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◇ラテン語の読み方と発声表記◇
STABAT MATER G.B.Pergolesi
Nr.1 Stabato mater dolorosa
Stabat Mater dolorosa
Juxta crucem lacrimosa,
Dum pendebat Filius.
Nr.2 Cuisu animam gementem
Cujus animam gementem,
Contristatam et dolentem,
Pertransivit gladius.
Nr.3 O quam tristis et afflicta
O quam tristis et afficta
Fuit illa benedicta
Mater Unigeniti!
Nr.4 quae maerebat et dolebat
Quae maerebat et dolebat,
Pia Mater, dum videbat
Nati poenas inclyti
Nr.5 Quis est homo
Quis est home qui non fleret,
Matrem Christi si videret
In tanto supplicio?
Quis non posset contristari,
Christi Matrem contemplari
Dolentem cum Filio?
Pro peccatis suae gentis
Vidit Jesum in tormentis,
Et flagellis subditum.
Nr.6 Vidit suum dulcem natum
Vidit suum dulcem natum
Moriendo desolatum,
Dum emisit spiritum.
Nr.7 Eia, mater, fons amoris
Eia Mater, fons amoris
Me sentire vim doloris
Fac, ut tecum lugeam.
Nr.8 Fac, ut ardeat cor meum
Fac ut ardeat cor meum
In amando Cheistum Deum,
Ut sibi complaceam.
Nr.9 Sancta mater, istud agas
Sncta Mater, istud agas,
Crucifixi fige plagas
Cordi meo valide.
Tui nati vulnerati,
Poenas mecum divide.
Fac me tecum pie flaere,
Donec ego vixero.
Juxta crucem tecum stare,
Crucifixo condolere,
Donec ego vixero.
Juxta crucem tecum stare,
Et me tibi sociare
In planctu desidero.
Virgo virginum praeclare,
Mihi jam non sis amara :
Fac me tecum plangere.
Nr.10 Fac, ut portem Christi mortem
Fac ut portem Chrisiti mortem,
Passions fac consortem,
Et plagas recolere.
Fac me plagis vulnerari,
Fac me cruce inebriari,
Et cruore Filii
Nr.11 Inflammatus et accensus
Fkammis ne urar succensus,
Per te, Virgo, sim defensus
In die judicii
Christe, cum sit hinc exire,
Da per Mtrem me venire
Ad palmam victoriae.
Nr.12 Quando corpus morietue
Quando corpus morietur.
Fac ut animae donetur
Paradisi gloria.
Amen.
◇こんにちは。暑かったり寒かったり変な陽気ですね。今は6月の県の合唱祭に向けて練習しています。演目は『女声合唱組曲 心の扉』から「晩夏のコオロギ」と「心の扉」です。
この詩はもともとエミリー・ディキンソンさんというアメリカの女流詩人のかたの詩をもとになかにしあかねさんが訳詞、曲をつけられました。とてもふわふわ~っとした曲になっています(あくまで私の印象です)
そこでエミリー・ディキンソンさんとその方の書かれた原詩について調べてみました。
1830年12月10日 マサチューセッツ州アマストに生まれる。父エドワードは弁護士。州議員や連邦下院の議員も務めた名士。1歳半年上の兄オースティン、2歳半下の妹ラヴィニアと3人兄弟。母はノークロス
