東京確率論セミナー (TPS)

日時:月曜日,16:00~17:30 

場所: 東京大学大学院数理科学研究科 数理科学研究科棟(駒場)126号室 

※ 日時・場所・講演形式(対面またはオンライン)は変更される場合がありますので,念のため各セミナーの項目をご確認ください.

【幹事】

※ 講演募集は随時行っていますので、何かございましたら、幹事にご連絡ください。メーリングリストの「新規登録/登録アドレス変更/登録アドレス抹消」等は日本大学の西川貴雄先生にご連絡ください。

今後の予定

※ 今後の予定はこちら(服部哲弥氏のウェブサイト)でも確認できます.

2024年7月8日(月)

講師: 坂川博宣

時間: 16:00 - 17:30

場所:東京大学大学院数理科学研究科 数理科学研究科棟(駒場)126号室

題目 : Maximum of the Gaussian interface model in random external fields 

アブストラクト: 相分離の界面モデルの一つとして格子上のGauss型界面モデル(離散Gauss自由場)を取り上げ,そこにランダムな外場(化学ポテンシャル)を加えた(ランダムな)Gibbs測度の下での最大値について考える.特に,外場の確率変数の末尾確率の挙動に応じて最大値の挙動が変わることを示し,その主要項を特徴付ける.

後期講演予定者

2024年9月30日(月)

場所:

日時:

2024年107日(月)

場所:

日時:

2024年10月21日(月)

場所:

日時:

2024年10月28日(月)

場所:

日時:

2024年1111日(月)

場所:

日時:

2024年11月25日(月)

場所:

日時:

2024年12月2日(月)

場所:

日時:

2024年12月9日(月)

場所:

日時:

2024年12月16日(月)

場所:

日時:

2024年1月6日(月)

講師:

日時:

終了したセミナー

2024年7月1日(月)

講師:Mackowiak Pierre

時間: 16:00 - 17:30

場所:早稲田大学(西早稲田キャンパス) 55N号館 1階 第二会議室

Title : The Anderson-Hermite operator in dimension 1 and 2. 

Abstract: In the last few years, the study of the continuous Anderson model has know a various developments thanks to both the regularity structure theory and the paracontolled approach. In this lecture, we aim to construct the Anderson-Hermite operator in dimension 1 and 2, that is the perturbation of Hermite operator by a spatial white noise potential. This construction is based on a quadratic form approach.


After defining appropriate functional spaces, it is easy to define the 1d Anderson-Hermite operator as a lower-bounded, self-adjoint operator with compact resolvent. In 2d, the direct approach to define the quadratic form fails and one has to renormalize some quantity. We use an exponential transform adapted to the Hermite operator to exhibit the quantity to renormalize. I will present a construction of the Wick renormalization of the Anderson-Hermite operator and show it defines a lower-bounded, self-adjoint operator with compact resolvent. 


2024年6月24日(月)

講師:中野史彦

場所:東京大学大学院数理科学研究科 数理科学研究科棟(駒場)126号室

題目 : Temperley - Lieb 演算子の持ち上げとRazumov - Stroganov 予想について 

アブストラクト: Razumov - Stroganov 予想とはリンクパターン上の生成する線型空間上のあるハミルトニアンの基底状態に対応するFPLの個数が現れるという予想で、2010年に解決されたが、O(1)-loop model, 交代符号行列を介して2次元統計力学の模型や組み合わせ論との様々なつながりがあり、今も注目されている。Temperley - Lieb 演算子の持ち上げを用いたRS予想のより平易な証明について議論する。 


