どんな効果があるの?

                     ~研究紹介~

介護度が5から3に改善した認知症の女性

夜間に室内を歩き回り、介護が大変だった認知症の方に使用したところ、ご本人自ら布団に入ってよく寝るようになり、日中は起きて楽しく過ごせるようになりました。介護士さんの夜間の介護負担も減少し、使用から2年経過した現在もお使いになっています。


・Nakamura M., Yamauchi N., A case of effective usage of a weighted blanket for a person with severe dementia , Psychogeriatrics,doi:10.1111/psyg.12656, 2021,

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/psyg.12656?af=R

よく眠れるようになった自閉症児

夜中によく起きてしまい、常に目の下にクマがあったお子さん。6㎏の重たいブランケットを使うと、夜中に起きる回数が徐々に減っていくことで効果を実感。子どもだけでなくご両親も常に寝不足で、疲れがたまっていたことに気づかされました。

・中村美緒、木村まり子、山内閑子、夜間中途覚醒症状を呈する自閉スペクトラム症児のWeighted Blanketの使用効果、第54回日本作業療法学会誌、2020

介護者による工夫と重たいブランケット活用による効果

~特別養護老人ホームにおける認知症者の使用事例~

特養で働く作業療法士は、重たいブランケットの使用と介護者の工夫による相乗効果を引き出し、入居者の生活の質向上に導きました。様々な用具を活用して介護者の介護意欲を引き出すことは、特養における作業療法士の大きな役割のひとつです。


・渡邉聡、山内閑子、中村美緒、介護老人福祉施設での夜間の困り感に対する介護者支援の取り組みー作業療法士による人とモノを介した環境調整マネジメント、第54回日本作業療法学会誌、2020

精神疾患の方を対象とした長期使用における効果の検証

~スウェーデンの研究報告紹介~

重度のうつや双極性障害、全般性不安障害、注意欠如・多動症の診断を受けていて不眠症状がある18歳から77歳までの男女120人にチェーン素材の重たいブランケットを使用したところ、78%の人の睡眠障害が改善していました。

・Ekholm B, Spulber S, Adler M. A randomized controlled study of weighted chain blankets for insomnia in psychiatric disorders. J Clin Sleep Med. 2020 Sep 15;16(9):1567-1577. doi: 10.5664/jcsm.8636.


特別な配慮が必要な保育園児に対する

重たいブランケットの活用

日常生活や保育での集団ん活動に支障をきたす子どもが増えています。このような子たちの 保育場面に、重たいブランケットを使ってみたところ、集中できる時間が増えて行動に落ち着きが見られるようになりました。また、お昼寝の時間にもいつもより早く寝入り、よく寝れるようになりました。

・木村まり子、山内閑子、中村美緒、特別な配慮を要する保育園児に対するWeighted Blanketの効果、第54回日本作業療法学会誌、2020

定期的に情報を更新しますので、お楽しみに。