コンピュータ支援型言語学習はComputer-Assisted Language Learnng (CALL)と呼ばれ、いわばテクノロジーを活用した外国語教育です。外国語を学ぶとき、教えるときにテクノロジーは無限の可能性を秘めています。例えば、YouGlishというウェブサイトでは、同じ英単語を異なる英語母語話者が様々な文脈で発話していることを聞くことができ、語彙学習や発音学習に便利です。また、Grammarlyというツールは、英語のレポートを自動的に添削し、さらにネット上からの盗用がないかをチェックしてくれます。スマートフォンの言語学習アプリは、仕事や家事といった理由で外国語の授業を取ることが現実的でない社会人に、生涯学習の機会を与えています。こういったテクノロジーの良い面を無批判に受け入れるのではなく、教育現場の受け入れ体制や学習者との相性など、多角的な視点から良し悪しを評価する分野がCALLという分野です。
主な論文
Yamashita, T. (2026). Lay perspectives on mobile-assisted language learning research: An exploratory survey study. Research Methods in Applied Linguistics, 5(2), 100315. https://doi.org/10.1016/j.rmal.2026.100315
Yamashita, T. (2022). Effectiveness and inclusiveness of locally adapted human-delivered synchronous written corrective feedback for English referential articles. Computer Assisted Language Learning. https://doi.org/10.1080/09588221.2022.2068612
Ranalli, J., & Yamashita, T. (2022). Automated written corrective feedback: Error-correction performance and timing of delivery. Language Learning & Technology, 26(1), 1–25. http://hdl.handle.net/10125/73465
獲得研究資金
2025年4月~2027年3月:関西大学若手研究者育成経費「英語学習者が言語学習アプリに期待する効果の定量化」
外国語能力は、定規や体重計で測定できない概念で、測定することが非常に難しい能力です。体重計でさえ、測定する時間帯や設置する場所によって数値が変わることを考えると、外国語の能力を測定するのがどれだけ難しいか、直感的にわかると思います。例えばライティング能力を測定したいとき、どのようなトピックを受験者に提示するべきなのでしょう。また、受験者から得られたエッセイは、どのように採点されるべきなのでしょうか。そして、採点して得られたスコアはどのように分析されるべきなのでしょうか。そもそもライティング能力とは、何を指すのでしょうか。こういった疑問を、そのテストが使われる文脈を考慮しながら一つずつ探求していくのが言語テストという分野です。
主な論文
Yamashita, T. (2025). Exploring potential biases in GPT-4o’s ratings of English language learners’ essays. Language Testing, 42(3), 344-358. https://doi.org/10.1177/02655322251329435
Yamashita, T. (2024). An application of many-facet Rasch measurement to evaluate automated essay scoring: A case of ChatGPT-4.0. Research Methods in Applied Linguistics, 3(3), 100133. https://doi.org/10.1016/j.rmal.2024.100133
獲得研究資金
2025年4月~2028年3月:若手研究「生成AIがライティングに与える 影響の包括的解明―過程と成果物 の観点から」(課題番号:25K16380)
2024年7月~2025年3月:研究活動スタート支援「英語ライティング自動採点ツール としての生成AIの一貫性・厳し さ・バイアスの解明 」 (課題番号:24K22479)
第二言語でライティングを行う際、我々は様々な認知的・社会的プロセスを経ています。例えば、あるライティング課題のためにアイディアを練ったり、メールを書くときに相手に失礼にならないような言い回しを考えたり、文法や語彙以外にも膨大な認知資源を使っています。また、辞書や生成AIを使いながら自分自身の考えを深めていったり、他者と対話しながら自身の書きたかったことを鮮明にしていったり、社会的なプロセスも面白さの一つです。
こういった基礎的なプロセスを指導・評価に応用するのが私の研究です。過去の研究では、ペアでライティング課題に取り組む際に、二人がどのようにエッセイを構築していくかをパソコンの画面記録をもとに分析しました。最近の研究では、学習者が生成AIを用いながらライティング課題を遂行するときの認知プロセスを視線計測(アイトラッカー)やキーログを用いて行動学的視点から調査しています。こうしたライティングの過程(プロセス)と成果物(文章)の両方に注目し、よりよい指導と評価を模索しています。
主な論文
Yamashita, T. (2026). Uneven revision contribution and grammar learning in synchronous computer-mediated paired writing. International Journal of Applied Linguistics. https://doi.org/10.1111/ijal.70167
Yamashita, T. (2025). Examining English language learners’ longitudinal development of syntactic complexity across five CEFR levels with a robust measurement design: A mixed-methods approach. Applied Linguistics, amaf074. https://doi.org/10.1093/applin/amaf074
Yamashita, T. (2021). Corrective feedback in computer-mediated collaborative writing and revision contributions. Language Learning & Technology, 25(2), 75−93. http://hdl.handle.net/10125/73434
獲得研究資金
2025年4月~2028年3月:若手研究「生成AIがライティングに与える 影響の包括的解明―過程と成果物 の観点から」(課題番号:25K16380)
研究結果は、その研究がどのような手続きで行われたかに影響されます。理論構築のための基礎的な研究であっても、広く社会に影響を与えるような応用的な研究であっても、核となる研究手法が妥当でなければ、研究結果も妥当であるとはいえないでしょう。逆に、研究手法がしっかりしていれば、結果はおのずとついてきます。外国語教育学で慣習的に用いられてきた研究手法を批判的に精査し、よりよいエビデンスを構築することも研究を遂行する上では必要不可欠です。
これまでの研究では、主に心理測定的な手法を用いて慣習的に用いられてきたリッカート尺度や採点基準を批判的に検討してきました。また、外国語教育研究における再現性の問題にも触れてきました。こうした研究を進めていくうちに、外国語教育研究は研究手法的に改善の余地があると思うようになりました。理論的発展に直接は貢献しないかもしれませんが、新たな手法を提案することで他の研究者の役に立てる可能性があることにやりがいを感じています。
主な論文
Yamashita, T. (2026). Post hoc score category collapsing for L2 pronunciation research. Studies in Second Language Acquisition, 1-26. https://doi.org/10.1017/S0272263126101582
Yamashita, T., & Neiriz, R. (2024). Why replicate? Systematic review of calls for replication in Language Teaching. Research Methods in Applied Linguistics, 3(1), 100091. https://doi.org/10.1016/j.rmal.2023.100091
Yamashita, T. (2022). Analyzing Likert scale surveys with Rasch models. Research Methods in Applied Linguistics, 1(3), 100022. https://doi.org/10.1016/j.rmal.2022.100022