建築はひとり一人の暮らしを包む空間であり、同時にまちの風景や地域の記憶をかたちづくる社会的な営みでもあります。
私は、建築とは「個人」と「社会」をつなぐ大切な役割を果たすものと考えています。
建築計画・まちづくり研究室では、地域の声に耳を傾け、歴史や文化を学びながら、未来のまちや暮らしを見つめる視点を養います。
そして、建築を通じて、いまを過去と現在、未来とをつなぐ力を育てたいと考えています。
まちの中で愛され、大切にされる、そうした建築をつくる学生を育てていきます。
多田 豊
[略歴]: 1981年徳島県に生れる.日本大学大学院博士後期課程修了(博士(工学))後に、都市計画コンサルタント事務所(神戸・東京)、建築設計事務所(徳島)を経て,2019年より阿南工業高等専門学校(徳島県)に着任(講師)。2021年より同准教授。2025年より愛媛大学に異動、現在に至る.実務者教員として一級建築士の他,技術士(建設部門)等の資格を所有しています.
[資格]:一級建築士,管理建築士,住宅医,監理技術者,既存住宅状況調査技術者,文部科学大臣登録文教施設応急危険度判定士,国土交通大臣登録木造住宅耐震診断員,CASBEE戸建評価員,自立循環型住宅詳細版講習会修了者,徳島県文化財マイスター,wallstatマスター
技術士(建設部門),土地区画整理士,測量士補
[研究分野]:性能向上インスペクション,性能向上リフォーム,応急仮設住宅、事前復興まちづくり
[所属学協会]:日本建築学会、土木学会、日本公民館学会 、住宅医協会、日本建築家協会四国支部、愛媛県建築士会、日本技術士会、徳島県技術士会、NPO法人とくしま山・すまい・まちネット 、徳島県文化財マイスター連絡協議会、全徳島建設労働組合フレッセ 他
2025年度 4回生 小坂真叶/杉森太一/水本健太郎 (水工学研究室所属)
これまで、学校や博物館、交流施設などの公共建築の設計に携わってきました。公共建築は多様な立場の人々が利用する場であり、地域の歴史や環境、住民の声を丁寧に読み取りながら、誰にとっても使いやすく、地域に根ざした空間づくりを心がけてきました。
飲食施設やホテルの設計では、内部の快適性や機能性に加え、建物が街並みに与える影響を重視してきました。地域の風景や歴史に調和しつつ、まちに開かれた外観や人を引き込む設えにより、建築が地域に開かれ、人の流れや交流を促すよう工夫をしてきました。
古民家のリフォームでは、伝統的な構法や意匠を尊重しながら、現代の暮らしに合った快適性・安全性を実現することを心がけています。性能向上インスペクション(性能検査)を通じて、断熱性や耐震性、劣化状況を丁寧に把握し、必要な補強や改修を計画的に行ってきました。文化的価値を継承しつつ、長く住み継がれる住まいへと再生する設計を得意としています。
新築住宅の設計では、居住者の健康と環境への配慮を重視し、天然乾燥材や自然素材を積極的に活用してきました。人工乾燥に比べて木の本来の調湿性や香りを保つ天然乾燥材を使うことで、室内環境の質を高め、長く心地よく住まえる空間づくりを行ってきました。構造的信頼性と地域材の活用にも配慮し、環境負荷の少ない持続可能な住宅の実現に取り組んできました。
スマートハザードマップは、災害時に紙の地図を見られないという課題に対応し、スマートフォン等を用いて、瞬時に安全な避難方向やリスク情報を確認できる仕組みです。どの建物が倒壊し、どの橋梁が通行不能となるかを予測し、建築と土木の知見を融合することで、従来にない革新的な避難支援と地域防災を実現します。
【関連論文】
〇Yutaka Tada, Shingo Suzuki, Yuto Shiozaki, Kenji Kato, Takashi Matsumoto:Development of “Smart Hazard Map” for smartphones showing house damage and evacuation actions due to tsunami and river flooding at current locations(現在地の津波・河川氾濫による住宅被害と避難行動を表示するスマートフォン向けスマートハザードマップの開発)、Procedia Computer Science、 246、 782-791、 2024年
