研 究

人間の認知的な特性に着目して,人間と人工物(ロボット,インタフェースなど)とのインタラクションを実験的に分析しています.

キーワード:「音で人を操る」「モラルジレンマ課題から人を知る」「オノマトペで人を理解する」

研究分野:認知科学,HCI/HAI/HRI,モラルサイコロジー,感性情報処理

小松の研究内容についてのオススメリンク集

「なぜロボットは日常生活に普及しないのか─人間のロボットに対する“本音”」:専門家以外にもわかるようにできるだけ平易な文章で書いてます.

https://www.yhmf.jp/as/backnumber/vol82.html


「人はどんなロボットとなら仲良くできるのかな。」:明治大学の広報のビデオです.英語でしゃべってますが,字幕もついてるのでぜひ見てください.

https://www.meiji.ac.jp/cip/english/incredible-senseis/jp/


「Robots instead of pets, chatbots instead of friends, silicone lips for kisses from afar. Many digital gadgets are being designed to replace social contact. But can they really alleviate loneliness?」:ドイツの国営放送DWの科学番組に出演しました.9分過ぎくらいから登場します笑

https://www.dw.com/en/shift-living-in-the-digital-age/video-66080312 


「【OPEN HUB RADIO.18】ロボティクス有識者2人が語る!ロボット研究の中心は「人」」:パナソニックのロボット開発者の安藤さんと,NTTコミュニケーションズ・カタリストの福島さんとのトークです.素の小松の感じがよく出ている気がします.

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/open-hub-radio/id1683037345?i=1000622218339 

モラルジレンマ課題を用いて人間の本音を探る

トロッコ問題に代表されるモラルジレンマ課題.この課題を用いることで,人間がロボットなどの人工物をどのようにとらえているのかを把握することができます.人間は心の底ではロボットをどのように認識しているのでしょうか.人間と同等の「仲間」とみなしているのでしょうか?それとも単なる「道具」とみなしているのでしょうか?将来起こりうる「人間とロボットとが共存する世界の在り方」を考えるためには,このような人間の「本音」を深く理解することが重要となるでしょう.

関連研究1:ロボットとは何者なのかを考えるための日常的モラルジレンマ課題の提案 (田畑緩乃,小松孝徳),HAIシンポジウム2017(最優秀論文賞受賞)

関連研究2:Owners of Artificial Intelligence Systems are More Easily Blamed Compared with System Designers in Moral Dilemma Tasks, (Takanori Komatsu), HRI2017

関連研究3Blaming the Reluctant Robot: Parallel Blame Judgments for Robots in Moral Dilemmas across U.S. and Japan, (Takanori Komatsu, Bertram F. Malle, and Matthias Scheutz), HRI2021


ユーザの「待ち時間」を考える

どれだけインターネットが高速になっても,どれだけコンピュータの性能が上がっても,「コンピュータの応答・処理を待つ」ということからユーザは逃げることができません.そこで,待ち状態にあるユーザが,その待ち時間を少しでも短く感じれるような情報提示の方法を検討しています(ネットや端末自体の高速化は,誰かにお任せします).これまでの研究の結果,音情報,スロバー,プログレスバー,カウントダウン表示など既存のUI要素に「ひと手間」加えるだけで,体感時間を短くできることがわかってきました.

関連研究1:Exploring Auditory Information to Change Users’ Perception of Time Passing as Shorter,  (Takanori Komatsu and Seiji Yamada), CHI2020 

関連研究2: How Throbber Components Affect Users’ Perception of Waiting Time, (Hiroto Oshima, Takanori Komatsu and Seiji Yamada), MobileHCI2020 

オノマトペに込められたユーザの意図を理解する

「どんどん」「ガンガン」といった擬音語,擬態語,擬情語などの総称であるオノマトペ.非常に繊細な表現を可能とする一方,コトバではうまく伝えられないときに思わず表出されるといった特徴があります.このようなオノマトペに込められたユーザの印象を,オノマトペを構成する音響的特徴に基づいて数値化し,それを可視化する手法を提案しています.頭の中のイメージをうまく表現できないユーザにとってのお助けツールとしての役割が期待されています.

関連研究1:ユーザの直感的表現を支援するオノマトペ意図理解システム (小松孝徳,秋山広美),電子情報通信学会論文誌,2009

関連研究2:「さわる」もやもやドローイング(寺島宏紀,小松孝徳,松村嘉之),インタラクション2014

ロボットのデザインがインタラクションに及ぼす影響

カッコイイロボット,かわいいロボットなど,現在,様々なデザインを施されたロボットが世の中に登場しつつあります.そのようなデザインとそのロボットとの持つ機能との関係は,人間とのインタラクションに大きな影響を与えるでしょう.例えば,見た目はカッコイイのに全然使えないロボットに対して,ユーザはどのような印象を抱くでしょうか?ロボットのデザインと機能とのバランスについて,様々な実験的調査を行っています.

関連研究1:Adaptation gap hypothesis  (Takanori Komatsu and Seiji Yamada),Journal of Systemics, Cybernetics and Informatics, 2011

関連研究2:Designing robot faces suited to specific tasks that these robots are good at  (Masahiro Kamide and Takanori Komatsu),ROMAN2017


シンプルな音情報の効果的な利用方法

私たちの身の回りの電化製品からは「ピー」といったシンプルな音情報(報知音)が,ユーザに対してある状態を伝達する際に使われています(洗濯機の場合:洗濯が終わりました,フィルターを掃除してください,といった情報がこのような音によって表現されています).このようなシンプルな音情報の可能性を様々な方面から探求しています.これまでの研究成果により,複雑なメロディよりも効果的にシステムの内部状態を情報を伝達できる音,モノラル音ながらも左右を伝達できる音,待ち時間を短く感じさせる音情報などを提案しています.

関連研究1:Artificial Subtle Expressions (Takanori Komatsu et al), CHI2010,2017,2018

関連研究2:Monaural auditory display to  convey directional information  (Takanori Komatsu and Seiji Yamada), CogSci2016

共同研究,研究委託,コンサルテーションなどのお問合せ

こちらのメールアドレスまで,お気軽にお問合せ下さい (tkomat@meiji.ac.jp ).

予算の目安としては,以下の情報を参考にしていただければと思います.

大学院生,ポスドクの受け入れの質問についても大歓迎です!

研究担当者:明治大学総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 教授 小松孝徳

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過去の企業様との共同研究

など