Nersia!Rasreil Nikawaxi Asuka,Rasfixe gean sreilfas H.Neurones.
本題に入ります。
先ほどの文章は、第3回での挨拶の形式で、H.Neuronesというのが触手属の学名です。今後第1152世界線ツイートキャスティングのときはこのような文章が流れることとなります。(前回はかなり焦っていたので、流し忘れました)
さて、まず触手族の成り立ちについて話しましょうか。彼らはつい2年前……地球で2016年に現れた、レッテンスパインの中で最も新しい人類種であり、そしてたった一代限りです。というのも、彼らは異種交配によって生まれた雑種細胞の為、性別に関係なく殖えることはありません。そもそもこの種族自体が自然発生した訳ではなく、人工的に造られたものであり、天然の触手族といったものは存在できません。彼らはProtista Neuronesという、脳細胞に似た組成を持つ原生生物と、鬼の細胞から作製されたiPS細胞から生まれました。1万にも及ぶような実験の中、成功したのはたった6件、生存しているだけでも5件のみです。
なぜこの2つをかけ合わせようと思ったのかというと、訳があり、イッサモルサという研究者の娘、ラクサテリカが、脳細胞を蝕む障害に罹り、高次脳機能(考えたり、思ったりする働き)を失い、その部位(新皮質)も無くしている状態でした。そこでイッサモルサは脳細胞に似た組成のProtista Neuronesをラクサテリカに移植したところ、娘はまた考えたり思ったりできるようになったのですが、脳移植によって人格の全てを失い、これまでの娘はもうどこにもない、という状況に陥りました。イッサモルサはこの時に、Protista Neuronesの活用法を思いつき、その通りに実行しました。
まず初めに、鬼に対して協力を呼びかけました。ダメ元でやっていましたが、そんな中のこのことやってくる鬼が一人。宇治橋エナ氏です。彼の細胞からiPS細胞を作り続けること5ヶ月、ようやく第一号とも言える双子が出来やがりました。それまでに2000もの実験が行われていました。なぜここまで成功率が低いのか、理由としては、鬼の細胞自体の免疫力が高すぎて、添付されたProtista Neuronesの細胞を食べてしまってただの鬼が生まれたり、もしくはProtista Neurones側のDNAが完全に写されてただのProtista Neuronesが生まれたり、奇形になったり、意識が生じなかったり……このような条件のせいで成功しにくいわけです。
ところで、現代のレッテンスパインでは、人間やハルピュイアが隅に追いやられ、鬼や吸血鬼、悟が飄々と歩いています。鬼たちの食物は人間の肉、あるいはザクロで、彼らの体は人間より大きく遥かに強大で、そのために小さな人間たちは逃げることを異議なくされて、人間の飼っていた小鳥が進化したハルピュイアもそれに続いた形です。人間の抵抗に対して、鬼の方も進化していて、もはやいたちごっこの状態で、これを打破するためにはやはり戦う他なく、しかし人間の体では戦えないし、それだけの機械や兵器を造る資材もない……ここで「新たに生体を造り、それに戦わせる」という方法に至ったのです。
話を戻します。第一号とも言える双子が発生したところからですね。最初、研究所側では、その双子をクローニングして、兵隊を作ろうとされていましたが、たとえ元になる体の組成が同じでも同じ能力は持つことができない(オリジナルが既に持っている能力をクローンは持つことができない)という点と、そもそも個体差で性格に差が生じ、兵隊になってくれない個体の発生を考えられ、クローンで殖やすのではなく、タイプを増やすことで兵力を増やしていく計画に移行しました。それからというものの、やはり失敗続き。なかなか上手くいかなくて、鬼の子供をさらってきて、それにProtista Neuronesを植え付けたことさえあるほどでした。その行為自体は成功しましたが、クローニングもできないただの雑種細胞となったために、投薬の実験台に使われ、捨てられたことになっています。これを経て、普通に掛け合わせるのが一番だと気付いてからは、また第1号となった双子の時のように、鬼のiPS細胞にProtista NeuronesのDNAを注入する形での製造になりました。
最初にも言ったように、この実験で無事生存しているのは5人だけです。その中のある1人は、妊娠したいと思う気持ちが強かったため、その1人からクローニングする形で子供を与えてみたものの、一度も戦うことなく死んでしまいました。以後、この研究所には妊婦を入れないようになりました。
