日本が参画している次世代国際超大型光学赤外望遠鏡計画である Thirty Meter Telescope (TMT) は、従来の望遠鏡を遥かに凌駕する集光力・画像感度・空間分解能を有し、太陽系外惑星における生命探査や初代星・銀河の進化過程の解明をもたらすことが期待されています。TMT の運営・建設を担う TMT International Observatory (TIO) では、2022年末から2023年前半にかけてNSF PDR (Preliminary Design Review) が行われ、2024年10月には2024 TMT DSC (Detailed Science Case)が公開されました。また、ELT-JWST研究会が2回開催(2023年12月LA 、2024年6月仙台 )され、今後数十年で大型望遠鏡と宇宙ミッションの間に、さらに多くのエキサイティングな発展と戦略的相乗効果が期待できます。そこで TIO 全体の機運に乗じ、日本国内でも TMT サイエンスを強化し新しいサイエンスケースを創造するために、サイエンスワークショップシリーズ TMT-ACCESS (TMT eArly Career Centered, Engineers-Scientists Synergy) を開催します。
新しい建設タイムラインの下で TMT による新たなサイエンスケースを幅広く検討するために、TMT-ACCESS はディスカッションに重点を置いた分野横断型のサイエンスワークショップです。分野横断型とすることで、異分野の研究者間の交流を生み、各分野の境界領域にあるような新しいサイエンスケースを創出します。また、望遠鏡・装置開発者と科学研究中心のサイエンティストの相互理解を促進できるようなディスカッションやプログラムも提供し、サイエンスケースから次世代装置の計画・提案にもつながるような議論の場を提供します。
第3 回目のワークショップは、国立天文台の三鷹キャンパスにて対面開催します。今回のテーマは「極限性能を引き出すための装置開発の課題とブレークスルーに向けて」です。第1回・第2回でアウトプットした将来望遠鏡を見据えたサイエンスやTMT DSC、また今回のワークショップにおける装置開発に関連する招待講演をベースに、より具体的な次世代望遠鏡を見据えた装置開発を目指したグループディスカッションを進めます。また、国立天文台・東京大学のラボ見学も行います。なお、本ワークショップの趣旨から、対面のみでの開催となります。
分野・研究手法/波長を問わず、将来 TMT を利用した研究を行いたい研究者からの参加を期待します。特に、若手研究者 (大学院生含む)からの参加を強く推奨します。現在若手研究者には、TMT サイエンス検討の機会がほぼありません。TMT-ACCESS は、TMT のサイエンスケースの密な議論とともに、TIO や 国立天文台 TMT プロジェクトの進捗や取組について学ぶ機会を提供します。国際プロジェクトでの活躍を目指す若手研究者はぜひ奮ってご参加ください。
また、TMT-ACCESSの前日、2025年7月15日(火)に、JWSTセッションを開催します。JWSTは、銀河進化や系外惑星、星形成、太陽系などの分野で革新的な成果を挙げており、TMT時代のサイエンスケースを構築するうえでも極めて重要な役割を果たしています。本セッションでは、JWSTによる最新の研究紹介(招待講演・一般講演)に加え、JWSTでは実現が難しい観測やTMTの科学的展望についても議論し、TMTの将来装置に必要な機能・性能の議論につなげることを目的としています。また、7月15日午後には、JWSTの観測提案の採択を目指したプロポーザルワークショップの開催を予定しています。TMTおよびJWSTに関心を持つearly-careerの方の積極的な参加を歓迎します。
IFU (WFOS) 尾崎 忍夫 (国立天文台)
AO (せいめい) 山本 広大 (京都大学)
MIR, 撮像・分光 (TAO/MIMIZUKU) 上塚 貴史 (東京大学)
NIR, 高分散分光 (IRD, MODHIS) 小谷 隆行 (ABC/国立天文台)
系外惑星・原始惑星系円盤 鵜山 太智 (California State University Northridge)
系外惑星・原始惑星系円盤 田崎 亮 (東京大学)
星形成 泉 奈都子 (国立天文台)
遠方宇宙 小久保 充 (国立天文台)
遠方宇宙 Christina Williams (NOIRLab)
遠方宇宙 三橋 一輝 (University of Colorado Boulder)
太陽系 飯野 孝浩 (東京大学)
TBD
先端技術センター
東京大学天文センター
TAO (東京大学アタカマ天文台) に搭載される SWIMS およびMIMIZUKU を見学します。
自身の研究費を持たない参加者への旅費補助を行います。旅費補助を受給する方には、ワークショップ運営に積極的に参加していただいています。例えば、以下のような活動が含まれます。
グループディスカッションの司会・調整
グループディスカッションの書記
グループディスカッションの総括・発表
事前登録されていない方も申請可能ですが、事前登録にて旅費の補助を希望した方を優先させて頂きます。ただし財源が限られていることから、ご希望に添えないこともあることをご了承ください。
以上、了承していただける方は、レジストレーションにて旅費補助の申請を行なってください。補助の有無の結果は遅くとも6月上旬にご連絡いたします。
TMT-ACCESS2025の本登録を締め切りました。
【本登録締切(予定日)】
旅費補助希望者 2025年 5月 20日 (火)
一般締切(補助なし) 2025年 6月 13日 (金)
鵜山 太智 (California State University Northridge) *世話人代表
田畑 陽久 (ISAS/JAXA) *世話人代表
伊王野 大介 (国立天文台)
小野里 宏樹 (国立天文台)
衣川 智弥 (信州大学)
鈴木 竜二 (国立天文台)
瀧本 幸司 (ISAS/JAXA)
野津 翔太 (東京大学)
長谷川 靖紘 (JPL/NASA)
百瀬 莉恵子 (Carnegie Observatories)
森 万由子 (ABC/国立天文台)
米田 謙太 (ISAS/JAXA)
Contact: tmt-access_at_ml.nao.ac.jp ( "- at -" は @ に置き換えてください)
Supported by: 国立天文台 TMT プロジェクト, TMT 科学諮問委員会