基調講演・シンポジウム

基調講演 9月10日(日)

地域社会にいきる日本語教育のかたち― 異分野をつなぐ協働の実践―」 

                基調講演者:神吉 宇一 氏(武蔵野大学)

プロフィール:武蔵野大学教員、専門は日本語教育学、その中でも特に言語教育政策、地域の日本語教育を通した共生社会の実現、日本語(外国語)教育の社会的な意味などが研究テーマ。社会人のはじまりは小学校教員、その後さまざまな職を経て、2013年から大学教員、2016年から現職。現在、文化庁地域日本語教育アドバイザー。その他、東京都、神奈川県、長野県、愛知県、川崎市、浜松市等で専門委員として地域日本語教育の体制整備に関わる。主な著書・論文『ことばの教育と平和:争い・隔たり・不公正を乗り越えるための理論と実践』明石書店(2023)共編、『Open Borders, Open Society?:Immigration and Social Integration in Japan』Verlag Barbara Budrich(2022)共著、「公的日本語教育を担う日本語教師に求められるもの」『日本語教育』181号4-19(2022)ほか。2021年度日本語教育学会学会賞。

大会シンポジウム:九州・沖縄地区研究会企画 9月10日(日)

多文化協働が産み出すシナジーと連携の可能性-JICA×企業×大学×地域共同体-

メインオーガナイザー:松永典子(九州大学大学院比較社会文化研究院

オーガナイザー:小林浩明 (北九州市立大学 国際教育交流センター)


講演者:

独立行政法人国際協力機構 九州センター所長 吉成 安恵 氏 


「信頼で世界をつなぐ―地域の共生に向けて―」

1987年独立行政法人国際協力機構(JICA)入構以降、主に開発途上国の行政官の本邦での研修/留学事業や東南アジアでの技術協力プロジェクトの企画・実施運営等に従事。JICAインドネシア事務所在任中は農業、保健医療、教育分野のプロジェクトを担当。2021年度よりJICA九州所長に就任。

独立行政法人国際協力機構 九州センター 国際協力推進員(外国人材・共生)堀 美幸 氏 

2012年大学研究室の留学生や外国人研究者及びその家族のサポートがきっかけで、文科省事業大学国際化プロジェクトに参画。その後、福岡県国際交流センターにて、海外日系社会支援事業や多文化共生事業などを担当し、地域で様々な課題を抱える外国人住民に対応。再び大学にて外国人研究者の情報格差や孤立の課題解決に取り組む。現在、JICA九州で、福岡県・佐賀県・長崎県における外国人材受入支援・多文化共生推進支援に従事。日本語教師。

事例報告:

宮崎でのバングラデシュIT人材受入れから見る多文化共生の事例

株式会社ビーアンドエム(B&M Inc.)

代表取締役 荻野 紗由理 氏


2006年創価大学経営学部卒。株式会社ワークスアプリケーションズに入社しSE職として約9年間勤務。その後2015年、宮崎にUターンし株式会社教育情報サービスに入社、バングラデシュでのeラーニング調査事業に参画。2016年より株式会社B&Mにて人材紹介業を始め、これまでに宮崎の産学官の連携のもと60名以上のバングラデシュITエンジニアのマッチング及び受入支援を行っている。2021年に国家資格キャリアコンサルタント取得。


事例報告:

地域仏教寺院×大学が挑む地域「資源」を活用した多文化共生・九州・沖縄地区会員による報告

北九州市立大学国際教育交流センター 専任講師  清藤 隆春 氏 

2005年早稲田大学第一文学部卒。2006年浄土真宗本願寺派にて得度。早大系属高校(在シンガポール)などでの10年間の高校国語教員を経て渡英し、2016年ロンドン大学大学院SOASにて修士号(社会人類学)を取得。帰国後、徳島大学(特任助教)などを経て、2022年九州大学大学院地球社会統合科学府にて博士号(学術)を取得し、現在に至る。勤務校では主に留学生教育を担当。専門は宗教社会学で、外国人の来日後の信仰や地域仏教寺院の活動に関心を持っている。

大会運営委員会企画:「縁側」知セッション 9月9日(土)

ファシリテータ―:小林浩明(北九州市立大学)、岡部大祐(順天堂大学)

テーマ 「縁側」知コミュニティの創出~分野・領域を超えた研究・実践コミュニティの形成をめぐって

セッションの目的

多文化関係学会の設立理念を実現するためには、分野・領域を超えた研究・実践コミュニティの創設が欠かせませんが、ある日突然そのようなコミュニティが生まれるわけではありません。20周年記念誌で掲げた「縁側」知の生成がその第一歩になるのではないでしょうか。「縁側」で人びとが集い、交流しながら、関係を築くように、我々も年次大会という場で、分野を超えて人びととつながり、協働していくことから始めませんか。

セッションのイメージ

学会員による多文化協働の実践及び研究に関する発表をしていただきます。本セッションの目的は、気軽に自由に意見交換をしていきながら、新たな知の生成を目指すことにありますので、必ずしも完成された報告を期待しているわけではありません。分野の異なる専門家からの意見を求めている方、研究と実践の狭間で葛藤されている方などにご発表いただけることで、議論が活発になるでしょう。