令和6年度
出前出張講座レポート② 5.6年生
出前出張講座レポート② 5.6年生
地球環境戦略研究機関/IGES
2月28日と3月4日に地球環境戦略研究機関(IGES)の出張講座で気候変動について学びました。
講師は渡部厚志さんや福田美紀さんら9名です。
子どもたちは非常に積極的に議論し、温暖化や環境問題への意識も高かったです。
特に、五・六年生ともに「自分たちにできることを考える姿勢」が印象的でした。
また、講師たちからは「小学生でここまで活発な意見交換ができるのは珍しい」との評価をいただきました。
IGESとは!?
まずは、IGES(地球環境戦略研究機関)の紹介から。
「地球環境なんちゃらと長い名前だけど、何か悪そうなことを考えていそうな名前に見えませんか?」と笑いを誘うやり取りから始まりました。
地球温暖化や環境問題の解決に向けて、横浜市や神奈川県、日本、さらには海外の人々と協力しながら活動する研究機関です。
食品ロスや気候変動についても取り組んでいます。
講師のご紹介
中国・モンゴル・欧州など世界各国から集まった実に多彩な研究者が参加してくださいました。社会情勢に左右されず、地球規模の問題解決に臨む機関で働くメンバーとの触れ合いは子供たちに得難いエキサイティングな経験になったと思います。
🌞2月28日
・渡部厚志(わたべ あつし)
持続可能な消費と生産領域 プログラムディレクター
・福田美紀(ふくだ みき)サ
ステナビリティ統合センター 研究員
・京極智子(きょうごく ともこ)
戦略マネージメントオフィス D&Iマネージャー
・山辺アリス
持続可能な消費と生産領域 研究員
・金 振(きん しん)
気候変動とエネルギー領域 リサーチマネージャー
🌞3月4日
・アノダリ・バトサイハン(Anudari Batsaikhan)
サステナビリティ統合センター 研究員
・山辺アリス
・福田美紀(ふくだ みき)
・京極智子(きょうごく ともこ)
テーマは4つ
1、横浜の気候の変化
2、地球温暖化とは何か
3、暮らしの中で温室効果ガスを減らす方法
4、グループワークと発表
講座スタート!
まず、横浜の気候について考えました。
質問「夏にプールに入れなかったことはありますか?」
✅子どもたち「雨の日が多かった」
✅子どもたち「水温が高すぎた」
梅や桜の開花時期、カエデの紅葉時期を調べると、桜の開花は70年前より約1週間早まり、カエデの紅葉は遅くなっていることがわかりました。
✅子どもたち「冬に紅葉しているのでは?」
そして、猛暑日(35℃以上)と熱帯夜(25℃以上)の増加についてもデータを確認しました。
1800年代「猛暑日はほとんどなかった」
昨年「猛暑日が年間60日もあった」
大雨(1日50mm以上の降水)の頻度も増えていることがわかりました。
地球温暖化って何だろう?
「地球温暖化って何?」という問いかけに対し、子どもたちの意見は以下の通りでした。
✅だんだん暑くなっている
✅地球の気温がこもってしまう
実際には、150年前と比べて地球の平均気温は1.1~1.2℃上昇しています。その影響で起きていることについて、たくさんの意見が出ました。
✅南極・北極の氷が溶ける
✅気候変動が起きる(異常乾燥・雨が降らない)
✅海面上昇が進む(横浜の海面も上昇)
✅雨が多すぎても少なすぎても困る
✅身近な影響(食べ物)
「バレンタインにチョコを作りましたか?」
→気候変動が進むとカカオの生産が減り、チョコが手に入りにくくなる可能性がある。
「お寿司は好きですか?」
→海水温の上昇で、鮭などの魚が獲れなくなる可能性がある。
→ 東北地方ではホタテが減り、代わりに伊勢エビが増えている。
「イチゴはいつの食べ物でしょうか?」
→日本の文化では冬クリスマスに合わせて売られていると思いますが、実際は夏6月に旬を迎えるものです。
→冬にイチゴを食べるためには、温室、ビニールハウスの中で、エアコン(暖房)を使って育てていると言うことです。
温室効果ガスとは?
