日立製作所では、
放射線の医療応用として、
シンクロトロンと呼ばれる加速器で、
陽子または重粒子を加速し、
加速した陽子または重粒子を
がん組織に照射することで、
がんを死滅させる装置を
製品化していました。
がん治療の今後を考えたとき、
その手法・装置が頭打ちになると考え、
新しいがん治療手法・装置の開発に
着手しないといけないと
強く思っていました。
原子力関係の本来の仕事と並行して、
新しいがん治療手法の調査、
それに関する装置他を
どのようにすれば良いか、
10年近くにわたって、
アンダーグラウンドで、
社内でたった一人でしたが、
検討を進めていました。
核医学関係の学会に参加し、
最新の治療情報を入手し、
関連論文を読みまくりました。
学生時代からずっと、
会社に入ってからも継続して
大変お世話になった先生が、
京都大学に赴任したこともあって、
京都大学にある電子線形加速器を
使用させて頂いて、
基礎実験を繰り返すとともに、
光核反応による
各種核種の生成反応を
モンテカルロシミュレーションで
比較検討してきました。
その結果、
電子線形加速器を利用して
α線放出核種を製造し、
それをがん細胞に集積する物質に結合させ、
それを用いて
がん細胞を死滅させる手法であれば、
大きなビジネスになるに違いないと
確信を得るまでになりました。