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過去の彗星記録を精査しシミュレーションと比較することで、歴史年代の推定や過去の太陽活動復元に貢献しました。
この論文は、ニカイアの亡命ビザンツ帝国(1204-1261年)の皇帝ヨアンネス3世バタツェスの皇后であるエイレネ・ラスカリナの死亡時期を再評価しました。彼女の死亡時期は1239年から1241年の間で見解が分かれていました。同時代の歴史家は、彼女の死をその「6ヶ月前」の彗星の出現と関連付けています。論文ではこの彗星が1241年初頭のものであることを論証し、エイレネの死を1240年の夏頃と特定しました。この年代決定は、13世紀の東地中海で起こった他の歴史的事件の研究にとても有力な基盤を提供することになります。
本論文では過去の彗星記録にプラズマテイルの存在を示唆する記録を三件見つけ(760年、837年、1577年)、 天文シミュレーションと比較しました。従来研究では、プラズマテイルは観測機材の制約もあり、1769年まで見えていなかったと考えられていました。
過去の気象記録をデジタル化することで、長期間の気象トレンドの復元を行いました。
The Seungjeongwon Ilgi (承政院日記), a daily record of the Joseon Dynasty of Korea, provides daily meteorological data spanning nearly three centuries. We compiled this data to create a machine-readable weather dataset, enhancing its accessibility and usability. The text emphasizes the potential of this dataset for meteorological studies.
過去の日食記録を調査し、地球の自転速度変化や記述の解釈などを明確にしました。
本論文ではビザンツ帝国の叙述史料の日食記録を検討し、4-7世紀の地球の自転速度変化をより精密に拘束しました。また、従来典拠が不確かであった幾つかの日食記録の観測地を、文献学的な検証により明らかにしました。
本論文については、以下のプレスリリースおよび紹介記事もご参照ください。
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/society-culture/20220914140000.html
https://www.kodomonokagaku.com/read/50118/
本論文では北海道での過去の日食記録三件を最新の天体暦と地球の自転速度変化をもとに検討しました。一件の記録について、従来研究の解釈を金環食から深めの部分食に変更し、これまで忘れられていた金環食記録を俎上に乗せてその信憑性を確認し、これまで忘れられていたアイヌの皆既食民話を俎上に載せ、その日付を特定しました。
本研究は、4世紀から6世紀における天文現象を記録したとされるビザンツ帝国の叙述史料4点を分析しました。3つの記録は4世紀に起源を持ち、残りの1つの記録は512年の日食に関するものです。本研究では最近の天文学的な知見をもとにそれらの信頼性に疑問を投げかけ、これらの記録がどのようにして、なぜ書かれたのかを理解するために、文献学的および歴史的な文脈を探りました。
(以後更新予定)
(以後更新予定)