東京科学大学幾何セミナー
(旧東工大幾何セミナー)
セミナー情報
東工大幾何セミナーの名称を東京科学大学幾何セミナーに変更しました.ちなみに英語名称は Science Tokyo Geometry Seminar としました.
金曜日16:30〜18:00の日程で東京科学大学(旧東京工業大学)大岡山キャンパス本館H201室にて行います.Zoomを用いたハイブリッド形式セミナーです.
世話人:中村 聡
自薦他薦を問わず講演者は随時募集しております.中村(s.nakamura (AT) math.titech.ac.jp)までご連絡をお願い致します.
1泊分の旅費の援助が可能ですので,お気軽にお問い合わせください.
Zoom情報
ミーティングIDとパスコードは毎回共通です
Zoom URL: https://zoom.us/j/94554577041?pwd=VFhqSnNXc3dzWDQyMzNPUkJUV25pZz09
ミーティングID: 945 5457 7041
パスコード: F7zAsM
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次回セミナー予定
11月8日(金)本多宣博 氏(東京科学大学)16:30-18:00@大岡山キャンパス本館H201
題目:コンパクト化を持たない複素曲面の具体的構成
概要:標題の性質を持つ非コンパクト非特異複素曲面を構成する。構成はまず非特異2次曲面を適切にとった4点でブローアップしたあと、その中の反標準因子(非特異有理曲線からなる輪)の開近傍をとり、上の反標準因子の通常二重点のうちの一つに「近傍ごと」正規化を施して輪の状態を解消したのち、最後に例外曲線たちをつぶすことによって得られる。この複素曲面はミニツイスター空間とよばれる、微分幾何的に意味のある構造を持っている。本研究は中田文憲氏(福島大)との共同研究に基づく。
2024年度セミナー
11月8日(金)本多宣博 氏(東京科学大学)16:30-18:00@大岡山キャンパス本館H201
題目:コンパクト化を持たない複素曲面の具体的構成
概要:標題の性質を持つ非コンパクト非特異複素曲面を構成する。構成はまず非特異2次曲面を適切にとった4点でブローアップしたあと、その中の反標準因子(非特異有理曲線からなる輪)の開近傍をとり、上の反標準因子の通常二重点のうちの一つに「近傍ごと」正規化を施して輪の状態を解消したのち、最後に例外曲線たちをつぶすことによって得られる。この複素曲面はミニツイスター空間とよばれる、微分幾何的に意味のある構造を持っている。本研究は中田文憲氏(福島大)との共同研究に基づく。
10月25日(金)新田泰文 氏(東京理科大学)16:30-18:00@大岡山キャンパス本館H201
題目:Fano 多様体上の重み付きスカラー曲率一定 K\"ahler 計量と $v$ ソリトンについて
概要:重み付きスカラー曲率一定 K\"ahler 計量とは K\"ahler 多様体に対して定義される標準計量の一種であり, スカラー曲率一定 K\"ahler 計量や端的 K\"ahler 計量, K\"ahler-Ricci ソリトンといった広範囲の標準計量を特別な場合として含むものである. 一方, Fano 多様体に対しては $v$ ソリトンと呼ばれる K\"ahler-Einstein 計量の一般化が知れれており, こちらも様々な標準計量を含む大きな枠組みとなっている. 本講演の目的は Fano 多様体における重み付きスカラー曲率一定 K\"ahler 計量と $v$ ソリトンとの間のある関係について述べることである. 具体的には, Fano 多様体において $v$ ソリトンと $(1, 2(n+1 - v))$-重み付きスカラー曲率一定 K\"ahler 計量という見かけ上全く異なる標準計量の存在が実は同値であることを証明する. また, その特別な場合として満渕定数が 1 未満である Fano 多様体において反標準偏極における端的 K\"ahler 計量の存在と満渕ソリトンの存在が同値であることを説明する. 本講演の内容は Vestislav Apostolov 氏と Abdellah Lahdili 氏との共同研究に基づく.
