杉原研究室

当研究室への受験・配属を検討されている方へ

研究室の方針

研究テーマの決定について

研究テーマは,基本的に学生の意向を優先して決めます.ご自身が知りたい,明らかにしたい,検証したいことがおありになったからこそ本学への入学を検討された方は,それがプロジェクトレポート(他大学の修士論文相当の成果物)になるよう指導をします.

指導教員である杉原は技術のユーザ(個人・組織)の調査を専門とする研究者であり,これに関する内容であれば,専門性に基づいた指導が可能です.研究プロジェクトを請け負っている場合もあり,それらのテーマをプロジェクトレポートのテーマにしていただける場合は,資金も発表の場もご用意できます.

それ以外のテーマをご希望になる場合は,私も学生と一緒に勉強しながら進めていくスタイルになります.指導の手厚さをテーマによって変えることはありませんが,資金面での手当はプロジェクトに関連するものより少なくなってしまうと思われます.どうぞご了承ください.

博士後期課程(イノベーション科学系)の学生の方は,ご自身でテーマを見つけるよう指導をいたします.研究プロジェクトの手伝いを希望なさるのであればその希望は受入れたいと思いますが,その場合であっても学生独自の色を強く打ち出していただくように指導することになります.

ゼミについて

発表は,1人あたり月に1,2回です.時間については,所属学生が最も参加しやすい時間帯に設定します.2023年現在は,フルタイム学生も社会人学生も同じ時間帯でゼミをしています.希望があれば,フルタイム学生については日中にゼミをし,社会人学生については金曜日や土曜日の講義後に実施するような形態も可能です.担当になった際には,進捗(お悩み相談的な内容を含む)について,あるいは研究に関連する論文,ないしは面白かった論文の要約を1~3本を発表していただきます.要約の発表時には,研究室で用意した要約シートの使用を推奨します.

研究の個別相談等について

随時応じます.研究室が空いている場合は,いつでもお尋ねください.訪問しての相談が難しい場合は,Web会議システムを利用して打合せます.

資金等の補助について

研究活動で必要となるお金は,可能な限り研究室の主催者が支払うべきという立場です.予算の許す範囲で,学生に支弁いたします.特に,研究プロジェクトをお手伝い頂く場合には,研究で使用する機器,出張を伴う調査,学会発表,学会参加費については全額補助できるよう尽力いたします.文献複写費,書籍購入費についても同様に手当いたします.もちろん,予算が無くなってしまえば手当はできませんので,必要なものごとがある場合は早めにご相談ください.

研究室外の活動について

学生が望まない限り,関与するつもりはありません.フルタイム学生の方は,アルバイト,インターンシップ,就職活動,留学などご自身のやりたいことに取り組むことを奨励しますし,制限もしません.都心にある田町キャンパスのベネフィットを最大限に活かして,有意義な学生生活をお過ごしください.

ただし,それらに参加したことを理由に,プロジェクトレポートの内容が一定レベルに達しないことは認められません.プロジェクトレポートとご自身の学生生活の充実を両立できるよう,よくご検討ください.

募集する学生像

共通する条件

研究室の一員として,活動できる方を求めています.全員が同じこと同じ分量で取り組むようなことは考えておらず,それぞれが強みを発揮して,杉原研がチームとして機能できる姿を理想としています.上でも書きましたように研究テーマは相談の上決定しますが,杉原が最も強みを発揮できるのは「テクノロジーとユーザの関係性を分析する」ことですので,そのようなテーマに興味をお持ちの学生を歓迎します.

受験前の相談は,必ずしも義務付けられていません.さらに,当課程では,入試時に志望した教員を配属決定時に変更することも可能です.ですが,入学なさった後「こんなはずではなかった」という後悔が生じないよう,一度ご相談に来ていただくことをお勧めいたします.杉原は,特に予定のない場合,課程で開催する大学院説明会等には必ず参加いたします.そこでご相談頂いても構いませんし,個別にメールで日程調整する形でも結構です.

メールでご連絡頂く場合は, sugihara.t.af [at] m.titech.ac.jp までお願いします.

社会人学生(博士前期課程)の方

日頃の業務の中で感じておられる言葉にできていない問題意識を,定性的・定量的なデータにより分析し,学術的にも実践的にも意義のある研究に仕上げていただける方に来ていただければと考えています.また,ユーザスタディ(ユーザリサーチ)を,研究を通して学びたい方も歓迎します.

学部から直接進学を考えておられる(フルタイムの)学生の方

人と機械の調和について考え,技術と社会とサービスの間に横たわる課題を解決できるようになりたい方を求めています.理工学系の学部を出身の方には,そのバックグラウンドを活かしつつ,研究を通してユーザ調査法の基礎と社会科学的データのリテラシーを身につけたい方に来て欲しいです.人文系,社会科学系,デザイン系学部出身の学生には,やはりバックグラウンドを活かしていただきつつ,技術に関わる問題を自分ごととして捉えられるようになりたい方を受入れたいと考えています.

高専専攻科ないしは高専からの大学編入学生の方

高専出身の方は,手を動かし形にしていく能力を身に着けておられます.その一方で,抽象化された概念の理解や幅広い教養的知識の習得が得意ではない印象を持っています.当研究室では,ユーザに関わる具体的な問題から出発して,データの抽象化と人・社会の理解を深化を目指します.体系的に理解した技術の知識と手を動かすこを躊躇わない性質を活かしながら,技術を一歩離れたところから見つめ直してみたい方,技術と関わる人に関して研究したい方を募集しています.

博士後期課程への進学を検討されている方

社会人,フルタイムのいずれからも,バックグラウンドも問わず,医療系,理工学系,人文系,社会科学系から広く募集します.入試,当コースの事情や修了要件などについてお伝えしなくてはなりませんし,博士後期課程のテーマは個別的になりますので,博士後期課程を希望される方は,必ず一度ご連絡ください.

修士号をすでにお持ちであったとしても,社会調査の経験が少ない方や技術経営についての知識が十分でない方には,当コースの博士前期課程に相当する,技術経営専門職課程へ入学を勧める場合があります.博士後期課程は十分準備してから入学することが望ましいと考えているからです.準備が整わない状態で一度入学してしまえば,学生として過ごせる期間のカウントダウンは始まってしまい精神的にも肉体的にも厳しくなってしまいます.技術経営専門職課程を勧めるのはそのような事態を避ける目的です.