多義結びとは

「多義結び」は, クラウドソーシングで大規模調査した類似性評価のデータベースです。

多義語の複数の用例が似ているかどうかを判断してもらう類似度評定実験の方法と結果も公開しています。

また,多義語の意味間の関係を明らかにしようとする取り組みをご紹介しています。

このプロジェクトでは,関連する複数の意味を持つ多義語について,心理実験的アプローチで実験・分析しています。

多義的に用いられる現代日本語形容詞の用例を『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)などから収集し,用例間の類似性判断を実験しました。

実験により,下のような,ある形容詞の多義的使用(<空間>か<時間>かなど)がどのくらい似ていると判定されるかがわかります。


a. 人がやっとすれ違える程度の、細くて暗く【長い】トンネル。<空間>(BCCWJサンプルID, 開始位置: PN2d_00004, 12570)

b. 【長い】打ち合わせだった。気がつくと2時間以上経過していた。<時間>(BCCWJサンプルID, 開始位置: PM25_00084,51940)


実験結果は,クラウドソーシングの生データ・集計データ・デンドログラムとして「実験の結果」で公開しています。

本研究のデータが,多義語分析の主要な目的である,多義の認定・プロトタイプ的意味の認定・派生関係の解明に役立てられることを目指しています。

詳しくは「プロジェクトの概要」をご覧ください。

複数の用例の多義語について,似ているかどうかをYahoo! クラウドソーシングによる大規模被験者実験で一般の方に評定してもらいました。

実験では,下のような実験画面で類似度を「0まったく違う」から「5まったく同じ」の6段階で選択します。

詳しくは「実験の方法」をご覧ください。

「高い」の実験画面の一部

←パソコンで回答した場合

スマートフォンで回答した場合→

多義語が使われた複数の用例間で類似度がどのように評定されたか,クラウドソーシングの生データ・集計データ・デンドログラムを「実験の結果」で公開しています。

プロジェクトに関連する報告

このウェブサイトでは,主にJSPS科研費の助成を受ける「多義語に対するプロトタイプ義の量的分析-クラウドソーシングによる大規模調査-」(課題番号19K00591)に取り組んだ実験の手法や結果を公開しています。

実験結果を個別に分析・発表した「プロジェクトに関連する報告」もぜひご参照ください。

NEW!

「実験の結果」に「22高い」「23低い」「24大きい」「25小さい」「26荒い」「27細かい」「28広い」「29狭い」「30深い」「31浅い」「32太い」「33細い」の生データ・集計表・デンドログラムを掲載しました。

2020/08/24