学部ゼミ
ゼミのテーマ:財政学・公共経済学とデータ分析
財政学・公共経済学の扱う内容は,税制,社会保障,財政赤字,地方財政など,広範にわたります.その多くは,現在生きている世代(皆さんや,皆さんのご家族)だけではなく,将来の世代の政策課題にも関わるものです.日本だけではなく,世界各国(特にOECD諸国)の政策課題に興味のある学生さんも歓迎します.
また,社会に出た後は,たとえデータ分析を行う仕事に従事しないとしても,何らかの形でデータに接する機会が多くなるかと思います.その際,資料を読み解く力や,データの「嘘」を見抜く力がない場合は,意思決定に重要な誤りをもたらすことが懸念されます.このような事態を回避するためにも,大学生のうちにデータに触れておく,ないしはデータ処理の能力を身に付けておくことは重要と考えています.このため私のゼミでは,データ分析ももう一つの柱にしています.
ゼミの狙いとスケジュール(令和8年度入ゼミ生以降を対象)
2年間のゼミを通じて,財政・公共政策について,特にデータ分析の能力を養うことを目的とします.
3年生前期:本ゼミにおける財政学・公共経済学の基本的な勉強と,サブゼミにおける計量経済学のテキストの輪読および実習.このため,週2回のゼミ出席が義務付けられると理解してください.
3年生夏休み:三商大対抗ゼミの準備(臨時ゼミ)
3年生後期:前期の続きと,三商大対抗ゼミの準備および本番(例年12月中旬)と,卒業論文のテーマ決め
4年生:卒業論文の執筆(夏休みに臨時ゼミでの中間報告と,1月に最終報告会を予定)
三商大対抗ゼミは原則必須とします(留学希望者は時期によっては対象外とします).その上で,グループを組んで論文を作成してもらいます.就職をした後は,チームやグループで仕事をする機会が多くなると思います.大学生の段階で,チームで仕事をするということに慣れてもらうために,グループワークを推奨するためです.
必要に応じて,当方の研究の手助けや,自治体・企業との共同研究のお手伝いをお願いすることもあります.三商大対抗ゼミでは,自治体や企業から提供して頂いたデータを用いた研究を発表してもらう可能性もあります.
大学院志望者や,飛び抜けた実力を持つ人については,当方と共同研究を行うことも視野に入れます.また,関心がある人は,応用社会科学RAブートキャンプなどへの参加も推奨したいと思います.
平成28年度,令和3年度と令和4年度の卒業生には,経済学部の最優秀卒業論文賞/優秀卒業論文賞(白木賞)を受賞した人もいます.彼ら・彼女たちに続こうという気概を持って,2年間のゼミ活動に励むことを期待します.
*人数が著しく少ない場合は,三商大対抗ゼミには参加せず,当方や自治体・企業との共同研究等に代替します.
*大学院進学希望者については,卒業論文に対するウェートは低くします.その分,大学院の準備に時間を割くこと.
キャリア形成や就職状況について
ゼミの特質からすると,公務員や政策系シンクタンク,ないしはコンサルティング・ファームなどを志望する人には向いているかと思います.公務員として現在働いている先輩によると,三商大対抗ゼミのことは面接でのアピールになったとのことです.
一方,金融機関やメーカーなどに就職をした人も勿論います.ゼミで扱った内容を面接で話すと,面接官の心証がよくなったとの声を複数聴いています.
「大学で勉強したことは役に立たない」と嘯く人もいますが,先輩たちの声を聞く限り,少なくとも私のゼミに関しては,それは当てはまらないことを付言しておきます.
主な就職先:国家公務員総合職および一般職,裁判所事務官,都道府県庁,財務専門官,有限監査法人トーマツ(公認会計士),三井住友銀行,三井住友信託銀行,JAバンク大阪,池田泉州銀行,富士通,マツダ,コベルコ,大日本印刷,ジェイテクト,平和堂,サイバーエージェント,大学院進学(大阪大学大学院,神戸大学大学院)など.
また,大学院ゼミでも,専門性を買われて,大手総合商社や外資系金融機関,IT 関連企業,国家公務員などに職を得ています.
4年生ゼミへの進級の条件
「研究指導I」の単位を修得することは大前提です.研究指導Iの単位は,上記の三商大対抗ゼミのグループ論文と,各自の卒業論文の計画書を元に採点します.
(対抗ゼミに参加しない場合は,他の手段で評価します)
その上で,3年生修了時点で以下の2点のうちいずれか一つを満たしていることを条件とします.
1.GPAが「3.0」以上
2.「初級経済学」,「中級ミクロ経済学」,「中級マクロ経済学」,「計量経済学」,「公共経済学」,「財政学」のうち,少なくとも2科目が「良」以上
*但し,編入生や留学希望者については,別途相談します.
*たとえ条件を満たしていたとしても,指導教員の判断で進級を認めないこともあり得ます.
その他
・ゼミにコミットできない学生,ゼミを単位習得の手段としてだけ考えている学生は歓迎しません.
・ゼミの課外活動(飲み会や工場見学など)は,私からは指示をしません.ゼミ運営においては,ゼミ生の自治を尊重します.
・ゼミ合宿は行いません.もし行う場合は,全員が参加することを求めます.
・ゼミのオフィスアワーに参加していない人,および提出書類に不備のある人は,定員を下回っていても受け入れない可能性があります.このため志望者は必ずオフィスアワーに参加し,かつ必要な書類を揃えること.
・過年度生(応募時に3年生以上)の場合,定員を下回っていても受け入れない可能性があります.過年度生の方はこの点ご注意下さい.
・第3次募集の段階では,不合格とすることもあり得ます.このため,第2次募集までに応募することをお勧めします.
・無断欠席や発表の割り当てをしていない場合などは,その場で「不可」とします(勿論,十分な理由がある場合はその限りではありません).