1840年 妹ラヴィニアと共にアマスト・アカデミーという祖父サムエルが創立に大きく貢献したハイスクールに入学
1847年 マウント・ホリヨーク女子専門学校(現在のマウント・ホリヨーク大学、アメリカで最初の女子大学)に入学。このころは快活に行動し、ウイットにとむ仲間たちの人気者だった。
1848年 マウント・ホリヨーク大学を退学。 以降自宅で病弱な母に変わって家事などをする。
1858年 この頃より自作の詩の清書を始めるはじめる。
1861年 南北戦争勃発 (ちなみに日本でも、江戸末期。安政の大獄(1858年)、桜田門外の変(1860年)などがあった時代です)
1862年4月15日 批評家のトマス・ウエントワース・ヒギンズ Thomas Wentworth Higginson に自作の詩を同封し手紙を送る。当時の常識的な詩の主題(内容)、表現形式とは異なっていたためあまり評価は得られなかった。3通目の手紙でディキンソンは「出版することは」「縁なきこと」とつづり、この時点で詩集を出版することを半ば諦めてしまった感がある。
1874年 父エドワード死去
1882年 母ノークロス死去
1886年5月13日死去。葬儀ではディキンソンが愛読していたエミリー・ブロンテの詩「私の魂は恐れを知らない」が朗読された。妹ラヴィニアが箪笥の引き出しから、清書された詩稿を発見。
1890年 『エミリー・ディキンソン詩集』第1集が出版される。(この詩集はオリジナルそのままではなく、当時の読者に受け入れやすいように手が入れられていた)。
1910年 モダニズムの詩運動の中で詩壇から注目されるようになる。
1930年代 アメリカの文学史に取り上げられるようになる。
1955年 トマス・H・ジョンソン Thomas H . Johnson が丁寧な校正をおこない、原文をそのまま再現することにつとめた。『エミリー・ディキンソン全詩集』が出版される。(ジョンソン版詩集では、1775編の詩が制作された順に並べられた)
1960年 日本でも人気が高まり、おおくの翻訳が出版される
以下は、今回の演目『女声合唱組曲 心の扉』で使われている訳詞の元(原詩)をのせてみます
4.晩夏のコオロギ 原詩
‘Further in Summer than the Birds’
Further in Summer than the Birds
Pathetic from the Grass
A minor Nation celebrates
Its unobtrusive Mass.
No Ordinance be seen
So gradual the Grace
A pensive Custom it becomes
Enlarging Loneliness.
Antiquest felt at Noon
When August burning low
Arise this spectral Canticle
Repose to typify
Remit as yet no Grace
No Furrow on the Glow
Yet a Druuidic Difference
Enhances Nature now
[1068;c.1866]
鳥たちよりもさらに夏おそく
鳥たちよりもさらに夏おそく
草むらのかげで悲しげに
ちっちゃな群れが挙行する
人目につかぬミサを。
聖餐式は見えず
恩寵の到来もゆるやかで
ミサは物思いに沈んだ惰性となる
孤独を拡大しながら。
八月が燃えつきようとする頃
真昼というのにたいそう古めかしく
この幽霊のような聖歌はわき上がり
寂滅を表象する
恩寵はまだ取り消されたわけではなく
輝きに影はさしていない
だがドルイッド的な変化が現われて
いま「自然」をたかめる
対訳 ディキンソン詩集――アメリカ詩人戦(3) 亀井俊介編 岩波文庫 p154-157
ディキンソンはこの手紙の中でこの詩を“My Cricket”と題した。彼女の最高傑作の一つという評価はほぼ定着しているが、解釈をめぐっては諸説入り乱れている。しかし、この詩に生と死をめぐる詩人の思索の展開を読み取ろうとするたぐいの解釈は敬遠し、ここでは、草むらにおける「こおろぎ」の鳴き声を通して、夏から秋への推移に、一つのものの喪失と、もう一つのものの到来の予感を受け止め、「自然」の昂揚を感じ取る思いをあらわした抒情詩という解釈をとりたい。 1 鳥が元気にさえずる初夏よりも、夏がずっと進んだ晩夏といったほどの意味か。3 A minor Nation (より)小さな種族。こおろぎのこと。4 Massミサ(キリスト教の典礼の中心をなす礼拝集会)。5 Ordinance 聖餐式(ミサの中でも最も重要な儀式で、キリストへの感謝および信徒してよい。6 この行でもbe動詞が略されている。7 it=Mass. こおろぎのミサ(鳴き声)は単調に続き、custom(習慣、惰性)とかする。が、その物思いに沈んだ(pensive)調べが、孤独感をひろげるのである。9 Antiquest... 晩夏とはいえ8月の真昼なのに、こおろぎの声はこの上なく古色をおびて聞こえる。11 Arise 文法的にはArisesとあるべきところか。12 typifyの後ろにFurrow 畠の畝と畝の間のみぞ。ここでは、夏の日の輝き(the Glow)にさし込む影の部分。それはまだないというのである。15 a Druidic Difference 古代ケルト人の間で信仰されていたドルイド教
