第1回
飯舘村「ごちゃまぜIPE」ワークショップ
(2017.11.25-26)
(2017.11.25-26)
様々な学部の学生たちが集い、意見交換をすることで学びあう「多職種連携教育(IPE)」の取り組みとして、福島第一原子力発電所の事故により、全村民の避難を余儀なくされた飯舘村に医療や福祉を中心とする様々な分野の学生が集って共に学び、考える「飯舘村 ごちゃまぜIPEワークショップ第1回」が2017年11月25・26日に開催されました。TCMからは、白倉和泉(薬学3年)、渡辺一葉(薬学3年)、小野塚航太(医学2年)、鈴木法彦(医学2年)、塚本聖花(医学1年)、松川洸子(医学1年)が参加させていただきました。一日目は伊達東仮設住宅での自治会長のお話やいいたてホームの職員の方々のお話を伺い、その後グループに分かれて議論し、どのテーマで飯舘村の復興を考えるかを決めました。男性は女性に比べて集会などに参加しにくいため孤独死や周りとの孤立が問題になることや仮設住宅では皆が住んでいる条件がおおよそ同じなため平等を意識しないと不満につながること、壁が薄いことによるテレビの音漏れなど様々な問題に直面していたことがわかりました。二日目は村民の方と実際に話すことで更なる学びがありました。ある専門家の方は放射能の人体への影響はあまりないとし、ある方は影響が大きいとしていてどちらを信じればよいのか不安に思っていたそうです。私は1年生で学習する放射線基礎医学で放射線と医療の関連に興味を持ち、その後の放射線衛生の授業で原子力発電所と甲状腺に関する論文をよみ更なる興味が湧いたので他の放射能と人体影響に関する論文も読んでいましたが、それが役に立ち様々な情報を提供できるとともに統計データの罠についても説明出来て私と話した村民の方々が納得してくださったのが印象深かったです。専門家の方が当たり前に思っていて説明しないことがどれほど村民を不安にさせるのかがよく分かりました。また、ビニール栽培したものでないと食べられない方や山菜も食べてしまう方も同じ飯舘村に住んでいて放射能の捉え方は人それぞれで100%安心して過ごしているわけではないと実感しました。最後に各グループで発表があり、選考を経て渡辺一葉さんがいるグループである「学生キューピット企画(仮)」という学生が村民と話すことで村民の方々の不安を少しでも解決することや要望を聞く企画が優秀賞として発表されました。
今回の企画に参加した学生は医療系が多かったため、議論が医療や福祉に即した内容だったように感じました。この企画をもっと多くの人に知ってもらい、幅広い学部の学生が参加することによって、新たな視点が生まれ議論が深まるように思います。この記事を読んで、飯館村の復興に興味を持ち、次回はぜひ参加してみたいと思って下さる方がいらっしゃったら嬉しく思います。
【関連資料】飯舘村公式YouTubeチャンネルより