研究内容

研究テーマ

1. 機械受容チャネルのゲーティング機構の解明

運動やスポーツなどによるメカニカルストレスが生体内の細胞や組織負荷され、骨格筋の肥大や骨密度の増加など様々な変化が生じることはよく知られています。生体にとって適度なメカニカルストレス、例えば、運動やスポーツの前後に行うストレッチや伸張反射を利用したトレーニングなどには、機械受容チャネルと呼ばれるイオンチャネルが関与し、健康の維持増進や身体パフォーマンス、リハビリテーションにおけるトレーニング効果の向上など、重要な役割を担っていると考えられています。当研究室では、生体内外からのメカニカルストレスにより、どのように機械受容チャネルが活性化されるのか?機械受容チャネルの中で最も研究が進んでいる細菌(バクテリア)の機械受容チャネルを用いて、そのゲーティング(開閉)メカニズムの解明に取り組んでいます。

細菌からヒトに至るまで、「機械受容チャネル」はあらゆる細胞に発現し、心臓血管系、筋紡錘、骨などの力学的刺激の感知、また平衡感覚(バランス)、聴覚、触覚などに関与し、ヒトの健康維持に重要な役割を果たしています。

機械受容チャネルの中で、最も研究が進んでいる細菌の機械受容チャネル(MscS, MscL)を対象に、その開閉機構をパッチクランプ法を用いて研究を行っています。

2. 体力測定機器の開発およびトレーニング効果に関する研究

これまで様々な体力測定機器が開発され、医療やスポーツの現場で用いられてきました。ケガや手術後のリハビリテーションやトップアスリートからジュニアアスリート、さらに健康増進を目的としたトレーニングに至るまで、その効果を検証し、より効率的かつ最適なトレーニングプログラムを作成するためには、トレーニング実施前後の測定や評価が欠かせません。当研究室では、手関節を回内、回外、撓屈、尺屈、掌屈および背屈させた場合の発揮筋力や関節可動域の測定が可能な前腕筋力測定器を開発しました。一人で手軽に再現性よく計測可能であり、手関節の手術後や手首の骨折後のリハビリテーションによる回復度合い、また手首の強化トレーニング前後の効果を評価でき、日常生活動作(ADL)の改善や運動パフォーマンスの向上に繋がる可能性が期待されます。

手首の骨折やケガの後のリハビリテーションやアスリートのトレーニング実施前後の効果を前腕筋力測定器を用いて検証します。手首の回内・回外、撓屈・尺屈、掌屈・背屈の6方向の筋力や関節可動域を計測できます。

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