さて、この研究所の立地の話もしましょうか。この研究所の正式名称は「鳥捕生命科学研究所」。鳥捕とは、正確には鳥捕属土は、レッテンスパインの、日本に似た形の群地である、秋津群地に存在しています。この鳥捕属土は砂漠化が激しく、一帯の砂には鬼は触れたがらないために、こう言った拠点にするには最適だったのでしょう。近くには多肉植物が多数生息しており、美味な果実を50日くらいの間隔で生産してくれます。月に1回ほど、彼ら触手族に多肉植物の実らせる果実を採取させに向かわせる日があるのですが、そこで収穫された果実をジャムにして、彼ら触手族のごはんにいずれ変わっていきます。
さて、この研究所の立地の話もしましょうか。この研究所の正式名称は「鳥捕生命科学研究所」。鳥捕とは、正確には鳥捕属土は、レッテンスパインの、日本に似た形の群地である、秋津群地に存在しています。この鳥捕属土は砂漠化が激しく、一帯の砂には鬼は触れたがらないために、こう言った拠点にするには最適だったのでしょう。近くには多肉植物が多数生息しており、美味な果実を50日くらいの間隔で生産してくれます。月に1回ほど、彼ら触手族に多肉植物の実らせる果実を採取させに向かわせる日があるのですが、そこで収穫された果実をジャムにして、彼ら触手族のごはんにいずれ変わっていきます。
ここで彼らの食生活でも話しましょう。人肉なんて食べず、また、ザクロなども食べさせません。もしかすると好むかもしれませんが、味を知らなければ好きになるのは難しいので。吸血鬼が元になっていても、血は飲ませません。これも先ほどの理由からですね。では、何を食べるのかと言うと、一言で言えば「ディストピア飯」です。そこに、少しでも士気を失わせないために、先ほど話した、多肉植物の果実のジャムをつけています。たった一本でも必要な栄養素がとれるように、持ち運びやすい小さなバーになっていて、材質はほぼ生のペペリーオリムで、大体、生の白米を食べた時の感触です。感覚的には、カロリーメイトのチーズ味にアプリコットのジャムつけて食べてる感じが一番近いですね。りんごやマーマレードでもOKです。
食の次は衣服ですが、レッテンスパイン人の性質として、「寒さ、暑さの調節さえできれば、デザインや色などはどうでも良い」というのがあり、触手族もそれにならっています。中には、地球で言うような「おしゃれ」が好きな個体もいますが、いずれにせよ誤差の範囲です。いくら暗いとはいえども、多少は目は使えるので、一応色彩に関しては、暗く紛れやすい色(例えば青や深緑紫などの寒色系)がよく見られますが、やはり個体差があり、中にはピンクや白などの暗くてもわかりやすい色を好む個体もいます 。まあ人それぞれってやつですね。
やはり衣服の次は住居でしょう。原種のProtista Neuronesは狭くてジメジメした岩場を好んでいましたが、雑種である触手族たちは研究と維持の名目から吊り下げ式の個室に閉じ込められています。個室と研究室の間にはハッチがありますが、研究室の方にあるレバーを下げないと開かず、また電動式なので、内部のプログラムがハッキングでもされない限り個室側から開けられることはありません。また、吊り下げ式の個室ということは「いつでも下に落とせる」ように作られていることを意味しますね?ならば下には何があるのでしょうか?答えは明確です。「失敗した触手族の廃棄場」。岩場を軽々と登る原種でさえ 登ることのできない深さの穴に、失敗作、鬼そのものや、原種そのもの、 奇形や意識を持てなかったもの、運用途中に DNA レベルの欠陥を起こしてしまったもの、生ゴミ、死体、後は食べかすや虫の死骸が投げ込まれる巨大なゴミ箱です。底の方には、光を必要とせず、有機物を分解してエネルギーにするレッテンスパイン独自の進化をした植物が生息しています。きのこではありません。最初の方に、兵器を作るような資材がないと言い、吊り下げ式の個室だとコスパが悪いのでは、と思われますか?落とした後、分解されたことを確認されてから引き上げられ、再利用されているので、そのあたりは問題ありません。
さて、最初にProtista Neuronesは脳細胞に似ていると話しましたが、ここで人間並みの知能が持てるとそれはもう人間と呼んで差しさわりないと言えます。これがどういったことを意味するでしょうか?人間並みの知能があるということは、人間のように笑い人間のように泣き怒り焦り油断し絶望し嫌い好み愛するといった高度な表現ができるということ表現できるということは感受性を備え持つこと、すなわち人間と同じ精神構造を持つが故に精神病にもなりうるということを意味します。動物実験に用いられているウサギが、もし人間と同じ脳構造で、意識を生じさせなおかつ人語を理解できるとしたら仲間たちと結託して人間と交渉したりあるいは逃走したり戦ったりなど色々考えられますよね?ところが彼らは逃げられないんです。牢によって、もしくは、利益を得ようとする物質主義の人間たち、とそれに従う人間によって。ウサギと同じような理由で、彼らもまた逃げられないのです。