研究概要
北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 特任助教の細木です。
私の研究の課題は、多様な生命がいかに生じ、維持され、消失するのか、を追究することにあります。これは生命の成り立ちを知る基礎的な原理追究だけではなく、人間社会の根幹を支える生態系がどのように維持されるのかを知る上で極めて重要な課題といえます。以下の二点について課題を進行しています。
1. 種分化機構の解明
多様な生命は種分化によって生じていることから、その機構を解くことは重要な課題といえます。我々は津波後に交雑したトゲウオ二種に着目し、長期観測と実験進化によって解明を試みています。
朝日新聞様に研究内容(Hosoki et al 2019)を紹介して頂きました(>リアルタイムで生物の進化観察 津波被災地は貴重な現場)。
2. 形態多様性の記載・種の記載
多様性の創出機構を知る第一の段階は、自然環境における生命現象の記載から始まります。我々は野外観測から、種内・種間の多様性を記載し、その基盤を整備しています。
ヤマカガシの種内多型(Hosoki et al 2025)を紹介して頂きました(>朝日新聞社様, 東洋経済オンライン様)。
ヨコエビ新種記載についての共同研究 (Kodama et al 2023) を紹介して頂きました(>朝日新聞社様 鹿児島湾海底で新種のヨコエビ 「未発見の小型生物もまだたくさん」)。
兼任教育業務
国立医療センター付属校/神奈川工科大学で教員を兼任しています (> Lecture)。
研究対象(例として岩手県大槌町)
津波後に出現した湿地原
津波により、大槌の町方地区の家屋が流され、湧水の自噴と汽水の流入によって湿地化してしまいました。津波後、新たなトゲウオ生息地が多数出現しました。
新規生息地のトゲウオ
新たな生息地では、淡水イトヨとニホンイトヨ(海型種)の雑種が見られ、採餌形態が生息地間で分化しています。
津波跡地での野外実験
雑種を異なる選択圧下で飼育したり、回遊行動を誘発する野外実験を行うことで、津波後にみられる形態やゲノムの進化の駆動要因を追求しています。
研究体制
陸海圏を中心とした長期観測・実験観測を主軸に置いています。
重機オペレーション(苫小牧研究林)
実験用水の採水(苫小牧港, 許可済み)
海洋域における観測装置設置(協力: AORI, 海上保安庁)
実験機材設置のための業務潜水(協力:大槌町, 岩手県)
中型自動車運転免許(29人以下のバス/総重量11 t/積載量6.5 t未満のトラックなど)
大型特殊免許(ホイールローダー、トラクター、除雪車など)
車両系建設機械 技能講習修了者(バックホー、ブルドーザーなどで機体重量に上限なし)
労働安全衛生法に基づく潜水士免許
NAUI オープン・ウォーター・ダイバー
実体顕微鏡ほか一般解剖器具
高速遠心機, サーマルサイクラー等遺伝学実験器具
トラップ/エレクトロフィッシャー等の採捕器具
実験室利用中の福山研究員ほか
ビールサーバー(1タップ)と国内58ブリュワリー&海外3ブリュワリーとの樽取引(2025/4現在)
北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 特任助教
takuya.hosoki[at]gmail.com / hosoki[at]fsc.hokudai.ac.jp
〒 053-0035
北海道苫小牧市高丘
北海道大学 苫小牧研究林
0144-33-2171
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研究対象(例として岩手県大槌町)
実体顕微鏡ほか一般解剖器具
高速遠心機, サーマルサイクラー等遺伝学実験器具
トラップ/エレクトロフィッシャー等の採捕器具
実験室利用中の福山研究員ほか