具体的な方法を多少大胆に構想してみますと次の通り5点あります。
第1に、業績一覧及び関連資料はそれ自体重要なものとして、一括りでまとめておくようにします(生前ご本人のまとめられた業績リストが既にあり、その中で大学紀要はウェブに無料公開されています。研究活動等については『自治権いばらき』でも振り返り中とのことです)。
第2に、当然ながら帯刀先生を慕ってこられた方々の故人を偲ぶ想いに寄り添う構成(募集する追悼寄稿文の内容として、帯刀先生との出会い、いつ頃、どのような場で、どのような関わりをされたか、記憶に残るエピソードや言葉、先生との出会いがもたらしたもの、写真等)を中心にします。かつ追悼寄稿文の前章として、帯刀先生の教え子の立場目線から別途、全体的な解説文を付します(学内外、研究教育、地域活動等)。
第3に、現在追加検討中の提案として、必ずしも多くの読者を望むわけではありませんが、無料(ないし有料の場合は収益の寄付)の電子書籍として広く公開することで、直接関係のない人が何らかの経路でご一読してくださった折には、自らの来し方を顧み未来を再展望するに何らかの力添えになれるような、そういった一貫した眼差しで文集を編みたい、ということです。
第4に、肩書き以外に、肩肘張らない自己紹介を書いてみる、というアイデアです。寄稿者の立場であろうと読者の立場であろうと、著者なり関係者の肩書きを見て「ちょっと遠慮しておきます…」、「関係のない世界の話だから…」などと最初から関心を削がれてしまったり、意図せず距離感を感じさせてしまうようなことが時にはあるのではないでしょうか。もし肩書きを自己批判的かつ創造的で共感できるような形で表現できたら、より多くの潜在的寄稿者や読者からの興味関心をつなぎ止めることができるのではないでしょうか。より正確にいうと興味関心をもってもらわなくても結構ですが、不意に気後れさせてしまうようなことは避けたいのです。ただ決してへりくだっているわけではない、という線引きというか、その辺りの境界は多分、人それぞれなので、肩書そのままだけの方が良いという場合に無理強いすべきではないでしょう。
第5に、DVDなり電子書籍等で公開するとして、できるだけハードルを上げず、目次とページ程度は正確に、故人の名誉を傷付けず、著作権法に抵触しない、といった最低限のルールを守る以外は、余りこだわらないで完成させ、その後、人の輪が広がっていくなら、それに応じ第2巻、第3巻…と継続し、その数年後の展開とか、また関連して座談会やインタビュー等も、無理のない(例えば親しい者同士の間欠的、小規模な)範囲で行えたら、より一層ワクワク感が末長く続くのではないでしょうか。
以上5点を一言で要約するなら、「内輪の話が中心で、余り関係のない人には読んでもらわなくて構わないけれども、もし何かの拍子に読んでくれるなら、少しは役に立つような内容にしておいた方が良いよね、そういう余地は残しておこうよ…」といった感じでしょうか。
最後に、このような機会がなければ、このような構想もできなかった訳で、その意味で、帯刀先生が「君たちしっかりやってくれよ、きっとできるはずだ……」と見守ってくれているような、応援してくれているような気もいたします。長文になりましたが、宜しくご理解のほどお願い申し上げ、ご意見やご質問等ございましたら、ご忌憚なくお知らせください。
有志の会一同