5.心の扉 原詩
‘The Heart has many Doors ――’
The Heart has many Doors ――
I can but knock ――
For any sweet “Come in”
Impelled to hark ――
Not saddened by repulse,
Repast to me
That somewhere, there exisis,
Supremacy ――
[1567;c.1883]
心にはたくさんのドアがあります―――
心にはたくさんのドアがあります――
わたしにできるのはノックだけ――
「お入り」とやさしくいってもらえないかと
懸命に耳をすませて――
拒絶にあっても悲しみはいたしません、
わたしには糧なのです
どこかに、至高の方の、
いらっしゃることが――
対訳 ディキンソン詩集――アメリカ詩人戦(3) 亀井俊介編 岩波文庫 p166-167
1883年、可愛がっていた甥のGilbert(8歳)が死んだ時、その母(エミリには兄嫁)のSusanに贈った詩。Gilbertは死の床でのうわごとで“Open the Door, open the Door, they are waiting for me.”といっていたという。そのことがこの詩の発想のもとになったかもしれないが、それとは独立して、[35]でうたったような「もう一つの世界」の内なる声に謙虚に耳を傾ける作者の姿勢があらわれている。1 The Heart なにか偉大なる者の心、であろう。最終行のSupremacyの心か、あるいはこの世界を越えた「もう一つの世界」の心か。4 Impelled to hark 耳を傾けるように強要されて、われ知らず耳をすませて聴く気分になって。2行目のIの状態を説明する言葉。6 Repast 食事。ここでは精神的な糧を意味する。なお次行のThe以下が主節で、be動詞が省かれ、Repast to me はその補語になっている。
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◇発想標語◇ 楽曲の雰囲気を伝えるための指示語 楽曲の演奏時にどのような雰囲気や表現で演奏するかを示すために用いられるとの事です。主にイタリア語が多いようです
強弱記号に加える付加語
poco ポーコ 少し
poco c poco ポーコ・ア・ポーコ すこしづつ
molto モルト 非常に
più ピウ より多く
meno メノ より少なく
subito スーピト すぐに、急に
più ⇔ meno
速さに関する用語(速度用語)
grave グラーベ 重々しく緩やかに ♩=40
largo ラルゴ 幅広く緩やかに ♩=46
lento レント 緩やかに ♩=52
adagio アダージョ ゆっくりと ♩=58
andante アンダンテ ほどよくゆっくりと ♩=72
moderato モデラート 中くらいの速さで ♩=92
allegro アレグロ 速く ♩=132
vivace ヴィヴァーチェ 活発にいきいきと ♩=160
presto プレスト 急速に ♩=184
速度を変化させる用語
ritardando リタルダンド だんだん速く
rallentando ラレンタンド だんだん緩やかに
ritenuto リテヌート すぐに遅く
accelerando アッチェレランド だんだん速く
stringendo ストリンジェンド だんだんせきこんで
a tempo ア・テンポ 元の速さ
Tempo I テンポ・プリモ 最初の速さで
L'istesso tempo リステッソ・テンポ 同じ速さで
ad libitum アド・リピトゥム 自由に
a piacere ア・パチェーレ 任意に
tempo giusto テンポ・ジュスト 正確な速さで
tempo rubato テンポ・ルパート テンポを柔軟に伸縮させて
速度の標語の意味を強めたり弱めたりする付加語
molto モルト 非常に
assai アッサイ 十分に
poco ポーコ 少し
un poco ウン・ポーコ 少し、やや
poco a poco ポーコ・ア・ポーコ 少しづつ
non troppo ノン・トロッポ 極端すぎず、はなはだしくなく
non tanto ノン・タント 多すぎず
sempre センプレ 常に
quasi クワジ ほとんど・・・・・のように
più ピウ より多く
meno メノ より少なく