さらに理由の補完として、薬物の使用もあります。これは強力なモルヒネのようなもので、副作用に意識の混濁、変性意識への突入により自由意志を剥奪される、とあります。彼ら触手族はProtista Neuronesと鬼の雑種ですが、鬼の細胞自体の免疫力が強く、放置したままだとProtista Neurones側が食われ、ただの鬼になってしまうために、予防としてこの薬を投与すると、鬼の免疫力を抑え、その症状であるところの疼痛も抑えることができるのです。人間の精神を持つということは、悩みを持つということ。これ自体は先程も話しましたが、彼ら触手族自体は性別を持ち合わせていません。人間には、男、女、それと第三の性別があったりしますが……つまりは、性同一性障害を持つこともある、ということになります。LGBTQAPなどを配慮しだすとちょっと話が長くなりそうなので性別や性差はこのあたりにしましょう。
ところで、彼ら触手族が兵器運用されていると言われても、どのように戦うかまだ話していませんでしたよね?今から、ですよ。まず耳が、脳細胞に近い場所にあるということ、レッテンスパインでは聴覚を頼りにされているということを前提として、話を進めていきましょう。そういえば古代エジプトのミイラ作りに、脳を鼻から取り出すと言われていますが……絵面がよろしくないので耳でいきましょう、耳で。
耳に……脳細胞に近しい触手をねじり入れる。脳細胞、特に他者のものが接触した際の現象に関しては研究されていませんが、憶測として。それだけでも足止めには効果的ですが、このままだと拒絶反応が確実に起き、触手側が負ける可能性が出てきます。
ここで取れる対策は2つあります。1つは、入れきって、鬼の脳を破壊すること。2つは、例のモルヒネの強いやつを投与すること。
1つ目は、乱戦や確実な殺処分が求められているとき以外使われない方法です。そもそも鬼が形成された理由は、建設のための強い肉体を持ち、環境にやさしい人類が欲しかったというところにあり、今のような食人人類を目指して造られたわけではありません。そのために、殺すと逆に人類の復興に時間がかかるので、この方法を使うのは得策ではありませんね。
2つ目の方法が主に用いられています。普段から投与されている触手族でさえ耐性のつきにくい劇薬を、まだキメたことのない鬼に投与なんてしたら、作用は100%現れることになるでしょう?ならば副作用も現れましょう。ここまでくれば、後の扱いに悩むことはありません。
精神以外に弱点がなさそうに見える触手族ですが、しっかりと弱点はあります。「神経毒」、「悟による読心攻撃」、「触手」。
神経毒はわかるでしょう、触手自体が脳細胞なので。悟による読心攻撃。脳細胞がむき出しということは、心もむき出しになっていることに繋がり、容易に攻撃を受けてしまいます。そこで対応策として、アストラル体を弾にして打ち出す銃が開発されて、一人一人に支給されています。アストラル体自体は時間と肉体があれば回復するので、弾数の心配もなしです。最後に触手。いくら強化してあるとは言え所詮は脳細胞です。手で握られたり、引っ張られたりすると普通に痛みを感じます。というかそこで痛いと感じないのは生物としてどこかおかしい証拠なんですがね……
引っ張られて痛いというのは、触手自体は結構長くに伸ばせますが……例えば、小さな針の穴に糸を通すのを想像してください。針の穴に糸が入って、かすかに音が聞こえる、この感じです。
……で、そろそろ「触手があるのに、なぜ腕があるのか」ということを切ってみましょうか。元々、触手は腕に通る神経細胞で、それを兵器として使えるのではと思ったイッサモルサが、人間体の腕をプレースホルダー(とりあえずの入れ物、プログラミングではhogeとも言われる)にした、というものです。つまり、使っていない時に触手を入れておくための入れ物なのです。子鬼に擬態して作戦を遂行する、ということもできます。ただ、手の器用さは保証できず、同族ならあり得ない角度に曲がってしまい、鬼に疑われることもあるぐらいで、利き手といったものも存在していません。また、先天的に腕がない場合は当然しまえないですし、後天的に腕をなくしてしまった場合もしまえません。ただ、中には触手を分けることのできる個体もいて、そういった個体は割と人間と同じように指の先まで動かすことができます……やっぱりあり得ない方向に曲がることもありますが。上述の理由から、触手族は腕の骨を持たず、外に触手が出ている時、物理法則に従う肉の塊でしかありません。1月17日より連載を始めた「非常識の住人」。そこで初出の種族である、触手族に関する言及はだいたいここまで、です。
……あなたには、人間倫理を超えてでも、成したいことがありますか?
(今回かなり焦ってしまったので前置きの前文読むの忘れました。ちょっと、頭の中で補完しておいてください。)
(台本の打ち込み中)