建築は現代を。芸術は未来を。SF建築は超越した先を。


「建築が本来持つ『未来を構想する力』を解き放つために制作を行っている」

大学院まで建築を学び、現実ではまだ実現し得ない未来技術を前提とした建築の可能性を研究してきた。しかし、法律や制度、技術的制約の中では、私が思い描く根源的な建築の問いについて向き合うことが難しいと感じた。

卒業後、その限界を越える手段として、私はアートの領域で「SF建築」と名付けた独自の実践を開始した。


制作は、反重力やオーバーテクノロジーといった架空の技術を描くことによって、未来における空間のあり方と、人類の存在の可能性を提示するためにドローイングを用いながら、SF建築は単なる空想ではなく、実際の科学研究や現代技術の延長線上にある「未来の予感」を取り入れ。私はアートという形式を借りることで、建築が担いきれない領域、技術と身体、環境、倫理、想像力が交差する場所を視覚化している。


私が制作を続ける動機は、人間がまだ経験していない未来をどのように構想し、その構想が現在の世界理解にどんな問いを投げ返すのかを探究することにある。建築は本来、未来をつくるための思考装置である。しかし現代の建築は多くの場合、実現可能性や経済性が優先され、想像力や問いの射程が制限されている。私の「SF建築」という実践は、建築を再び未来を思考する芸術へと開く試みでもある。


現代科学とフィクション、建築思考とアート表現を横断することで、人類が次の時代にどのような空間と関係性を築きうるのかという視点を提示したい。技術が急速に進化し、現実とフィクションの境界が曖昧になる現在において、想像力は単なる空想ではなく未来を設計するための重要な資源となりつつある。

私がアーティストとして制作を続ける理由は、その「未来を設計する想像力」を社会に開き、人類の可能性の形を再考するためである。