手塚研究室は,2026年4月に名古屋市立大学に発足した研究室です.数学や理論計算機科学の手法を用いて,暗号理論や計算複雑性理論,アルゴリズム理論などの研究に取り組んでいます.
2026.07 手塚の論文が国際会議ICICS 2026に採択されました.
2026.04 手塚研究室が発足しました.
本研究室では暗号理論の研究に取り組んでいます.暗号技術の数学的な定式化や安全性証明,アルゴリズムの計算量解析が研究活動の中心です.研究活動は数学の問題に取り組む感覚に近く論理パズルを解くような面白さがあります.意外に思われるかもしれませんが,本研究室で取り組む研究テーマは,プログラミングで実装をして研究を進めることがあまりありません.
暗号理論の研究活動では代数学が非常に重要です.本研究室が扱う暗号は,素因数分解,巡回群,双線形群,群作用,格子,符号に関する計算問題の困難性を根拠に構成できるものです.これらの理解には,線形代数,群論,環論,体論,整数論など,数学科の2〜3年次相当の数学的知識が欠かせません.そのため,「線形代数学I」,「線形代数学II」,「代数学I」,「代数学II」の授業を履修し,線形代数や代数学の知識習得は本研究室の研究活動で重要です.これらの知識があれば暗号理論の研究の入門としては十分ですが,研究テーマによってはさらに高度な数学的知識が必要になる場合もあります.そのため,必要に応じて数学を自ら学び,理解する能力が求められます.
教員が「コンピュータリテラシー」や「プログラミングI演習」を担当していることから,Web開発やプログラミングを行う研究室だと誤解されることがあります.しかし,担当授業の内容と研究内容は大きく異なることに注意が必要です.実際,教員は学部では数理科学,大学院では数理・計算科学系の分野を専攻しており,数理的な手法による研究を基盤としています.コンピュータの利活用やプログラミングによる実装・開発が専門ではありません.教員の主要な研究成果はいずれも,数学的な解析や安全性証明などの理論的な研究によって得られたものです.
3年次の「総合理学実習」では,研究内容を十分にイメージできずに,本研究室を選択しミスマッチが生じた例がありました.その一因として,情報系の研究室ではプログラミングによる実装を行うという先入観があったことが挙げられます.本研究室の研究スタイルは数学系の研究室に近いとイメージすると大きな間違いはありません.本研究室への配属を検討する際には,研究内容や研究の進め方を本Webページの配属希望の方へについても確認してください.
教員は,理論計算機科学としてのアルゴリズム理論や計算複雑性理論の研究にも取り組んでいます.暗号理論と同様に,これらの研究では,実装を中心とするテーマは扱うことがほどんどありません.アルゴリズムの研究であるのにもかかわらず,実装しないことを不思議に思うかもしれません.しかし,アルゴリズムの研究は幅広く,実装や計算機実験を通じて性能を評価する研究もあれば,アルゴリズムを設計し,その正しさの証明や計算量の解析を数学的な議論する研究もあります.本研究室で取り組む,理論計算機科学におけるアルゴリズム理論は後者が中心であり,プログラミングによる実装能力よりも数学的な議論を行うことができる能力が重要です.
研究内容とのミスマッチを防ぐため,本研究室の「総合生命理学実習」に参加していないものの本研究室への配属を検討している学部3年生,および大学院から本研究室への配属を希望する方には,事前面談をお願いします.