日本天文教育普及研究会 近畿支部会 (2023年12月)
テーマ:萌芽的天文教育普及研究のショーケース
2023年は天文教育普及活動においてこれまで以上に新たな動きが垣間見れた一年であった。
同時多発的な若手・学生によるあらたな普及活動が報告され、電視観望の急速な拡大と新たな手法提案、情報交換は本会のMLをにぎわせている。
また、学校教育に関しても次期学習指導要領検討WGがたちあがるなど、本格的な動きをみせつつある。
今回の近畿支部会ではこのような活動の活発化が継続することを願い、本格的ではなくても挑戦中、あるいはその構想を練っている段階のかたにこそ発表していただき、来年以降の活動にむけたマイルストーンをあつめる場にしたい。もちろん通常の教育普及に関する発表も歓迎する。
日時:2023/12/17(日)午後
場所:オンライン(Zoom)
スケジュール予定(調整の可能性あり)
(敬称および筆頭発表者以外省略)
13:00 開始、諸注意
13:15 西村一洋「星座早見の地平線と星座の歪み ー第4学年実践授業ー」
13:35 小髙大輔「子どもたちの見る太陽の色」
13:55 松野なな「京都大学天文アウトリーチ学生団体『あすちか』の立ち上げ 〜持続可能なアウトリーチ活動とは〜」
14:15 玉澤春史「STEAM教育教材としての低緯度オーロラ観測記録の利用」
14:35-14:50 議論・バッファ
14:50-15:00 休憩
15:00 澤田幸輝「アストロツーリズムとユニバーサルツーリズム:ドリームデイ・アット・ザ・ズー2023における電視観望の実践」
15:20 嶋田理博「双眼装置を用いた『ハイブリッド』天体観望会」
15:40 南谷果音「公開天文台の立地と施設利用者数の関係〜到達圏分析を踏まえて〜」
16:00 中道晶香「国際天文学・天体物理学オリンピック(IOAA)2023ポーランド大会の報告と2024年へ向けて」
16:20 北尾浩一「野尻抱影の沖縄の星名伝承の記述について ~『日本の星』『日本星名辞典』を事例として~」
16:40-17:30(最大)議論・バッファ
17:30 閉会
タイトルおよび概要:
・西村一洋(枚方市立香陽小学校)
「星座早見の地平線と星座の歪み ー第4学年実践授業ー」
発展学習として、星座早見の授業をした。星座早見の窓と星座の歪みの理解度検討を行った。
・小髙大輔(大阪市立新北島小学校)
「子どもたちの見る太陽の色」
子どもたちの描く太陽の色について、これまで報告し、太陽の色が子どもたちの周りでどのように扱われているのかを報告してきてた。婚報告では、授業の中で子どもたちが見る太陽の色について報告する。
・松野なな(京都大学)「京都大学天文アウトリーチ学生団体『あすちか』の立ち上げ 〜持続可能なアウトリーチ活動とは〜」
2023年4月、京都大学にて天文アウトリーチ学生団体「あすちか」を立ち上げた。あすちかの立ち上げから、12月に香川県の小学校で行った天文教室まで準備と当日を振り返りながら、持続可能なアウトリーチ活動について考える。
・玉澤春史(東京大学/京都市立芸術大学)「STEAM教育教材としての低緯度オーロラ観測記録の利用」
2023年11月12月と北海道で低緯度オーロラの観測・撮影が報告されている。これらの目撃情報をまとめつつ、過去の出前授業事例とあわせ、教材パッケージ化の議論を行う。
・澤田幸輝*・佐藤祐介**・中濱菜月***・山﨑萌木***・出口晴絵****・嶋中有樹****・尾久土正己***
(*和歌山大学大学院観光学研究科 **和歌山大学教育機構教養教育部門 ***和歌山大学観光学部 ****株式会社アワーズ )
「アストロツーリズムとユニバーサルツーリズム:ドリームデイ・アット・ザ・ズー2023における電視観望の実践」
アドベンチャーワールドでは、障がいのある子どもたちやその家族を対象に施設を1日開放する「ドリームデイ・アット・ザ・ズー」を実践している。本報では、著者らが当該イベントで実施した、電視望遠鏡を用いた観望会の実践について報告する。
・嶋田理博(奈良学園大学)
「双眼装置を用いた『ハイブリッド』天体観望会」
天体観望には、昔ながらの眼視観望と、近年普及してきた電視観望があり、それぞれにメリットがある。 1台の望遠鏡で双方の長所を活かせる「ハイブリッド」天体観望会の実践を報告する。
・南谷果音*・澤田幸輝**・米澤樹***・尾久土正己****
(*和歌山大学観光学部・**和歌山大学大学院 観光学研究科・***みさと天文台 ・****和歌山大学観光学部)
「公開天文台の立地と施設利用者数の関係〜到達圏分析を踏まえて〜」
公開天文台の立地と夜間観望会参加者数の関係について、RESASによる到達圏分析を用いて分析した。
・中道晶香(京都産業大学 / アストロ・アカデミア)
「国際天文学・天体物理学オリンピック(IOAA)2023ポーランド大会の報告と2024年へ向けて」
本年8月にポーランドにて開催されたIOAA2023には52か国が参加し、多国籍チームで取り組む団体戦もあり、活発な国際交流が行われました。現地での様子と出題内容を報告し、次年度へ向けた活動を紹介します。
・北尾浩一(星の伝承研究室)
「野尻抱影の沖縄の星名伝承の記述について ~『日本の星』『日本星名辞典』を事例として~」
野尻抱影氏著『日本の星』『日本星名辞典』は、長年にわたって天文教育、特にプラネタリウムにおいて参考にされた。しかしながら、一部において内容として疑問に思う点、補足が必要な点、活用にあたっては注意すべき点がある。そのなかで沖縄の項について報告する。