10月18日(金)斎藤俊輔 氏(東京理科大学)16:30-18:00@大岡山キャンパス本館H352(会場が通常と異なるのでご注意ください)
題目:Segre多様体の超平面切断のK不安定性
概要:1980年代初め, 坂根や埴野は, Segre多様体$¥Sigma_{m, n}$の非特異な超平面切断の正則自己同型群はmとnが異なるとき簡約でないことを証明し, どのKähler類もスカラー曲率一定Kähler計量を許容しないことを証明した. 現在のKähler幾何の中心的な話題であるYau-Tian-Donaldson予想によれば「スカラー曲率一定Kähler計量の存在」は「K準安定性」という代数幾何的な条件に置き換えられるはずであり, このような超平面切断はK準安定でないことが期待できる. 本講演ではこの期待が実際に正しく, 坂根や埴野の結果の代数幾何版として次の主張が成り立つことを紹介する: Segre多様体の正規な超平面切断は, mとnが異なるかあるいは特異点をもつとき, すべての偏極についてK不安定である.
7月19日(金)青井顕宏 氏(和歌山工業高等専門学校)16:30-18:00@大岡山キャンパス本館H201
題目:Skoda-Zeriahi type integrability for some measure with $L^1$-density and some compactness of relative entropy for Poincaré type Kähler metrics
概要:I will talk about some integrability result of plurisubharmonic functions for some measure with $L^1$-density. In order to prove this, Skoda-Zeriahi's integrability theorem and the Ohsawa-Takegoshi $L^2$-extension theorem play a very important role. As an application, we show some compactness of relative entropy for Kähler metrics of Poincaré type. This work is motivated by the variational characterization of constant scalar curvature Kähler (cone) metrics by Chen-Cheng and K.Zheng.
7月5日(金)成田知将 氏(名古屋大学)16:30-18:00@大岡山キャンパス本館H201 H352
題目:コンパクトケーラー多様体のラプラシアン固有値の最大化問題
概要:与えられたコンパクト多様体Mにおいて,体積が1となるようなリーマン計量全体を考える.このとき,計量から定まるラプラシアンの最小正固有値は,そのような計量全体の上の汎関数とみなせる.Nadirashvili(1996)とEl Soufi-Ilias(2000)は,計量gがそのような固有値汎関数の臨界点であるとき,ラプラシアンの固有関数たちが(M,g)の球面への等長極小はめ込みを与えることを示した.Apostolov-Jakobson-Kokarev(2015)は,リーマン計量全体ではなく,コンパクトケーラー多様体においてケーラー類を固定して固有値汎関数の臨界点を調べた.本講演では,コンパクト複素多様体において,体積が1となるようなケーラー計量全体を考え,固有値汎関数の臨界点について考察する.Apostolov et al.の結果との比較を行い,また例として平坦な複素トーラスについて述べる.本講演はプレプリントarXiv:2304.06261の内容に基づく.
5月31日(金)四ッ谷直仁 氏(香川大学)16:30-18:00@大岡山キャンパス本館H201
題目:Numerical semistability of projective toric varieties
概要: Numerical semistability is one notion of GIT stability, which is defined by the inclusion of the weight polytopes (Chow/Hurwitz polytopes). It was proved by Paul that the K-energy of a smooth linearly normal projective variety $X$ restricted to the Bergman metrics is bounded from below if and only if it is numerically semistable. In this talk, we provide a necessary and sufficient condition for a given smooth toric variety $X_P$ to be numerically semistable, building upon the works of Gelfand-Kapranov-Zelevinsky (A-Resultants/A-Discriminants). Applying this result to a smooth polarized toric variety $(X_P, L_P)$, we prove that $(X_P,L_P)$ is asymptotically numerically semistable if and only if it is K-semistable in the toric sense.
5月17日(金)高橋良輔 氏(東北大学)16:30-18:00@大岡山キャンパス本館H201
題目:J-equation and a Kobayashi-Hitchin-type correspondence on semistable vector bundles
概要:We introduce the J-equation on higher rank holomorphic vector bundles with an application to the deformed Hermitian-Yang-Mills equation through the small volume limit. On semistable bundles over smooth projective surfaces, we provide a necessary and sufficient condition for the solvability of the J-equation in an asymptotic setup. Our result can be thought of as a perturbed version of the Kobayashi-Hitchin correspondence.
4月19日(金)宮武夏雄 氏(東北大学数理科学共創社会センター)16:30-18:00@大岡山キャンパス本館H201
題目:Cyclic volume forms for a positive singular Hermitian metric on the canonical bundle over Kähler manifolds
概要:pdf