令和6年度
出前出張講座レポート① 5.6年生
出前出張講座レポート① 5.6年生
国連難民高等弁務官事務所/UNHCR
2月25日に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)から難民問題について学びました。
講師は天沼耕平さん(国連難民高等弁務官事務所協会・ファンドレイザー)、アシスタント有田真彩さん(学生団体SOAR 副代表、大学2年生)です。
子どもたちは積極的に議論し、困難な状況にある人々への理解や思いやりの意識がとても高かったです。
講師からは、普段は「食べ物の不足」等、物質的な意見が出てくることが多いのですが、「感情・努力する力」など小学生でここまでの概念的な意見交換ができるのは珍しい。思考の幅が広くて非常に素晴らしい時間になりました!との評価をいただきました。
お話の進め方
講師の天沼さんと子どもたちとの、双方向のディスカッション形式。
写真やクイズなど、子ども達の意見を引き出す工夫がたくさんありました。
たくさんの子ども達が積極的に手を挙げ、堂々と意見を伝える姿が素晴らしかったです。
今回のテーマ
1、「あるもの・ないもの」クイズ
2、難民の背景を知る
3、世界の今を知る
4、支援って何?どんな取り組み?
5、これからについて考える
講座スタート!
まずは「あるもの・ないもの」クイズ
難民にないもの・あるものを全員で考えました。
5・6年生共にたくさんの意見が出ました。
✅ないもの
家、学校、自由、水、電気、食料、車、電子機器、感情(さみしそう)、自由、学校、清潔な環境、布団、電子機器、舗装道路、あたりまえなこと、幸せ など
✅あるもの
希望、努力する力、友情、笑顔、住む場所、家族の愛など
難民ってどうして生まれるの?
難民が生まれる要因について尋ねると「戦争、国内の争い、天災」などの意見が出ました。天沼さんはそれを切り口に、複雑に要因が重なっている現状を伝えてくれました。
✅難民の定義
戦争や迫害により、自国から逃れざるを得なかった人々」
✅世界の難民数
1億2,000万人(※自然災害による避難者は含まれない)
✅難民発生の原因
戦争、迫害、気候変動、経済的困窮など
✅迫害の例
民族・宗教・LGBTQ+などへの差別や暴力など
今、世界はどうなっているの?
世界の深刻な状況をグラフなどの資料を元に学びました。
迫害が生まれてしまう理由を、分かりやすい悪者を挙げるのではなく、そうせざるを得ない状況があることを併せて説明してくださったことで、子どもたちの学びの幅が広がったと思います。
(例えば、アフガニスタンは非常に痩せた土地で、冬には極端に乾燥、干ばつがひどく、洪水も頻繁に起こるなど環境問題・食糧問題が深刻化しているなど)
✅ウクライナ
国内避難民370万人、国外避難民700万人
✅ミャンマー
ロヒンギャ難民の迫害、軍事政権下での人権侵害
✅アフガニスタン
女性の人権制限、食糧危機
✅中央アフリカ
紛争鉱物(レアメタル、ダイヤモンド)と強制労働
✅シリア・レバノン
2013年以降の紛争による1,000万人以上の避難民
支援を知る
実際の写真を見せてもらいながら、UNHCRが支援している内容を学びました。ピーナッツペースト、命を測るメジャーの実物を全員が手に取って触ることもできました。
✅食糧支援
栄養補助食品(ピーナッツペースト)1個50円(500kcal)
✅住居支援
テントや空き家の提供(難民の8割は建物内に居住)
✅教育支援
南スーダンでは、1クラス70人、教科書1冊を7人で共有
✅職業訓練
経済的自立のための支援(現金給付の是非について議論あり)
様々な取り組みを知る
難民選手団とスポーツの力について考えました。
オリンピック・パラリンピックでの難民選手団の活躍など。パリオリンピックの開催があったばかりで、難民も同じ夢や希望を持って生きていることがより身近に伝わったと思います。
これからの支援について考える
緒方貞子氏の貢献により、人権と命を守る「保護」の重要性が高まったそうです。
「難民のために」から「難民とともに」活動する方針へと転換しているそうです。
天沼さんからのメッセージ
私たちにできることは「知る・広める・参加する・寄り添う」ことです。自分のためだけではなく、半分は他人のために行動することで人生は豊かになります。今回みなさんと一緒に考えることができたことは非常に素晴らしい時間になりました。
最後に....
今回の講義を通じて、子ども達は難民問題の現状を学び、自分たちに何ができるかを考える機会を得ました。
2時間の講義中、集中を絶やす子は一人もおらず、他者の意見を尊重し合う様子が素晴らしく、5.6年生200人が一緒に学ぶことで幅広い気付きがあったと思います。
普段の立野小学校での学びがあってこそだと思います。
今後もこのような学びの場を提供し、社会問題への理解を深めていくことができればと考えています。
講座の後は、それぞれの教室で一緒に給食を食べていただくことができました。
いつもと同じ教室で、同じ目線で食事を共にすることで、子どもたちと講師の方々との距離が自然と縮まりました。
ご協力いただいた講師の皆様、立野小学校の先生方に感謝の一日になりました。