地球の大気は、熱を閉じ込めるジャケットのようなものです。地球の平均気温は1.1度から1.2度上がっています。
今の地球の状態を、子供たちが着ているダウンジャケットを例にわかりやすく説明。
ダウンジャケット1枚で太陽の日が当たると気持ちが良いし、適度に熱も逃がすことができるけど、友達のジャケットも借りて2枚3枚と重ね着をすると暑いですよね。ジャケットが増えると熱がこもる....
→ 地球温暖化が進む
→温室効果ガスの代表は二酸化炭素(CO₂)
CO₂はどこから出るんだろう?
・ゴミ処理施設
・火力発電所
・工場
・電気を使うとき
・飛行機や自動車の排気ガス...などなど
温室効果ガスを減らすためにできることは?
IGESから子供たちの年齢に合わせた9つの方法を提案がありました。
①移動を減らす(車の使用を控える)
②公共交通機関を使う(電車・バス利用)
③環境に優しい自動車を使う
④エアコンの使用を工夫(家族で同じ部屋に集まる)
⑤再生可能エネルギーを活用(太陽光パネル)
⑥食事を見直す(野菜中心、牛肉を減らす)
⑦食品ロスを減らす(食べ残しをしない)
⑧旬の食材を選ぶ(例:本来イチゴは夏の果物)
⑨ものを大切に使う(家電や服を長く使う)
グループワークと発表
「やりたくないこと」「意見が分かれたこと」について話し合いました。
🌟6年生の意見
電気自動車はお金がかかるので、家族と相談が必要
肉が好きな人には食事の見直しが難しい
リサイクルの服は「清潔感がない」という意見も
服は気に入れば長く使うが、新しいものも欲しい
環境問題として、マイクロプラスチックや森林破壊も気になる
太陽光発電は家庭でできるが、風力発電は政府や大企業の役割では?
🌟5年生の意見
野菜を食べることは、光合成によるCO₂の吸収にもつながる
物を大切に使うことが大事
既存の自動車に何かを付け足して温室効果ガスを減らせたらいい
給食を残さないことも食品ロス削減につながる
近場で遊ぶのはつまらないかもしれない
服を買い換えずに長く使うべきでは?
→ 全体的に「できることを考える」姿勢が見られました。
🌞講師からの追加説明
食品ロスを減らすことは、今すぐにできることのひとつ。
交通手段の違い(都市部と地方の差)も考えることが大切。
講師の方の実家も過疎地であり、このような場所地域は今後も日本の中で増えていくかもしれない。
「つくもがみ(長く大切に使うと宿る神)」という考え方もある。
地球の気温が1.2℃上がると、人の体温でいうと微熱状態。どう感じる? みんなも1℃体温が上がると頭が痛くなったり、気分が悪くなったりとても辛いよね。地球も同じなんですよと説明。
服を買い控えると、洋服を作っている会社は倒産してしまうかもしれません。経済への影響もあるので、みんなで相談しながら考えることが大切。
最後に....
子どもたちは非常に積極的に議論し、温暖化や環境問題への意識も高かったです。
特に、五・六年生ともに「自分たちにできることを考える姿勢」が印象的でした。
また、講師たちからは「小学生でここまで活発な意見交換ができるのは珍しい」との評価をいただきました。
講座の後は、それぞれの教室で一緒に給食を食べていただくことができました。
いつもと同じ教室で、同じ目線で食事を共にすることで、子どもたちと講師の方々との距離が自然と縮まり、さらに深い学びができたと思います。
普段とは違う授業で、子どもたちにも大きな刺激があったのではと思います。
これからの学校での生活や学びはもちろん、子どもたちの人生において何か残るものがあれば嬉しいなと思います。
ご協力いただいた講師の皆様、立野小学校の先生方に感謝の一日になりました。