研究内容
研究内容
有機、無機、金属すべての材料を幅広く利用し、これからの日本の医療を支える新たな機能性バイオマテリアルの開発を目指します。特に、「細胞の機能を制御するバイオマテリアル」と「高齢者のQuality of Life向上を目指す医療機器」を中心に研究を行っており、化学と医学・歯学を結ぶ新たな材料開発に挑戦します。
患部のマクロファージ分極を制御して骨再生を促進する人工骨補填材
人工骨補填材は侵襲的治療である自家骨に替わる骨再生用の医療機器です。近年では九州大学歯学研究院の石川教授らによって開発された、骨の無機組成を人工的に再現した炭酸アパタイトが歯科分野で臨床応用されています。しかし、高齢者などは細胞機能そのものが低下しており、若齢者と同様には骨が再生しません。そこで、骨再生の司令塔とも言えるマクロファージの環境を若返らせることができるような、新たな機能性人工骨補填材の開発を目指しています。
金属イオンの徐放による抗菌性チタンインプラント
歯は1度失うと再生されることはありません。歯を失ったままでは食べ物を食べる機能が著しく低下するため、インプラント治療などが行われています。しかし、インプラントはメンテナンスを怠ると細菌感染が起き、最悪の場合、脱落するだけでなく周囲の骨も吸収されてしまいます。そこで、チタンインプラント表面に抗菌性をもつ金属イオンを保持することで、抗菌性を付与した新たなインプラント材の開発を目指しています。