kashaevの量子Teichmüller理論におけるDehn twist作用素およびトレース作用素の同時対角化に関する主張をなるべく理解するための勉強ノート. これはtwist flowの量子版の主張として大変興味深く, 個人的にずっと前から理解したいと思っていたものの一つ. 計算に必要な量子ダイログ関数の積分等式などについてもまとめている (Kashaevの論文には証明と言っても方針しか書いていないので, なるべく証明をつけた). 作用素に関する解析的な議論はそこそこに, ある程度``物理的''にやっている部分があります.

学生時代に書いたもの:

Fock--Goncharovの長編論文 [FG06] を読むにあたって, まずG=SL_2, SL_3の場合に理解しようとしたもの. 彼らの理論は, 三角形と四角形での構造を理解すれば一般の曲面の場合はそれらの貼り合わせとして概ね理解できる. これらの場合のモジュライ空間は3つないし4つの旗の配置空間である. SL_nの場合の座標の定義はBonahon--Dreyerによるものが理解しやすいと (当時) 思ったので, 前半はそれと比較して書いている. 後半はFGのSL_3の論文 [FG07] にちらっと書いてあるW-代数との関係について, 自分なりに調べて書いたもの (いまだによく分かっていない). 

[FG06, Section 1.16, Examples (2)]にはGが一般, 曲面がアニュラスの場合のクラスターモジュラー群とGのbraid群 (Artin群) との関係についてコメントがあるが, 証明は長らく書かれていなかった. このノートは私がFock氏を訪ねた際にその構成について話を詳しく聴き, (共著) 論文として仕上げようとしたものだが, 完成前にGoncharov--Shen [GS19(v3), Theorem 2.6 (3)]によって完全に一般的な主張が証明されてしまい, 没になったもの. 

平坦主G束の上の平坦接続とそのモノドロミー表現, 同伴束などについてのまとめ. いざ自分で論文を書こうとなったときに作用の左右などが分からなくなって混乱したため整理したもの.

今後書くかもしれないノート:

Pennerの本 [Pen] の触りの部分の解説. 

上の「旗の配置空間...」をアップデートして, 代数幾何的な側面も踏まえた入門的なものを書きたい (とずっと思っています)