認知症とは、さまざまな原因により脳の神経ネットワークが正常に動かなくなり、日常生活で必要な記憶力、判断力、理解力、言語能力等に影響が出て、生活に支障をきたした状態を言います。通常、進行性の疾患であり、時間の経過とともに症状が悪化する傾向があります。
アルツハイマー病は、認知症の原因のひとつで、最も多くを占めます。初期から記憶障害が目立ちます。
一般的に遺伝の可能性は低いと言われています。
現在、認知症を根治する事は出来ないと言われていますが、原因疾患に合わせた適切な治療を始めることにより、進行を遅らせることが出来る場合があります。したがって、早期に発見して治療を始めることが極めて重要です。
認知症の症状は、「中核症状」と「行動・心理症状」の2つに分けられます。中核症状とは、脳の細胞が変化してしまうことによって起こる症状のことを言います。覚えられない・すぐ忘れてしまうといった「記憶障害」、日にち、場所、目の前の人が誰なのか把握出来なくなる「見当識障害」、考えるスピードが遅くなったり、複雑なこと、予期しないことへの対応が苦手になる「理解・判断力の障害」、計画を立てて段取りよく物事を進めていくのが難しくなる「実行機能障害」などがあります。「行動・心理症状」は、本人の性格、人間関係、生活環境、心の状態などが影響して出てくる症状を言います。不安、被害妄想、暴力など多岐にわたり、その多くが本人からのSOSサインとも言われています。これらは、周囲の助けにより和らげることが可能です。
一般的なものは、脳の細胞が障害を受ける「変性疾患」と呼ばれる病気で、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症などがあります。また、脳卒中のために脳の細胞が傷ついて働きが悪くなってしまう脳血管性認知症もあります。また、認知症とよく似た症状を起こす体の病気・状態もあるので、気になることがあったら、医師に相談するようにしましょう。
中核症状により、自信を失くしたり、不安になったりすることで生まれ持った性格や行動が変わってしまいます。行動・心理症状は、本人にとってはそうせずにはいられなかったり、そうした方が良いと思った結果現れるものです。その行動には必ず原因があります。それを周囲の見方で「問題行動」「異常行動」と見なすのは好ましくありません。どうしてそうするのか、その理由を考えながら接し方を工夫すれば、症状を和らげたり、現れないようにすることができます。
定期的な運動、特に有酸素運動、友人や家族との積極的で楽しい交流や、社会的な活動への参加、健康的な食事をすること、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を上手に管理すること、禁煙、適度なアルコール摂取量を保つ事などが認知症の予防方法として挙げられています。
認知症の人をサポートするには、認知症に対する理解と、認知症への偏見をなくすことが大事です。認知症の人とのコミュニケーションは、受け入れ、忍耐、理解を持って行うことが重要です。簡潔で明確な言葉を使い、ゆっくりと話すことが役立ちます。コミュニティの方の理解とサポートがあれば、認知症の方も、社会の一員として質の高い生活を送ることが可能です。
参考資料:「認知症サポーター養成講座標準教材」認知症を学びみんなで考える
全国キャラバンメイト連絡協議会 東京:2023-10