群れはどうやって維持されているのか。群れを作ることで個体にどんな利益があるのか。群れの中に現れるパターンはどのようなものか。これらを個体間の相互作用から迫ることに興味を持っています。
現在はウマ・ニホンザル・ヌーを対象に研究を進めています。野外+ドローンという手法を一貫して使用しており、深層学習などを用いて"できるだけ"客観的なデータから、個体間に働く相互作用を解き明かしたいと思っています。データの統計的な解析だけではなく、そこから予測される相互作用をシミュレーションを用いて検証したりもしています。
野外環境で動物の行動を計測することは非常に難しいです。目視での記録やビデオでの映像記録から行動を判断するという先人の地道な努力がいま、私たちの研究の土台となっています。しかし、まだまだ観察する個人によって、場所によって、対象によって、そこには大きな改善の余地があると考えています。データを取るところはドローン、解析するところは機械学習などの先端技術を用いて、記録者や解析者の主観ができるだけ入り込まないような手法を提案していけたらいいと思っています。
なかば趣味の発展ですが、競馬のデータを用いて統計解析などもしています。いわゆる予想家ではなく、競馬にまつわる通説や常識などが、どの程度統計的に正しいのかを解析しています。