細根山はかつて小山園ともいい、松尾芭蕉の門下の俳人下里知足が別荘を営んだ。山中に十四景があり四季折々に美しい表情を見せる素晴らしいところであったそう。名園として古くから知られ、尾張藩主も来遊したことがあった。細根山十四景には菅神廟(天満宮)、妙音池、円通閣(寂照庵)、湛然庵、好辞龕(粟塚)、望雪林、紫藤架などがあったが、伊勢湾台風で樹木だけでなくほとんどの建物が倒壊。現在は細根山オアシスの森として整備されており、残された史蹟を見る事ができる。
「細根」は文字通り細い尾根という意味。旧字は「細根山」で、細い尾根の山。また、「明願」を含めた地の旧字に「シゲ山」、「団操坂」がある。「シゲ山」は開拓の遅れた山。「団操坂」は「どんぐりさか」で、団栗の生えている坂。
参考文献
榊原邦彦(2021)『名古屋史跡巡り一 鳴海史跡巡り』 名古屋市 中日出版株式会社
Japanknowledge 『日本歴史地名大系』県別閲覧>愛知県 2025年1月2日閲覧 平凡社
名古屋市ホームページ『緑区誌』 2025年1月2日閲覧
榊原邦彦(2000)『緑区の史蹟』 名古屋市 鳴海土風会