2024年6月17日(月)15:40 -16:40

講師:植田健人 氏   

場所:東京大学大学院数理科学研究科 数理科学研究科棟(駒場)126号室

題目 : 非整数ブラウン運動で駆動される確率微分方程式の数値解の漸近展開 

アブストラクト: 本研究は非整数ブラウン運動(fBm)で駆動される確率微分方程式の数値解に対する極限定理(漸近誤差)に関する研究である。このfBmおよびそれによって駆動される方程式は非マルコフな時系列モデルとして用いられ、その数値解に対する極限定理は数学的興味のほか、数値シミュレーションの誤差の推定への応用が期待される。数値解の極限定理は駆動するfBmが1次元か否か、また1次元ならドリフト項が存在するか否か、さらにfBmのハースト指数、そして対象とする数値解法によって定理の主張も適用できる証明法も異なり、そのために条件ごとに様々な先行研究が存在する。このうち、本研究は1次元かつドリフト項が存在する場合に誤差分布の導出と正当化を行ったものであり、一般の数値解法に適用できる。同範囲の先行研究では高次ミルシュタイン法、クランク-ニコルソン法に対してハースト指数が1/3より大きい場合に関して漸近誤差を特定できるが、本研究では高次ミルシュタイン法の漸近誤差を任意のハースト指数に対して完全に決定するとともに、クランク-ニコルソン法に対してもハースト指数が1/4以上の場合に漸近誤差を特定している。なお、本講演では導出した誤差分布を視覚的に観察し、漸近誤差への直観的な理解を深められるよう、漸近誤差に対する数値実験の結果を詳しく説明する。 


2024年6月17日(月)16:50 -17:50

講師:竹内裕隆

場所:東京大学大学院数理科学研究科 数理科学研究科棟(駒場)126号室

題目 : Homogenization results for reflecting diffusions in a continuum percolation cluster 

アブストラクト: ランダム媒質の研究において均一化は重要な問題の一つである.  均一化はいくつかの定式化が知られている,  本講演ではランダム媒質上の確率過程に関する極限定理であるquenched invariance principleと,  その精密化である局所中心極限定理を考える. この様な定式化について,  離散的なモデルの場合には多くの結果が知られている.  連続的なモデルに関しても,  random environment 上の拡散過程に関する結果は多く知られている.  一方拡散過程が反射壁を持つ場合に関しては,  境界の影響等により問題が複雑化するためquenchedな結果は知られていなかった.  本講演では連続パーコレーションが幾何的な条件を満たす場合,  その上の反射壁を持つ拡散過程に関してquenched invariance principleと局所中心極限定理が成り立つという結果を紹介する.



2024年6月10日(月)

講師: 後藤ゆきみ

場所:東京大学大学院数理科学研究科 数理科学研究科棟(駒場)126号室

日時:16:00~17:30

題目 : Phase Transition in a Lattice Nambu–Jona-Lasinio Model

概要:量子色力学で重要な概念としてカイラル対称性の破れとそれに伴うフェルミオンの質量生成があるが、その証明は困難が多い。その理解に格子上の量子色力学は成功していると見られているものの、数学的結果はいまだ限られている。

この講演では格子上のフェルミオンの定式化のひとつであるスタッガード・フェルミオンをもちいて、それらが4つのフェルミオンと相互作用する模型(lattice Nambu–Jona-Lasinio model)を考える。この模型は離散的なカイラル対称性しかもたないものの、質量が自発的に生成することと、それに伴う対称性の破れを証明できる。また、連続的なフレーバー対称性をもつ場合は南部・ゴールドストーン・モードと呼ばれるスペクトルにギャップのない無限系の基底状態が出現することを説明する。

本講演は高麗徹氏との共同研究にもとづく。

2024年5月27日(月)

講師:野田涼一郎

場所:東京大学大学院数理科学研究科 数理科学研究科棟(駒場)126号室

日時:16:00~17:30

題目 :測度付き抵抗距離空間上の確率過程の局所時間のスケール極限について


アブストラクト:  抵抗距離空間は電気回路の一般化であり,ディリクレ形式の理論により測度付き抵抗距離空間には確率過程が定まる.Croydon-Hambly-Kumagai (2017)は収束する抵抗距離空間が一様体積倍化条件を満たすならば対応する確率過程とその局所時間が収束することを示した.その後Croydon (2018)はより弱い条件である非爆発条件の下で確率過程の収束を示したが,局所時間の収束については未解決のままであった.本講演では非爆発条件及び距離エントロピーに関する適当な条件の下で確率過程とその局所時間の収束が従うこと,そしてこの結果の応用例について解説する.また同様の結果は離散時間マルコフ連鎖とその局所時間に対しても成立し,時間が許せばこの結果についても紹介する.

