学部ゼミでは、“データサイエンティストごっこ”と銘打ったオリジナルのグループワークを行っています。
企画者となる学生は、具体的な会社や組織で働いている想定の下、自ら取得したデータに基づくデータ解析プロジェクトを企画します。一方、受注者となる別の学生は、そのプロジェクトを実際に遂行し、ゼミ内で発表や議論を行います。ゼミ活動を通して、データ分析能力だけでなく、必要なデータを自分で手に入れるスキルや、データサイエンティストとしてのコミュニケーション能力の育成、各自の適性の把握などを行っていくことを狙っています。
(本グループワークの内容で、令和4年度の教育実践優秀賞を受賞しました。)
昔から子供たちは様々なごっこ遊びを通して、楽しみながら大人の社会を学んできたのではないかと思います。
本ゼミでは、比較的新しい分野であるデータサイエンスを身につけるためにもごっこ遊びが役に立つのではと考えて、“データサイエンティストごっこ”と名付けたグループワークに取り組んでいます。
このグループワークでは、データサイエンスプロジェクトの一連の流れをチーム内の異なる立場で体験していきます。
(企画):具体的な会社や組織で働いている想定の下、各ゼミ生がWebから取得したデータに基づいたデータ解析プロジェクトを企画します。他のゼミ生や教員は上司の役割を演じ、そのプロジェクトが実現可能になるようにアドバイスやダメ出しを行い、企画のブラッシュアップを行います。
(受注):具体化されたプロジェクトは、提案者以外の別のゼミ生が受注します。プロジェクトの実際のデータ解析は、この受注者が行います。
(議論):受注者が解析結果を報告します。提案者や教員が発注元の役割を演じ、受注者であるゼミ生へのフィードバックを行うとともに、全員で問題解決の方針を議論します。
(まとめ):最終的に提案者がエグゼクティブ・サマリーを作成してプロジェクト完了です。
この取り組みの中で、各自のスキルアップを行いながら自身の興味や適性を再確認します。同時にデータサイエンティストとしてのコミュニケーション能力を磨きます。
データサイエンスプロジェクトを企画、遂行していくためには、解析対象となるデータが欠かせません。そのため、本ゼミでは“データサイエンティストごっこ”に先立って、インターネット上から様々なデータを取得するWebマイニングの技術を最初に習得します。
ネット上に存在する様々なデータベース、プログラムの中でWeb上の機能やデータを呼び出せるWeb API、プログラムを使って一般のWebサイトからデータの取得を可能にするスクレイピング技術などを、その使用方法や利用の際に留意すべきマナーなどと共に学びます 。これにより、必要なデータを自分で見つけ自分で手に入れるスキルを身につけます。
大学のゼミでは、一人で読み解くのは難しい専門書をみんなで担当ながら読み進める、輪読会を行っているところもあります。輪読会は、論理的な思考法を学び、知的限界を引き上げるためにとても役に立ちます。本ゼミはグループワーク中心のため、授業時間中に輪読会は行いませんが、有志での授業時間外の輪読会も行っています。輪読会をやってみたい人は、声をかけてください。
学部ゼミの総仕上げはゼミ生一人一人が行う卒業研究です。
"データサイエンティストごっこ"との主な違いは、自分が企画したプロジェクトを、自分自身で受注して遂行するところだと思います。なので、余裕でできるはず?
また、卒業研究では、各ゼミ生のそれぞれが、新しい手法を勉強して利用することが多いです。以下に、過去の卒業研究でゼミ生が利用した主な手法を載せておきます。
大規模言語モデル
3D姿勢推定
深層学習(CNN)
強化学習
因子分析
仮説検定
回帰不連続デザイン
本ゼミを志望する人は、必ず事前に研究室訪問に来てください。また、この時期はいろんな先生の話を直接聞ける折角の機会なので、他のいろいろなゼミの見学にも行ってみることをお勧めします。