「東京烤鴨」第二回「集まれ!日本と中国の作曲家たち」が2024年8月16日に開催されます。そこで、「開胃菜」を作曲した邵躍哲さんにインタビューをしました。邵躍哲さんは中国出身の作曲家である。今回のインタビュアーは作曲家の余鋳恩が担当しました。
「東京烤鴨」第二回「集まれ!日本と中国の作曲家たち」が2024年8月16日に開催されます。そこで、「開胃菜」を作曲した邵躍哲さんにインタビューをしました。邵躍哲さんは中国出身の作曲家である。今回のインタビュアーは作曲家の余鋳恩が担当しました。
邵躍哲(ショウ ヤクテツ)
2021年、上海音楽学院作曲指揮科に首席合格。これまでに、上海音楽学 院の副教授である蘇潇氏や、博士課程の指導教授である呂黄教授に師事。作品は多くの国際的な賞を受賞しており、その中でも女声ソプラノとピアノための「私は風を知らない」は、第10回上海音楽学院学内賞作曲コンテストで一等賞と最優秀演奏・歌唱賞を受賞。
(Instagram: yuson_shao)
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余:今日はインタビューを引き受けていただき、ありがとうございます!でも、今日は先輩後輩の関係ではなく、グループのメンバーとしてお話しします。最近どうですか?
邵:最近、上海音楽院の屋外スペースでのプロジェクト「筆法と引力」を主催・作曲したばかりで、とても緊張感のある刺激的な時間を過ごしました。
余:私もネット上でそのプロジェクト見ました。本当にお疲れ様でした!
「筆法と引力」
余:最近の創作について、色々教えていただけますか?実は、邵さんに対するイメージはあの有名な《私は風を知らない》で止まってしまいまして、この作品は素晴らしくて、私時々聴きたくなります。
邵:ありがとうございます。作曲家として、自分の作品をこんなに気に入ってもらえるのはとても嬉しいことです。最近の状況を喜んでお話しします。最近は《鼓楽二曲》という打楽器の組曲を完成させました。
余:わぁ、楽譜を見たところ、民族打楽器が主でとても面白そうですね。その「鼓(ドラム)」という要素は、今回の東京烤鴨のコンサートとも非常に似ていますね。邵さんが東京烤鴨の《開胃菜》(「前菜」を意味する中国語)という題名は、これと何か関係があるのか気になります。
邵:実際には、ちょうど今、新しい委嘱作品《開胃菜》の作曲を始めようとしているところです。この作品は非常に精巧で凝縮された音楽になる予定で、抛磚引玉のような役割を持たせたいと考えています、「序曲」のような感じで。短い中にも多くのアイデアを詰め込むつもりです。
余:素晴らしいですね。私たちが何を書いたかを見てから決めてもいいかもしれませんね(笑)。
邵:ははは、それはいい提案ですね。
余:上海音楽学院に入学できる若い世代の中で、あなたは中国音楽の新しい世代の中核といえる存在だと思います。同世代の中でも非常に優れた存在ですね。では、あなたの音楽キャリアはどのように始まったのですか?
邵:私は5歳からピアノを始め、15歳から作曲を学び始めました。実は高校の時、あなたと同じように進学の問題に直面しました※。最初は上海音楽学院のピアノ科を目指しましたが、レベルが達しなかったため、中学の先生が私の音感を評価して作曲を勧めてくれました。そして、無事に入学することができました。その後、学び始めたらすぐに作曲が大好きになりました。(※詳しくは、余鋳恩インタビューを参照)
余:共感できる経験ですね。確かに、あなたの音楽的直感は常人を超えているような気がします。影響を受けた作曲家はいますか?
邵:瞿小松先生です。特に彼の作品《Mong Dong》が好きです。この作品は1984年の芸術家たちの熱狂的な時代に創作されました。しかし、この作品は村の牧童が牛を飼い馴らす物語を描いており、純朴で自然な音楽言語によって表現されています。打楽器の扱い方がとても好きです。
瞿小松「Mong Dong」
邵:以前はインターネットやメディア、楽譜を通してしか瞿小松先生を知る術がありませんでしたが、最近彼のマスタークラスに参加し、対面での授業を通して、より瞿先生に感化されたような気がします。芸術に対する真摯な追求と敬意が、私に深く影響を与えています。作曲家及び芸術家は、まず心から芸術を敬うことが大切です。
余:確かに、純粋な芸術探求の精神はいつの時代も貴重です。彼ら先輩たちに敬意を表します。最初に「現代音楽」に触れたのはいつですか?
邵:大学一年生の時に、ヴァレーズの《Density 21.5》と武満徹の《air》を聴いた時です。新しい演奏法や音色、音高の組織に対する視野が広がり、大きな衝撃を受けました。こんな冷たくて鋭い音楽があるのかと驚きました。
余:作風は変わったりするのですか?
邵:します。しかし、それは技術ではなく、価値観の変化によるものです。最近、新しい段階に達したと感じています。異なる音楽に接する時、明確な価値体系が頭の中で働いているのを感じます。
余:非常に共感できます。創作や作品の鑑賞において、美的感覚は非常に重要です。作曲家の美的感覚が変わると、新しい創作時代に入ったと感じることが多いです。今日は素晴らしいインタビューができました、ありがとうございます!
邵:ありがとうございました!これからも連絡を取り合いましょう。
邵さんは以下のコンサートにて、新作「開胃菜」を初演されます。演奏は、本多悠人によってなされます。
是非お越しください。
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