2024年5月20日(月)

講師:西野 颯馬

場所:東京大学大学院数理科学研究科 数理科学研究科棟(駒場)126号室

日時:16:00~17:30

題目 : 2曲線間に制限されたパス空間上でのWiener測度に対する高階の部分積分公式

概要:  2曲線間に制限されたパス空間上でのWiener測度に対する1階微分の部分積分公式は既に知られている。本講演では、この結果を高階微分の部分積分公式に拡張する。高階微分の部分積分公式においては、従来の1階微分の場合にはない非自明な境界項が追加で現れ、さらに、その証明において、Brownian excursionやBrownian house-movingと呼ばれる確率過程のランダムウォーク近似による構成方法が新たに必要となる。また、証明の中で、1次および2次の無限小確率の概念を導入する。この概念を導入することで、部分積分公式の各項に現れる数式に対して確率論的な解釈が可能となり、部分積分公式を整理する上で有益な概念であることを説明する。なお、本講演内容は、東京都立大学の石谷謙介氏との共同研究(arXiv:2405.05595)に基づく。

2024年5月13日(月)

講師: Shuwen Lou

場所:東京大学大学院数理科学研究科 数理科学研究科棟(駒場)126号室

日時:16:00~17:30

題目 : Brownian motion with darning and its related open problem 

概要: In this talk, I will discuss some existing results about Brownian motion with darning, including its HKE and discrete approximate by random walks, along with an open problem: What is the relationship between (a) subordinated BM with darning, and (b) the process obtained by darning together two subordinated reflected BM. This is an ongoing collaboration with Zhen-Qing Chen. 

2024年4月22、24日(月、水)

講師: Anton Bovier 

https://www.waseda.jp/fsci/mathphys/news-en/19339

場所:早稲田大学西早稲田キャンパス, Conference room 1, 1st Floor, 55N Bldg

日時: 4月22日 (月) 16:00-18:00

4月24日 (水) 16:00-18:00

Title : Scaling limits in the stochastic individual based model of adaptive dynamics: From the law of large numbers to metastability

Abstract:  The so-called stochastic individual based model of adaptive dynamics describes the time evolution of heterogeneous populations that evolve under the key evolutionary mechanisms: birth, death, competition, heredity and mutation. There are three key scaling parameters in this model: population size K, mutation rate μ, and mutation step size δ. In these lectures I will explain how by different choices of taking limits in these parameters, an amazing variety of asymptotic processes arise on different time scales. These capture on the qualitative scale several key features of biological evolution taking place on a hierarchy of time scales.


2024年4月15日(月)

講師: 綾 朝弘 

場所:東京大学大学院数理科学研究科 数理科学研究科棟(駒場)126号室

日時:16:00~17:30

題目 : Quantitative stochastic homogenization of elliptic equations with unbounded coefficients

アブストラクト: 確率的均質化(Stochastic Homogenization)の分野において,解の収束を定量的に評価する研究が近年盛んに行われている.しかし従来の研究の対象は方程式のランダム係数が一様楕円性を持つ標本空間であり,非有界な係数を含む方程式での確率的均質化の定量的な結果は少ない.本講演ではsubadditive argument を非有界係数の場合に拡張することにより,非有界な係数を含む楕円型PDEの解の収束の速さを評価する.時間に余裕があれば関連する問題について紹介する.