研究テーマ

research


言語・認知発達と文化

 乳幼児が母語を獲得していく過程について、おもに語彙獲得に関して研究をしています。

 ある時点でどのような力が育っていることが、後のことばの育ちにつながるのかということを、実験や調査を通して実証的に明らかにすることに取り組んでいます。

 子どもを取り巻く大人の話しかけ方について、子どもと大人の会話の仕方、育児語の使用、絵本の読み聞かせ方など、その特徴を明らかにするとともに、大人の話しかけ方が子どもの語彙獲得や認知にどのような影響を及ぼすのかについて研究をしています。

 また、子どもを取り巻く文化的な環境として絵本に注目し、その内容分析を行っています。

 以上の研究テーマに関して、文化心理学的な観点からも研究を行っています。これまで、日本と米国の親子を対象に、文化とことばの発達過程について研究を行ってきました。

他者の心の推測と行動抑制

 日本社会の特徴として、他者の心を慮ることがあると思います。このことには、正負両面があると思いますが、他者の心を慮ることによって、遠慮したり、自分の考えを表明しにくくなるなど、自分が望むことを押さえて、行動を抑制してしまうことがあると思います。

 このような傾向は、日常的に起こり得、わからないことを聞かないままで済ませたり、多様な意見を出し合うことができずに話し合いが不活発になったりします。

 他者の心の推測が必ずしも正しくなく偏りが生じる仕組み、他者の心を推測して行動を抑制することを促進する社会的な環境、他者の心を推測して行動を抑制するようになる発達過程などを明らかにしたいと考えています。

 また、中高生がこのような心の仕組みを体験的に学べるプログラムの作成を行っており、さらに小学生向けのプログラムも作成したいと考えています。