〇鈴木進吾, 多田豊, 塩崎由人, 加藤研二:災害リスクを考慮した住宅地選択と備えを支援するウェブアプリケーションの試作、災害情報、 22(1)、 115-126、 2023年
〇多田 豊, 加藤 研二, 塩崎 由人, 鈴木 進吾:適切な住宅地選択にむけた水害ハザードマップ等の新しい活用のあり方、土木学会論文集F6(安全問題)、 78(2)、 I_105-I_122、 2023年
事前復興デザインに関する研究では、災害発生前から復興後の地域像を構想し、空間や制度の再編を平時に準備する手法を探求しています。建築と土木の視点を融合し、住民参加による将来像の共有や、避難・再建プロセスを支える地域デザインのあり方を明らかにすることを目的としています。
【関連論文】
〇多田豊, 羽藤英二, 中尾俊介, 中野晋, 永山悟, 山本浩司, 瀬山淳:徳島県南部圏域の事前復興計画策定に向けた取り組み~令和 5 年度の研究活動を通じて~、21世紀の南海地震と防災、 19、 47-54、 2024年
〇多田 豊, 加藤研二, 中尾俊介, 羽藤英二:市街化調整区域に位置する内陸部への事前復興デザインの検討と課題 ~阿南インターチェンジ(仮称)周辺におけるケーススタディ~ 、土木計画学研究発表会講演集、 70、 2024年
公民館の公民館のデザイン
分担執筆(第Ⅲ章第3節担当)
Applications of Metaverse and Virtual Reality to Creative Education and Industry(メタバースおよびバーチャルリアリティの創造的教育と産業への応用
)
分担執筆(Chapter 6 担当)
Virtual Reality and Architectural Design for Industry(産業におけるバーチャルリアリティと建築設計」)
〇徳島労働局
・徳島県地域職業能力開発促進協議会委員(2023年度)
〇徳島県
・徳島県事前復興計画策定ガイドライン検討会委員(2024年度)
・学校安全総合支援事業海部郡海陽町実践委員会委員(2024年度)
〇阿南市
・阿南中央図書館(仮称)建設に係る設計業務受託者検討委員会(2025年度)
・阿南市インキュベーションセンター管理運営委員会委員(2022年度)
・阿南駅周辺まちづくりビジョン検討会議委員(2021年度)
・阿南市空家等対策協議会委員長(2020~2021年度)
〇美波町
・美波町都市計画審議会委員長(2024年度)
〇日本建築学会
・四国支部副支部長(2017~2019年度)
・四国支部研究発表会運営委員会委員(2021年度~現在)
2025/11/7 研究室にて、構造計画研究所が主催する点群データ取得機器に関するシンポジウム「KKE NavVis Summit Japan 2025」(品川インターシティホール)に参加をしました。
2025/11/1~11/4 研究室にて、 三重県尾鷲市にて開催された三木里防災観光ツアーに参加をしました。この中で、多田准教授が「四国地方の事前復興の取り組みについて」と題してショートレクチャーを行いました。
2025/11/1 愛媛大学コラボハウスホールにて、「愛媛⼤学建築‧社会デザインコース設⽴記念伊東豊雄氏 客員教授就任記念講演会」を開催しました。
2025/10/29 とくしま健康・省エネ・災害対策住宅推進協議会(TSS)総会(会場:徳島市トモニプラザにおいて、多田准教授が「応急仮設住宅の現状の課題と展望」と題して講演を行いました。
2025/10/26 研究室にて、阿南市橘小学校で開催された「橘防災フェスタ」にて、スマートハザードマップの展示説明を行いました。大阪電気通信大学中原先生、摂南大学梅原先生の研究グループと合同で参加をしました。
2025/10/25 多田准教授が、愛媛大学土木海洋会愛媛支部の例会に参加しました。
2025/10/24 水工学研究室が実施する西予市三瓶小学校でのバーチャルみかめ体験学習に参加をしました。
2025/10/23 研究室にて、徳島県町立牟岐町立牟岐小学校にて、事前復興まちづくりに関する授業を行いました。
