2026 ソレイユミニロードシリーズ 第1戦 公式レースレポート
開催日:2026年5月24日(日)
会場:カートソレイユ最上川(1.063 km)
天候:雨
コース:ウェット
2026年シーズンの幕開けを告げる「ソレイユミニロードシリーズ 第1戦」が5月24日、山形県・カートソレイユ最上川にて開催された。当日はあいにくの「雨・ウェット」という非常に滑りやすく過酷な路面コンディションに見舞われたものの、サーキットにはそんな悪天候を吹き飛ばすほどの熱気と、全22台のエントラントによる激しいドラマが満ち溢れていた。
■ SPクラス:不屈のレジェンド青木 崇明選手、満身創痍の激走。復活の日に期待高まる!
2ストロークミニバイクの最高峰であるSPクラスでは、まさにモータースポーツの厳しさと、それに立ち向かうライダーの魂を体現するドラマが繰り広げられた。
今回、パドックの視線を一身に集めたのがレジェンド青木 崇明 選手(YUE &RH松島)だ。しかし、レースウィークはマシントラブルにより苦難の連続となる。トラブルの解消が間に合わず、なんと予選は未走行のままDNF扱いという最悪のスタートを余儀なくされてしまった。
それでも走ることを諦めないレジェンドは、完全ではないマシンを抱えながら午前中のヒート1へ強行出走。過酷なウェット路面とマシンの不調に耐え、執念で8周を走破してみせた。残念ながら午後のヒート2は出場断念となった。次戦、万全の体制でサーキットに帰ってくる青木選手の劇的な復活劇が今から待たれてならない。
(なお、ヒート2では児玉 光生 選手(ソレイユボーイズ)が意地の激走を見せ、クラス優勝を果たしている)
■ ST150クラス:出場不能の息子の代役に父・晃一さんが緊急参戦!「伝説の走り」で掴んだ感動のクラス優勝
今大会、パドックや観客席を最も驚かせたのがST150クラスだった。
本来エントリーしていた息子の白石選手が急遽出場できなくなるというアクシデントが発生。この大ピンチを救うべく、急遽ピンチヒッターとして代役に名乗りを上げたのは、実父である白石 晃一 選手(K-one MSC&ブタバラ子R)だった。
長年のブランクがあるだけでなく、乗るのも初めてのマシン、走るのも初めてのコース、おまけに足元はウェットという、まさに三重苦とも言える最悪の状況でのスタート。しかし、いざコースインすると周囲の心配は一変する。かつて「伝説のサーキット」としてモータースポーツファンに知られた旧・仙台ハイランドレースウェイで鳴らしたという噂の実力は伊達ではなかった。
驚異的な順応力でウェット路面を巧みに攻略すると、ヒート1・ヒート2ともに危なげない走りでクラス優勝(両ヒートとも混走総合3位フィニッシュ)を達成!ライバルである伊藤 拓海 選手(モトテックR4+半田技研+DF)や小野寺 貫太 選手(MOTOTEC-R4)らの猛追を退けたその圧倒的な職人技に、サーキットからは惜しみない拍手が送られた。
そして同クラスでもう一人、大きな注目を集めたのが佐藤 翼 選手(RT乾坤一擲)だ。佐藤選手は、交通の安全を現場で支える仕事をされている。今大会はあいにくレインタイヤの準備が無かったという非常に厳しい状況であったが、慌てることなくみんなの模範となる完璧な「安全運転」に徹し、ヒート1・ヒート2ともに無事にチェッカーを受けた。 レースこそライバルたちに先を譲る形にはなったものの、パドックでは「公道では決して佐藤選手をパスしてはいけない」とささやかれ、大会を大いに盛り上げていた。
■ インポートミニクラス:レコードホルダー蜂屋選手が格上を抑え圧勝!2日前に仕入れた中古車で挑んだ山田選手の“荒業”
インポートミニクラスは、同クラスのコースレコードホルダーである蜂屋 弘美 選手(Beehouse KRF)がその圧倒的な実力を見せつけた。
Aグループ(SP、OPEN、ST150、IMP)の混走レースとなった決勝では、マシンパワーとしては格上にあたるはずのST150クラス勢をも力強く抑え込み、終始OPENクラス優勝の塚本選手と激しいトップバトルを展開。終始レースを支配し、文句なしのぶっちぎりポール・to・ウィンで開幕戦を制した。
しかし、このクラスのもう一つの主役は、はるばる千葉県から遠征エントリーしてきた山田 清彦 選手(JOJO RACING)だった。山田選手は今回、GROMカップとインポートミニのダブルエントリーというタフな挑戦を敢行。さらに驚くべきは、インポートミニクラスを走った相棒のGSX-R125は「レースのわずか2日前」に入手したばかりの、公道仕様の純然たる中古車だったことだ。
