日本天文教育普及研究会 近畿支部会 (2025年6月)
テーマ:生成AIやデジタルの天文教育普及での活用
最近、生成AIやデジタルが生活の中に浸透してきています。学校現場でも、GIGAスクール構想の推進により一人一台端末が整備され数年が経ち、学校教育の中でデジタルを使用した教育実践も多くなりました。また、生成AIを使用した教育実践が試行されるようになってきています。そこで、「生成AIやデジタルの天文教育普及での活用」をテーマとして、生成AIやデジタルの強みや弱みを考えていけたらと思います。皆さんの使ってみたよ、という実践例を持ち寄り、生成AIやデジタルの可能性とアナログのよさについて考えていければと思います。
現在、午前と午後を予定していますが、発表数によっては午後だけにすることがあります。もちろん、テーマ以外の発表も大歓迎です。皆様、ご予定ください。
日時:2025/5/31(日)
場所:大阪教育大学天王寺キャンパス みらい教育共創館5階(ハイブリッド開催)
(敬称および筆頭発表者以外省略)
10:20〜10:30 近畿支部会開会あいさつ
10:30〜10:50 米澤樹「日本の光害データの可視化とその公開手法:『日本光害地図』の作成」
10:50〜11:10 上野真嗣「カイロスロケット打上げ応援イベントへの参加者アンケートをもとに行ったニーズの分析について」
11:10〜11:30 澤田幸輝「PBL型教育による天体観望会の実践:沖縄女子短期大学での取組みを事例に」
11:30〜11:50 小髙大輔「GIGAスクール構想に対応した小学校理科教科書の現状」
11:50~12:10 ケニス株式会社「生成AIやデジタル等を使った教材について」(情報提供)
12:10~13:00 昼休憩
13:00~13:40 髙野敦史「天文施設×AI:公開天文台における生成AI導入の実践例と未来展望」(招待講演)
13:40〜14:20 仲矢史雄「AIは教育者と伴奏できるか?:AIを開発し、AIで開発し、AIでAIを調べる」
14:20~14:50 交流会
14:50~15:00 休憩
15:00〜15:20 玉澤春史「LLM利用を前提として構築する天文教育普及研究データ」
15:20〜15:40 内山秀樹「スマート望遠鏡を使った太陽の日周運動観測と生成AIを使ったそのデータ解析を題材とする中高生向け授業の構想」
15:40〜16:00 山内銘宮子「ChatGPTのAIをサポートにデジタル星座早見盤を制作した実例紹介」
16:00 閉会
タイトルおよび概要:
・米澤樹(みさと天文台/和歌山大学)、澤田幸輝(沖縄女子短期大学)、鳴沢真也(兵庫県立大学)、尾久土正己(奈良県立大学)
「日本の光害データの可視化とその公開手法:『日本光害地図』の作成」
日本の光害に関するデータを可視化するため、専用サイトを構築した。収集したデータや使用したデータおよび、その公開手法について解説する。
・上野真嗣(紀陽銀行/和歌山大学)、米澤樹(みさと天文台/和歌山大学)、澤田幸輝(沖縄女子短期大学)
「カイロスロケット打上げ応援イベントへの参加者アンケートをもとに行ったニーズの分析について」
2024 年 12 月、和歌山県串本町でのカイロスロケット打上げにおいて、ロケット打上げ見学イベントが実施された。現地参加者に対するアンケートをもとにニーズを把握することを目的に分析を行い、課題点を明らかにし、今後の開催に向けた提言を行う。
・澤田幸輝(沖縄女子短期大学)「PBL型教育による天体観望会の実践:沖縄女子短期大学での取組みを事例に」
本報では、発表者が沖縄女子短期大学で担当する講義「PBL型プロジェクト演習」において、令和6年度に実践した天体観望会の取り組みについて、大学教育におけるPBL型教育の流れを踏まえて紹介する。
・小髙大輔(大阪市立東田辺小学校)「GIGAスクール構想に対応した小学校理科教科書の現状」
GIGAスクール構想により一人一台の端末が整備された。その状況の中、令和6年度より小学校では新教科書が使用されている。小学校理科教科書の天文領域単元について、QRコードを中心に現状を紹介する。
・ケニス株式会社 「生成AIやデジタル等を使った教材について」(情報提供)
・髙野敦史(南阿蘇ルナ天文台)
「天文施設×AI:公開天文台における生成AI導入の実践例と未来展望」(招待講演)
生成 AI 活用の基礎知識から、天文解説の質の向上や施設運営の効率化につながった具体的な事例までを紹介し、「人間にとって星空とはなにか?」という本質的な問いを通じて、AI 時代の天文教育普及のあり方を考えます。
・仲矢史雄(大阪教育大学)「AIは教育者と伴奏できるか?:AIを開発し、AIで開発し、AIでAIを調べる」
講演では、私が取り組んできた AI の教育現場での応用事例をご紹介します。一つは、教室内での児童の動きを AI で把握し、授業改善を目指す取り組みです。これは監視ではなく、教育の質を高めるための手段として活用しています。また、兵庫県三田市教育委員会と共同で開発した不登校児童支援アプリについてもお話しします。このアプリは、子どもたちの自尊感情の向上に寄与することが確認されています。さらに、生成系 AI の基盤である大規模言語モデル(LLM)の学習特性について解説し、生徒が体験的に AI を理解できる教材として、micro:bit を用いた「CreateAI」プログラムを簡単ご紹介します。これにより、AI の仕組みを直感的に学ことが可能です。教育現場における AI の活用は、子どもたちの学びを深め、教育の質を向上させる可能性を共有できればと考えております。
・玉澤春史(東京大学) 「LLM利用を前提として構築する天文教育普及研究データ」
学生のレポートでの使用や言語データ分析など、生成系 AI の利用を前提として教育研究の構成を練る必要がある。天文に関連した事例紹介および解析報告を行い情報共有の場としたい。
・内山秀樹(静岡大学)、小林成吾(静岡大学) 「スマート望遠鏡を使った太陽の日周運動観測と生成AIを使ったそのデータ解析を題材とする中高生向け授業の構想」
我々はスマート望遠鏡を使った太陽の日周運動観測(1 日の長さ測定)の中高生向けの教材化と実践を行っている。この測定データ解析を生成 AI で行い、生成 AI の長所と短所を生徒が理解することを目指した授業(科学教室)を現在構想している。この構想について、本支部会にて共有・議論したい。
・山内銘宮子(関東支部) 「ChatGPTのAIをサポートにデジタル星座早見盤を制作した実例紹介」
AI の進化は著しく、専門言語の知識がなくても手軽にデジタルコンテンツを制作できるようになりました。私が 2011 年から活動している北海道のアイヌ民族の星座を伝える活動の中での AI 利用の実例を紹介します。