2025/10/18 松山市主催の初めて「松山まち歩きイベント~歩いて知る、やさしさの地図~」に参加し、「ユニバーサル地図/ナビ」を体験しました。
2025/10/17 研究室にて、愛媛大学工学部附属社会基盤iセンシングセンター主催の「第4回愛媛デジタルツインフォーラム」に参加をしました。
2025/10/16 研究室にて、徳島県町立美波町立由岐小学校にて、事前復興まちづくりに関する授業を行いました。
2025/10/14 研究室にて、愛媛大学防災情報研究センター主催の防災シンポジウム 「大規模自然災害から生命と国土を守る」に参加をしました。
2025/10/11-13 多田准教授が、徳島大学他の研究グループと共同にて奥能登地域における震災体験のヒアリング調査を行いました。
2025/10/5 多田准教授が、徳島県阿南市富岡六町地区自主防災会防災研修会(会場:富岡西高校)にて、「南海トラフ巨大地震 新被害想定を読む」と題して講演を行いました。
2025/10/4 研究室にて、日本建築学会四国支部愛媛支所主催の見学会・講演会「重要文化財建築探訪時をつなぐ湯の記憶 道後温泉本館保存修理の舞台裏」に参加をしました。
2025/9/26 多田准教授が、第50回土木情報学シンポジウムにおいて、「スマートハザードマップ利用評価から考える総合知説明型ハザードマップの可能性」と題して一般公演を行いました。
2025/9/25 研究室にて徳島県海陽町立宍喰小学校にて、事前復興まちづくりに関する授業を行いました。
2025/9/20 愛媛大学オンキャンパス説明会において、次年度より開講される建築・社会デザインコースの説明会を開催しました。
2025/9/18 摂南大学経営学部 梅原研究室を訪問し、研究会を開催しました。
2025/9/10~12 大阪府茨木市にある立命館大学大阪いばらきキャンパスで開催された「29th International Conference on Knowledge-Based and Intelligent Information & Engineering Systems」において、「Development and challenges of an online disaster prevention course using STEAM education for students at 51 KOSEN (National Institute of Technology) nationwide. ~Comparison between students majoring in architecture or civil engineering and those in other majors. ~ 」の発表を行いました。
2025/9/5~7 新潟県新潟市の朱鷺メッセ(新潟県新潟市中央区万代島6−1)で開催された「ぼうさいこくたい2025@」において、「市民協働型データ収集基盤と防災減災・復興支援技術の研究開発の成果発信のためのブース展示」(B-033)を行いました。本研究成果は、麗澤大学・徳島大学・愛媛大学・摂南大学・ 大阪電気通信大学の共同研究体による成果です。
2025/9/4 研究室で「丹下健三と今治 マンガふるさとの偉人展」(@今治市河野美術館)の見学に行きました。
2025/9/2 研究室で徳島県阿南市橘町の現地調査を行いました。
2025/9/1 ジャパン・レジリエンス・アワード(強靱化大賞)内閣総理大臣賞受賞記念シンポジウム「公徳心溢れる防災士1 万人を核とした50 万都市の安全安心なまちづくりへの挑戦」に参加しました。
2025/8/29 公益財団法人建築技術教育普及センター より令和 7 年度助成選考結果について、多田准教授らが提案した「土木工学科を母体とする地方大学・高専における構造・設備分野等の建築・土木融合授業の開発と高校生らの意識」が採択を受けたことが通知されました。
2025/8/26 多田准教授が文部科学省の⽂教施設応急危険度判定⼠に登録されました。
2025/8/26 多田准教授が建築士定期講習を受講しました。
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