福島「ごちゃまぜIPE」
シンポジウム
(2018.02.03)
(2018.02.03)
2018年2月3日 『福島市子どもの夢を育む施設こむこむ』において、福島「ごちゃまぜIPE」シンポジウム が開催されました。このシンポジウムは、これまで2回にわたって飯舘村で行われてきたイベントの成果報告および今後の展望を得るために企画されました。
まず、飯舘村の菅野典雄 村長からご挨拶をいただきました。避難指示解除から間もなく2年目を迎えるにあたり、現時点での飯舘村のようすや復興の状況を振り返ったうえで、今後のさらなる発展を目指すと語られました。その言葉と表情からは、住民や私たち学生に懸ける熱い思いと、村への愛を伺い知ることができました。
次に、宮崎大学医学部 地域医療・総合診療医学講座 教授である吉村学 氏による講演がありました。ご自身の長年にわたる地域医療教育の経験をもとに、多職種連携教育の必要性に関して、和やかな雰囲気で楽しくお話しいただきました。特に、地域医療を担う医師の育成に関して、「ある地域に100人の研修生を受け入れた場合、実際にその地域で働く医師になるのは1人」というお話を聴き、地域医療を担う人材の養成がどれほど忍耐を要するものであるのかということ、そして私たちに寄せられている期待の大きさを実感させられました。
本学医学部の地域医療学講座 准教授 住友和弘 氏からは、事例・取組報告として、北海道南宗谷地域での地域医療の経験談や、本年度1年間における「飯舘村ごちゃまぜIPE」の取り組みについてお話しいただきました。
最後はパネルディスカッションとして、福島県立医科大学医学部 地域・家庭医療学講座 講師である菅家智史 氏、吉村氏、菅野氏に加え、行政、マスメディアの専門家を交えた まさに“多職種連携”の組合せで、飯舘村の復興に向けた取り組みの方向性や飯舘村の可能性について議論を重ねていただきました。
今回は福島市内での開催ということで、多くの市民の方々に参加していただくことができました。わずか3時間でありながら、非常に学びの多い機会になりました。
私たちは来年以降も飯舘村の復興・再生を学生のやる気とパワーで手助けすべく、様々な活動に取り組んでいく予定です。少しでも興味がある方には、ぜひともご協力いただきたいと強く思っております。また、飯舘村での取り組みを知るとともに、多くの人に発信していただくことが飯舘村の発展に直結します。よろしくお願いいたします。
~関連記事~
福島民報 2018年2月4日 県内ニュース
「地域包括ケア策探る 福島で多職種連携教育シンポ」
http://www.minpo.jp/news/detail/2018020448933
~IPEとは?~
IPEとは“Interprofesional Education;多職種連携教育”の略語です。将来的には異なる職業を目指す学生が、学部や専攻の垣根を越えて共に学ぶことを示しています。これを行うことで、自らが目指す専門職に求められ、果たすべき役割や責任を知るとともに、他の職種の役割や専門性について理解を深めることにつながります。将来的に、同じ職場や地域で協力して働く各専門職が一体となって、それぞれの特性を最大限に発揮できる環境を実現させることを目的としています。
医学科2年 鈴木 法彦
【関連資料】飯舘村公式YouTubeチャンネルより