そのままでは走れないマシンを前に、前日の午前中という極めて限られた時間の中、”蜂屋選手とゆかいな仲間たち” がパドックで突貫のモディファイ作業を行い、一気にレーサーへと仕上げるという文字通りの“荒業”を敢行。この熱い絆とサポートに山田選手も見事な走りで応え、インポートミニクラス2位という大金星を挙げてみせた。(3位にはりんす 選手(GARAGE: Rinse69)が粘りの走りで表彰台を獲得している)
■ OPENクラス:6年前のタイヤで耐えた塚本 龍選手が劇的復活勝利!76歳の鉄人・丸山総長もNSR80で激走
OPENクラスは、ひさびさのブランク明けでのレース復帰となった塚本 龍 選手が魅せた。
ブランクゆえに足元を固めるのはなんと「6年前のタイヤ」。ウェット路面も相まってグリップ不足に激しく苦しむ過酷な状況だったが、塚本選手は卓越したマシンコントロールと集中力でこれをカバー。終始マシンをなだめすかしながらトップを快走し、見事に復帰戦をオープンクラス優勝という最高の形で飾った。
また、同クラスに参戦した「丸和会総長」こと丸山 和昭 選手(越後丸和会♡SAYURI)は、かつての愛機であるNSR80を復活。御年 76歳という大ベテランながら、若者に負けないシャープで情熱的なライディングで雨のカートソレイユ最上川を駆け抜けた。ピットではいつも通りさゆりさんが優しく見守っており、相変わらずの息の合ったお二人のコンビネーションに、パドック全体が終始温かい雰囲気に包まれていた。
■ GROMカップ ルーキークラス:阿彦 毅選手が強さと「キレ」で総合優勝!ジャンケン大会でも無双状態に
今大会最も激しいサバイバル模様を呈したGROMカップ ルーキークラスは、天候と展開が目まぐるしく変わるドラマチックな一戦となった。
ヒート1では、好スタートを決めた齋藤 学 選手(アヲハタレーシング+ソレイユ+JUBET)が快走を見せ、幸先よくトップチェッカーを受ける。
しかし、ドラマはヒート2に待っていた。さらに雨脚が強まり路面が悪化する中、ヒート1で2位だった阿彦 毅 選手(新潟国際自動車GIAレーシング)が抜群のキレを見せて猛チャージを展開。一方で、連勝を狙った齋藤学選手は転倒後にフィニッシュラインを通過せずにピットインするミスを犯し、無念のDNF(リタイア)という結末を迎える。
この結果、ヒート2を完璧に制した阿彦 毅選手が見事にルーキークラス総合優勝の栄冠に輝いた。なお、阿彦選手の「キレ」はレースだけに留まらなかった。表彰式後に行われた恒例のジャンケン大会でもその圧倒的な強さを発揮し、賞典のタイヤセットをはじめとする数々の景品を次々とゲット!コース上でもイベントでも主役の座を完全に総なめにしていった。
総合2位にはクレバーにまとめて上位をキープした齋藤 誠 選手(アヲハタレーシング)、総合3位にはニューカマーの鈴木 雄大 選手(モトリメイク K-one)が入賞を果たしている。
■ GROMカップ アドバンス & NSFトロフィクラス:実力者が光るウェット戦と、パドックを和ませた「師弟の絆」
GROMアドバンスクラスは、杉山 隆義 選手((株)クリアーデンタルラボラトリー)がヒート1・ヒート2ともに他を寄せ付けない安定した走りを披露し、クラス1位を完全制覇。ダブルエントリーで奮闘する山田清彦選手を退け、アドバンスクラスのトップランカーとしての意地とプライドを見せつけた。
NSFトロフィクラスでは、ベテランの今井 誠 選手(ボアリバーエンジニアリング)が難しい路面を巧みに読み切る圧巻の走りで両ヒートを制し、文なしの優勝。
また、現在怪我からのリハビリ中という白椿 健 選手(猫見坂レーシング+(株)朝日)も、厳しいコンディションを物ともせず[楽しく走れた!」と、笑顔でチェッカーを受け、見事総合2位を獲得した。
"年の差ライバル" といえば、"祖父" 青柳 和洋 選手(猫見坂レーシング)と、"孫" 白石 灯里 選手(モトリメイクK-one MSC)の二人だ。レース前後に交わされる微笑ましいやり取りは、緊迫した雨のレース現場の雰囲気をほっこりと和ませていた。
【総括】
激しい雨の中での開幕となった2026年シーズン。滑りやすいウェット路面に全員が苦しめられたものの、蓋を開けてみれば、激しいマシントラブルに立ち向かった不屈のレジェンド、急遽立ち上がった父親の伝説的な激走、仲間たちと一から突貫で作ったマシンの健闘、そして76歳の鉄人の情熱など、ミニバイクレースが持つ「人と人との繋がり」と「熱いドラマ」がすべて詰まった、これ以上ないほど素晴らしい第1戦となりました。
転倒やトラブルに泣いたエントラントも、最後はお互いを称え合い笑顔でパドックを後にしたソレイユミニロードシリーズ。次戦(第2戦)では一体どのようなドラマが待ち受けているのか、今から期待が膨むばかりです!
(レポート作成:ソレイユミニロードシリーズ 大会事務局とGeminiくん)